2004年12月20日
Gallagher戦法・研究編(2)
【 第2局 】Whiteley - Gallagher, 1989
1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nf3 Bg7 4.g3
4.Nc3 を後回しにしているのは黒から 4...d5 と、グリュンフェルド
ディフェンスに来られるのを警戒しているためです。
4...O-O 5.Bg2 d6 6.O-O Nbd7 7.Nc3 e5 8.e4
白は 8.h3 や 8.Re1
を先にすることもできます。そうされても
黒はルークがまだe8に廻っていないのでポーンをe4に突くこ
とができません。
8...exd4
Gallagher戦法を指すつもりならばできるだけ早くこの交換を
する必要があります。ぐずぐずしていると白からd5とされてし
まいます。黒はa1-h8の斜筋にg7のビショップを効かします
(X線効果)。
9.Nxd4 Re8 10.h3
後でBe3とした時に...Ng4とされないように、白はほとんどの
場合この手が必要です。
10...a6
この手からGallagher戦法特有の駒組みが始まります。
11.Re1
ここまでの白の手は決まった手順がなく、いろいろ自由度が
あります。黒の方はワンパターンです。
11...Rb8 12.b3
この手から前局と変わります。あらかじめc4のポーンを守って
おきます。黒の...Ne5は意味がなくなっています。
12...c5 13.Nc2
e2でなくここへナイトを引いたのは、a1のルークにひもをつけ
たのと、e1のルークのにらみを邪魔しないためです。
13...b5! 14.cxb5 axb5 15.Qxd6
KIDではd6のポーンはしばしば「腐ったポーン」になることが
あります。取らせまいと守るより、取らせてしまった方が駒の
展開が良くなることがあります。後でルークをd8に廻せば白は
一手費やしてクィーンを引く必要がでてきます。
KIDでは白の圧迫に対して黒はポーンのただ捨てや役駒の
交換損などで包囲網を突破する必要があります。そうしないと
いつまでも押さえ込まれたままで、圧死してしまいます。こう
いう過激な手を好まないならば、クィーンズギャンビットや
ニムゾインディアンなどの白から押さえ込まれない戦法を選ぶ
必要があります。
15...Rb6!
今回はこの手を先にします。15...b4 を先にすると 16.Na4 と
なり、ルークがb6に上がれなくなります。
16.Qd1 b4 17.Na4 Rbe6 18.Bb2 Qe7
e4のポーンは取れません。18...Nxe4? とすると 19.Bxg7 Kxg7
20.Bxe4 Rxe4 21.Rxe4 Rxe4
22.Nxc5! です。
19.Ne3 Bb7 20.f3
e4のポーンはこの手で簡単に防御できます。こんなに簡単に
守られてしまうのにどうして黒は大駒をe筋に三つも重ねたの
でしょうか?それはこの手を指させることによって、黒のキング
側の黒枡を弱体化させることにありました。黒はそこをめがけ
て新たな攻撃を開始します。白はポーンにこだわらずに、20.e5
としてポーンを返すことを考えるべきでした。
20...Nh5! 21.Bxg7 Kxg7
g7のビショップが消えても白陣の黒枡は弱体化したままです。
22.g4 Nf4 23.Qd2 Ne5 24.Rf1
黒から 24...Nxh3+ 25.Bxh3 Nxf3+ を狙われていたので
24.Rf1 はその防ぎです。
24...Rd8 25.Nf5+ gxf5 26.Qxf4 Nd3 27.Qe3 f4!?
28.Qd2 c4! 29.bxc4 Qd7
30.a3
...Qd4+ があるので白のナイトは助かりません。後は順当に
黒が勝ちを収めました。
30...Qxa4 31.axb4 Qd7 32.Qc3+ Qd4+ 33.Qxd4+ Rxd4
34.Rfd1 Red6 35.Ra7
Rd7 36.Kf1 Rxc4!37.Rxb7 Rxb7
38.Rxd3 Rcxb4 39.Rd2 Rb1+ 40.Kf2 R7b2 41.Rxb2
Rxb2+
42.Kg1 Kf6 43.h4 Ke5 44.g5 h6 45.h5 hxg5 46.Bh3 Kd4
47.Bg4 Ke3
48.Kf1 Rh2 49.Kg1 Rh4 50.Kf1 f6 51.Kg2 Ke2 52.Kg1 Rxg4+
0-1
以下は 53.fxg4 f3 で黒にクィーンができます。