Gallagher戦法(by Yamagishi, edit ayu)
私の持っている KID(King's Indian Defense) の本の中で、
Gallagher戦法が解説されているのは次の3冊です。
(1)「starting out: the king's indian」
Joe Gallagher 著、Everyman Chess
社発行、2002年初版
KID全般について考え方や勝率などが解説されたお薦め本
です。これからKIDをレパートリーにしようという人に最適です。
(2)「play the king's Indian」
Joe Gallagher 著、Everyman Chess
社発行、2004年初版
同じ著者による続編で、KID経験者向けに詳しく書かれています。
(3)「The Fianchetto King's Indian」
Colin McNab 著、batsford
社発行、1996年初版
KIDに対する白のフィアンケット戦法だけを解説した本です。
ちょっと古いので最新の変化は載っていませんが、一番詳し
い本です。
研究編として(1)に載っている三つの実戦例を順に紹介します。
【 第1局 】Hohler - Gallagher, 1994
1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nf3 Bg7 4.g3 O-O 5.Bg2
d6
6.O-O Nbd7 7.Nc3 e5 8.e4 exd4 9.Nxe4 Re8 10.h3 a6
11.Re1 Rb8 12.Be3
c5
(上図参照)これはd6のポーンを自らバックワードポーンに
する棋理に反した(anti-positional)手です。しかし当戦法で
はそんなことは委細気にしません。黒はとにかく主導権
(initiative)を取りたいのです。
13.Nde2 Ne5 14.b3 b5 15.f4 Ned7
ここへ引くしかありません(15...Nc6
だと16.e5!)。黒はナイト
が同じ位置に戻ってしまいました。白は労せずして2手儲け
ました(14.b3 と
15.f4)。しかしこれこそ当戦法の真骨頂なの
です。14.b3 は a1-h8 の斜筋を弱めています。また 15.f4
は
e3のビショップを浮き駒にしています。
16.Qxd6 b4
黒は一見クィーン側を攻めているように見えますが、本当の
狙いは中央です。e4の白ポーンに隙ができています。
17.e5!
17.Na4 ならば 17...Nxe4 18.Bxe4 Rxe4 で、a1のルークと
e3のビショップが当たりになっています。ここに至って
14.b3
と 15.f4 とさせた効果が現れてきました。
17...bxc3 18.exf6?
18.Nxc3! Nh5 19.g4 Bf8 20.Qd2 Ng7 ならば
中央が強いのでまだ形勢不明でした。
18...Rxe3 19.fxg7 Rb6! 20.Qd1 Rbe6 21.Rc1 Qf6
22.Qc2 Qe7 23.Kf2 Nf6
24.Rcd1 Bb7 25.Bd5 Bxd5
26.cxd5 R6e4 27.Rd3 c4! 28.Rxe3 Rxe3 29.d6 Qa7
30.Qc1 Ne4+ 31.Kg2 Rxg3+! 0-1
投了以後は 32.Nxg3 Qf2+ 33.Kh1 Nxg3# で詰みです。
投稿者 yamagishi : 22:02
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