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2007年10月 アーカイブ

2007年10月05日

「ヒカルのチェス」(36)

「Chess Life」2000年9月号

2000年5月12日から14日にかけてテキサス州グレープバイン(Grapevine)で全国小学生選手権(National Elementary Championship)が開催されました。

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K-6(小学6年生)選手権ではニューヨーク州ホワイトプレーンズ(White Plains)のヒカル・ナカムラ(レイティング2313)が7ポイントで優勝した。これによりダラス市にあるテキサス大学への4年間の学費と奨学金の権利を獲得した。この奨学金は現在3万ドル以上の価値がある。

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(この号終わり)

2007年10月12日

「ヒカルのチェス」(37)

「Chess Life」2000年11月号

2000年6月30日から7月4日にかけてペンシルベニア州フィラデルフィア市で第28回ワールド・オープンが開催されました。オープン部門に出場したヒカルは 5.5 ポイントを挙げてレイティング 2349-2250 選手中の 3-8 位に入賞しました。

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(この号終わり)

2007年10月19日

「ヒカルのチェス」(38)

「Chess Life」2001年6月号

2001年3月14日から18日にかけてワシントン州シアトル市で米国対中国の親善試合が行われました。ヒカルは Hua Ni と白黒1局ずつ指しどちらも敗れました。

表紙より。全員が写っている写真の右端がヒカルです。また右下隅は米国チームの写真の一部ですがそこにもネクタイ姿のヒカルが写っています。

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第2回戦

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シチリア防御 [B80]
スヘフェニンゲン戦法
白 FM Hua Ni
黒 ヒカル ナカムラ (2364)
米国対中国チェス頂上決戦2001 第2回戦

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Be3 e6

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7.f3 b5 8.g4 h6 9.Qd2 Bb7 10.O-O-O Nbd7 11.h4 b4 12.Na4 Qa5

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13.b3 Nc5 14.a3 Nxa4 15.axb4 Qc7 16.bxa4 d5 17.e5 Nd7 (訳注 17...Qxe5? 18.Bf4 +-)

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18.f4 Nb6 19.f5 Nxa4 20.fxe6 Nc3 21.exf7+ Kxf7 22.Bd3 Bxb4

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23.Qf2+ Kg8 24.Rdf1 Ba3+ 25.Kd2 Ne4+ 26.Bxe4 dxe4 27.g5

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ここまで定跡手順どおりである。二人の若者は最新定跡中の最新定跡をたどっている。

27...Rc8

ここでようやくヒカルはシドニー・オリンピック公開競技でのシロフ対アナンド戦(第1局)と別れた。その試合は

27...Bd5 28.gxh6 Bb2 29.Rb1 Bc3+ 30.Kc1 Bxd4 31.Bxd4 e3 32.Qxe3 Bxh1 33.Rb6 Rc8 34.Qb3+ Qc4 35.hxg7 Rxh4 36.Rb8 Qxb3 37.Rxc8+ Kxg7 38.cxb3 Rxd4 39.Rc7+

で引き分けに終わった。白は 40.Ra7 でaポーンが取れるので引き分けの局面に持ち込める。黒はルークとビショップがあるのでさらに指し継ぐこともできるが恐らく競技の運営者は望んでいなかっただろう。

28.Qf5!

中国チームの若手選手の Hua Ni は 3.5-0.5 という成績をあげて逸材の1人であることを示した。史上最年少の13歳でグランド・マスターになったBu Xiangzhi(15歳)は良く知られている。しかし Hua も同様に大きな才能を秘めているように見える。2001年ラスベガスでのナショナル・オープンで彼は最終日にGMアレックス・ボイトキーウィッツを破りGMドミトリー・グレビッチと引き分けた。本局で彼は片鱗を見せつける。

28...Qc3+

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この局面について確かな結論を出すのは難しいが 28...Qc4 も一考の余地があったかもしれない。注意を要するのは 28...Bd5 で、29.e6! という強手で応じられる。この局面で気をつけなければならないのはh8にいる黒ルークの悪形である。

29.Kd1 Bd5 30.e6 Qa1+ 31.Ke2 Bc4+ 32.Kf2 Qxf1+ 33.Rxf1 Rf8

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34.g6

白にはもっと速い勝ち方があった。それは 34.Qxf8+! で以下 34...Bxf8 (34...Kxf8 35.Ra1 Bb2 36.Rb1 Bxd4 37.Rb8+ Ke7 38.Rxh8) 35.Rb1 hxg5 36.Rb8 Kh7 37.hxg5 g6 38.Rc8 Ba2 39.Nb3 Bxb3 40.cxb3 Bd6 41.Rc6 で決まる。

