2004年12月21日
Gallagher戦法・研究編(3)
【 第3局 】Yin Hao - Ye Jiangchuan、2000年、上海
1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nf3 Bg7 4.g3 O-O 5.Bg2 d6
6.O-O Nbd7 7.Nc3 e5 8.e4
8.h3 を先にしても 8...exd4 9.Nxd4 Re8 10.e4 で結局同じ形になります。
8...exd4
厳密には棋理に反した(anti-positional)手です。普通は
こんなに簡単に中央を放棄するのは誉められません。
しかしこの場合は黒は具体的な作戦に基づいているので
首肯されます。
9.Nxd4 Re8 10.h3 a6
...c7-c6, ...Nc5, ...a7-a5
が最もポピュラーな黒の作戦です。
しかしこの戦法では黒はなかなか白の包囲網を突破する
ことができません。私も経験がありますが、暴れたくても
争点を作り出すことができず、“将棋”にならないのです。
11.Re1 Rb8 12.Rb1!
一見何気ない手ですが、これが黒にとって最も手ごわい
応手です。大した手ではないですが、その代わり白陣に
何も悪影響を与えていません。つまり
12.Be3 と違って
e筋のポーンの防御に邪魔になっていないし、12.b3 の
ように a1-h8 の斜筋を開けっ放しにもしていません。
12...Ne5 13.b3 c5 14.Nc2 Nc6!
この局面では 14...b5 は通用しません。14...b5 15.cxb5 axb5
16.f4 Ned7 17.Qxd6
で、黒に良い手がありません。当初は
14...b5
が成立しないようではひどいポーンの形が残っただけ
の局面のように考えられていましたが、だんだんとこれでも
十分に戦えることが分かってきました。
15.a4 Be6! 16.Bb2 h5 17.Qd2 Nh7! 18.Red1 Be5!
19.f4 Bg7 20.Kh1
20.Qxd6? ならば 20...Bd4+ があります。
21...Qa5 21.Nd5 Qxd2 22.Rxd2 Bxd5 23.cxd5
白は 23.exd5 の方が良かったようです。23.cxd5
と取った
形は白のポーンが威容を誇っているように見えますが、
実際はe4のポーンは弱く、かっこうの攻撃目標となっています。
23...Na5 24.Bxg7 Kxg7 25.b4 cxb4 26.Rxb4 Nf6
27.Ne3 Rbc8 28.Kg1 Rc3
29.Kf2 Nb3 30.Nd1 Rxg3!
31.Rc2 h4 32.Rc3 Nc5 33.e5? Rxc3! 0-1
以下は 34.exf6+ Kxf6 35.Nxc3 Nd3+ です。