「Chess Life」2000年1月号(1/2)
ヒカルがマンハッタン・チェスクラブ選手権に参加し3ポイントで9-16位に入賞しました。
******************************
・・・エルギンディは第4回戦で天才少年のヒカル・ナカムラに勝って0.5ポイント差で首位を走っていた。・・・
若者の活躍
・・・11歳のヒカル・ナカムラも好成績をあげた。前半ではマーシャル・チェスクラブの現チャンピオンで14歳のドミトリ・シュナイダー(彼もまた将来のスターである)を鮮やかに破ってリーダーに加わった。ヒカルは2300以下の選手の中で唯一勝ち越して賞金を獲得した。
最優秀試合賞
ナカムラのマリアン・ワックスマン戦での見事な勝利はこの選手権戦において一番の攻めの傑作だった。極め付きはクイーンのただ捨てでまさに「青天の霹靂」だった。ただ棋譜を並べていたら棋譜の誤りと思ってしまいかねない。この試合でのよどみなく鮮烈な指し方に対してヒカルにピンカス(Pinkus)最優秀試合賞が贈られた。おめでとうヒカル!!
スコットランド試合 [C45]
白 ヒカル・ナカムラ (2289)
黒 Marian Waxman (2100)
マンハッタン・チェスクラブ選手権 1999年
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.d4 exd4 4.Nxd4
4...Bc5
黒の他の手は 4...Nf6 5.Nxc6 bxc6 6.e5 Qe7 7.Qe2 Nd5 8.c4 Ba6 であるが白の方が成績が良い。いずれにせよ激しい戦いになり易い。
5.Be3
5.Nxc6 Qf6! 6.Qd2 dxc6 7.Nc3 Be6 は黒の駒の働きが良い。
5...Qf6 6.c3 Nge7 7.Bc4 O-O 8.O-O Ne5 9.Be2 d6 10.f4
10...N5g6
これが黒のつまづきの元だった。白にポーンを f4-f5 と突かれると g6 のナイトが当たりになる。10...N5c6 11.b4 Bb6 12.Na3 Nxd4 13.cxd4 Nc6 14.Nc2 が手堅い最善の応接だった。
11.b4 Bb6 12.Na3 Nc6 13.Nc4 Bxd4
黒は所詮 b6 のビショップを取られるのでセンターでの活動を狙ってこのビショップを切った。
14.cxd4 Qe7?
この手が契機で黒は盤端に押し込められた。14...Nxb4 15.f5! は白の面白い形勢だが 14...d5 15.e5 Qe7 16.Nd2 Nh4!? ならばまだ十分戦えた。
15.b5 Nd8 16.f5 Nh8
このあたりの展開は黒が不本意である。
17.Bd3 f6 18.Rf3 g6 19.Bh6 Re8
20.Ne3!
黒はさらに譲歩を強いられる。
20...c6 21.bxc6 bxc6 22.fxg6 hxg6 23.Rc1 Kh7 24.Bf4 Nhf7 25.Rg3
g6 の地点に兵力を集中させると共に e4-e5 突きを狙っている。
25...Rh8
この手は黒の妙手により頓挫するが 25...Rg8 でも 26.e5! で良くない。
26.Qh5+!!
黒キングは g 筋の煙突にはまる。
26...Kg8
26...gxh5 とクイーンを取ると 27.e5+ f5 28.Nxf5 で詰まされる。
27.Qxg6+ Kf8 28.d5 c5 29.Qg7+ Ke8 30.Bb5+ Bd7 31.Nf5 黒投了
黒は序盤での不用意な一着で苦境に陥った。ヒカルは黒に息つく暇も与えず攻め切った。
・・・
******************************
(この号続く)