34...Rxf5+ 35.Nxf5 Bxf1 36.Kxf1 Kf8 37.Bd4 Rg8 38.c4 Ke8 39.Ke2 Rf8

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40.Nxg7+ Ke7 41.Ke3 Rd8 42.Kxe4 a5 43.c5 a4 44.Ke5 Rg8 45.Nf5+ Kd8 46.g7 黒投了

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第4回戦

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(この号終わり)

2007年10月26日

「ヒカルのチェス」(39)

「Chess Life」2001年9月号(1/2)

2001年4月26日から29日にかけてミズーリ州カンザスシティでスーパーナショナルズ(Supernationals)が開催されました。ヒカルはK-12(12年生以下)の部門に出場して6.5ポイントを挙げ同点優勝しました。

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レイティングは問題じゃない

高校部門は特に名の通った選手が多かった。つい最近英国で僅かのところでGM基準を逃がしたIMアイリーナ・クラシュ(Irina Krush)が優勝候補だった。13歳のIMヒカル・ナカムラは駆け込みでこの大会に参加した。他の12人のマスターとエキスパートがすぐ後に続きあわよくば一泡吹かせようと狙っていた。アイリーナとヒカルは本命として突き進んでいったが、ヒカルが望んでいた直接対決が訪れなかったのはそれほど不思議ではない。「学校にチェスを」で人気者のマーカス・メアリーナ(Marcus Mairena)が「この大会ではレイティングは問題じゃないから良く見た方がよい」とうまいことを言った。

実際第4回戦ではヒカルとアイリーナはすんでのところで負けるところだった。

ヒュプシュ・ギャンビット(Hübsch Gambit) [D00]
白 David Zimbeck (2102)
黒 IMヒカル・ナカムラ
スーパーナショナルズ K-12 2001年

1.d4 Nf6 2.Nc3 d5 3.e4 Nxe4 4.Nxe4 dxe4 5.Be3

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5...e6 6.c3 Bd6 7.Qg4 Qf6 8.Qxe4

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8...Nc6 9.Qc2 Bd7 10.Nf3 h6 11.Bd3

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11...O-O-O 12.b4 g5 13.b5 Ne7 14.Qa4 Kb8

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この局面で白は序盤の選択に大満足に違いない。何しろ変則ギャンビットが咎められずに圧倒的な攻撃態勢を取れたのだから。

15.c4 c6 16.b6 a6 17.c5!

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このポーン捨ては非常に独創的である。

17...Bxc5 18.O-O Bd6 19.Bxa6!

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19...Nc8

19...bxa6 と取るのは 20.Qxa6 Nc8 21.b7 Na7 (21...Ne7 22.d5) 22.d5 で白が勝つ。

20.Rab1 Qe7 21.Rfc1 c5 22.Qa5 bxa6

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23.b7?

23.dxc5! なら黒が絶望的で私なら歓喜の大声をあげたいところだ。

23...Na7 24.Qxa6 Bc6

黒が封鎖線を作り上げ形勢は混沌となった。

25.dxc5 Bf4 26.Rc3

26.Nd4 には黒は 26...Rxd4 27.Bxd4 Rd8 と応じる。

26...Bb5 27.Bxf4+ gxf4 28.Qa5

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28...Qc7 29.Qa3 Be2 30.Rcc1 Rhg8!

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ヒカルは遂に形勢を覆した。

31.c6 Rd3 32.Ne5 Qxe5 33.c7+ Qxc7 34.Qxa7+ Kxa7 35.Rxc7 Kb8 36.Rbc1

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36...Rd1+ 37.Rxd1 Bxd1 38.Rxf7 Bf3 39.Rxf4 Bxg2 40.h4 Bxb7+ 41.Kf1 Bd5 42.Rf6

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42...Rh8 43.a4 Kc7 44.Ke2 Kd6 45.f4 Be4 46.Rf7 Ra8 47.Rf6 h5 48.Rh6 Bf5 白投了

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日曜の午前は3人だけが5-0の成績だった。サムソンとヒカルは早々と引き分けたがイェレーナはノア・シーゲルに負けた。
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最終戦は6人が5.5ポイントで並んでいた。ナカムラ、シーゲル、ベネンの3人が勝って同点優勝した。

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白の 3.e4 に対しては 3...dxe4 とポーンで取るよりも(この後白は多分 4.f3)ヒカルの指したように 3...Nxe4 とナイトで取る方が良いとされています。白の 5.Be3 に対して黒が e4 のポーンを捨てたくないならば 5...Bf5 と指します。最後は49.Rxh5 なら 49...Bg4+ なので黒は指す手がありません。

(この号続く)

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