第1章 キングズ・ギャンビット受諾
古典的防御
この戦法はキングズ・ギャンビットの最古の防御法の一つで、これまでの防御法よりも堅固であると考えられています。理由は黒が自陣のキング側の連鎖ポーンをそのままに保つことができるからで、白がこれを解体するには役駒を犠牲にするしかありません。今日ではこの防御法はキングズ・ギャンビットに対する最も重要な防御法の一つと考えられています。かつてこの防御法はキングズ・ギャンビット受諾から強制的にこの戦法に移行でき、キーゼリツキー(Kieseritzky)・ギャンビットとビショップ・ギャンビットを避けることができると考えられていました。そのため広くこの防御法が採用されていました。しかしこの移行は必ずしも実現されないことが証明されます。それは 1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 h6 4.b3 で白は黒の 4...g5 を防ぐことができるからです。
布局の戦型にはそれぞれ歴史があり、キングズ・ギャンビットでもほとんど全ての手に歴史があります。この戦法の歴史的な発展の軌跡をたどるために、最も初期の試合の一つを例に採り上げ、次局で比較的最近の例を採り上げます。
【第7局】
グレコ(Greco)・ギャンビット
1.e4 e5 2.f4 exf4 3.Nf3 g5 4.Bc4 Bg7 5.h4 h6
6.d4 d6 7.Nc3
7...c6
この手はフィリドール(Philidor)の推奨によるものです。しかし今日では 7...Nc6 8.Ne2 Qe7 9.Qd3 Bd7 10.Bd2 O-O-O の方が良いと考えられています。
8.hxg5 hxg5 9.Rxh8 Bxh8 10.Ne5
非常に面白いが不正なナイト捨てです。この手はグレコ(1600-1634)によって創始されたと思われてきました。しかし実際には 1585 年から 1590 年の間にポレリオ(Polerio)によって書かれた本で最初に発表されました。
10...dxe5 11.Qh5 Qf6 12.dxe5 Qg7 13.e6
13...Nf6
もっと簡明な受けは 13...Bxe6 14.Bxe6 Nf6 15.Bxf7+ Ke7 16.Qg6 Qxf7 で黒の勝勢でした。
14.exf7+ Kf8?
この手は大失着で、以下に見られる見事な手筋により白の勝勢に変わりました。14...Ke7 が正着で 15.Qe2 Bg4 16.Qd3 Nbd7 で黒の楽勝でした。
15.Bxf4!
鮮やかなビショップ切りです。15...Nxh5 は 16.Bd6# で詰み、15...gxf4 は 16.Qc5# で詰みです。
15...Ke7
16.Bd6+
シュレヒター(Schlechter)は 16.Bxg5 を推奨していました。
16...Kxd6
16...Kd7 とかわすのは 17.Qxh8 Qxh8 18.f8=Q でダメです。
17.e5+! Kxe5
17...Ke7 と逃げると 18.exf6+ Qxf6 19.O-O-O です。
18.f8=Q
18...Qxf8
18...Nxh5 とクィーンを取っても 19.Qc5+ で白の勝ちです。
19.Qxg5+ Kd6 20.Qf4+ Ke7 21.O-O-O
以下白勝ちです。(Fritz9 によると 21...Nbd7 で黒の勝勢です。)