「Chess Life」1998年4月号(2)
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1997年FIDE世界子供チェス選手権戦
第6回戦
ヒカルは序盤でポーン得になった。しかしその後の指し
方がまずくてクイーン側でひどい形になった。ポーン得を
返すことによってなんとか勝負に持ち込むべくヒカルは
脳漿を振り絞った。その努力が奉公して局面は訳の分
からない乱戦に陥ってヒカルのポーンがクイーンに昇格
した。彼のクイーンとナイトのコンビは魔法のように働いて
相手は混乱に陥った。
ヒカル・ナカムラ - Ganzorig Erdene
白の手番
44.Rb5!
ヒカルは妨害の手筋で e ポーンを昇格させようとする。
しかし魔法はどちら側にも働く!
44...f4?
目には目をの 44...Rxc4! がうまい返し技だった。45.e8=Q
(45.Rxb3 Rc7 は黒よし。45.Rxf5 gxf5 46.Nxc4 は恐らく
引き分け。45.Rb8 Rc7 46.e8=Q Bxe8 47.Rxe8 b2
48.Re6+ Kb5 49.Rxg6 Rc2 50.Rg8 Rxd2+ 51.Kxd2 b1=N+!
は収局定石による引き分け。) 45...Re4+! が妙手でこの後
A) 46.Nxe4? は 46...Bxb5+ 47.Ke3 (47.Qxb5+ Kxb5 は
黒勝ちの収局) Bxe8 で白負けだから
B) 46.Qxe4 が絶対で以下 46...Bxb5+ 47.Ke3 fxe4
48.Nxb3 Bc6 49.Nc5+ Kb5 50.Nxe4 で収局定石による
引き分けの局面である。
45.Nf1
45.e8=Q Re3+ 46.Qxe3 fxe3 47.Rb8! exd2 48.Ra8+ の
方が簡明な勝ち方だった。
45...Rxc4 46.e8=Q Bxb5 47.Qa8+
白の勝てる局面であるがそれには黒の頑強な抵抗を
退けなければならない。
47...Kb6 48.Qd8+ Kc5 49.Qf8+ Kb6 50.Qb8+ Kc5
51.Nd2 b2 52.Qe5+ Kc6 53.Qe8+ Kc5 54.Qe5+ Kc6
55.Qe6+ Kc5 56.Qxg6! Rc3+ 57.Kf2 Bd3
58.Qg5+ Kb4 59.Qxf4+ Ka3
60.Qd4! Rb3 61.Qa7+ Kb4 62.Qb6+ Bb5
63.Qd4+! Ka3 64.Qc5+
64...Rb4
64...Ka2 と逃げると次のようにクイーンとナイトの強力な
連係プレーが発揮される。即ち 65.Qa7+ (65.Qd5 Ba4
66.Qc4 でも勝ち) Ra3 66.Qf7+ Ka1 67.Qg7 で勝つ。こ
の後は例えば 67...Ka2 68.Qg8+ Ka1 69.Qg1+ Ka2
70.Qb1# で詰みとなる。
65.Nb1+ Kb3 66.Qc3+ Ka2
66...Ka4 は 67.Qa3# で詰み。
67.Qxb4 Kxb1 68.Qxb5
68...Kc2 69.Qc4+ Kd2 70.Qb3 Kc1 71.Qc3+ Kb1
72.Ke2 Ka2 73.Qc2 Ka1 74.Qa4+ Kb1 75.Kd3 Kc1
76.Qc2# 1-0
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Fritz9 によると最初の局面で 44.Rb5 Rxc4 45.Rxb3 Rc7
の変化後は 46.Re3 で形勢互角のようです。同じく Fritz9
によると 64...Ka2 の変化で 67.Qg7 は 67...Bd3 で白の
明確な勝ち筋はないようで、代わりに 67.Qf8(Qf4 の狙い)
又は 67.Qe7 なら白のはっきりした勝ちのようです。
(この号続く)