「Chess Life」2001年9月号(1/2)
2001年4月26日から29日にかけてミズーリ州カンザスシティでスーパーナショナルズ(Supernationals)が開催されました。ヒカルはK-12(12年生以下)の部門に出場して6.5ポイントを挙げ同点優勝しました。
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レイティングは問題じゃない
高校部門は特に名の通った選手が多かった。つい最近英国で僅かのところでGM基準を逃がしたIMアイリーナ・クラシュ(Irina Krush)が優勝候補だった。13歳のIMヒカル・ナカムラは駆け込みでこの大会に参加した。他の12人のマスターとエキスパートがすぐ後に続きあわよくば一泡吹かせようと狙っていた。アイリーナとヒカルは本命として突き進んでいったが、ヒカルが望んでいた直接対決が訪れなかったのはそれほど不思議ではない。「学校にチェスを」で人気者のマーカス・メアリーナ(Marcus Mairena)が「この大会ではレイティングは問題じゃないから良く見た方がよい」とうまいことを言った。
実際第4回戦ではヒカルとアイリーナはすんでのところで負けるところだった。
ヒュプシュ・ギャンビット(Hübsch Gambit) [D00]
白 David Zimbeck (2102)
黒 IMヒカル・ナカムラ
スーパーナショナルズ K-12 2001年
1.d4 Nf6 2.Nc3 d5 3.e4 Nxe4 4.Nxe4 dxe4 5.Be3
5...e6 6.c3 Bd6 7.Qg4 Qf6 8.Qxe4
8...Nc6 9.Qc2 Bd7 10.Nf3 h6 11.Bd3
11...O-O-O 12.b4 g5 13.b5 Ne7 14.Qa4 Kb8
この局面で白は序盤の選択に大満足に違いない。何しろ変則ギャンビットが咎められずに圧倒的な攻撃態勢を取れたのだから。
15.c4 c6 16.b6 a6 17.c5!
このポーン捨ては非常に独創的である。
17...Bxc5 18.O-O Bd6 19.Bxa6!
19...Nc8
19...bxa6 と取るのは 20.Qxa6 Nc8 21.b7 Na7 (21...Ne7 22.d5) 22.d5 で白が勝つ。
20.Rab1 Qe7 21.Rfc1 c5 22.Qa5 bxa6
23.b7?
23.dxc5! なら黒が絶望的で私なら歓喜の大声をあげたいところだ。
23...Na7 24.Qxa6 Bc6
黒が封鎖線を作り上げ形勢は混沌となった。
25.dxc5 Bf4 26.Rc3
26.Nd4 には黒は 26...Rxd4 27.Bxd4 Rd8 と応じる。
26...Bb5 27.Bxf4+ gxf4 28.Qa5
28...Qc7 29.Qa3 Be2 30.Rcc1 Rhg8!
ヒカルは遂に形勢を覆した。
31.c6 Rd3 32.Ne5 Qxe5 33.c7+ Qxc7 34.Qxa7+ Kxa7 35.Rxc7 Kb8 36.Rbc1
36...Rd1+ 37.Rxd1 Bxd1 38.Rxf7 Bf3 39.Rxf4 Bxg2 40.h4 Bxb7+ 41.Kf1 Bd5 42.Rf6
42...Rh8 43.a4 Kc7 44.Ke2 Kd6 45.f4 Be4 46.Rf7 Ra8 47.Rf6 h5 48.Rh6 Bf5 白投了
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日曜の午前は3人だけが5-0の成績だった。サムソンとヒカルは早々と引き分けたがイェレーナはノア・シーゲルに負けた。
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最終戦は6人が5.5ポイントで並んでいた。ナカムラ、シーゲル、ベネンの3人が勝って同点優勝した。
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白の 3.e4 に対しては 3...dxe4 とポーンで取るよりも(この後白は多分 4.f3)ヒカルの指したように 3...Nxe4 とナイトで取る方が良いとされています。白の 5.Be3 に対して黒が e4 のポーンを捨てたくないならば 5...Bf5 と指します。最後は49.Rxh5 なら 49...Bg4+ なので黒は指す手がありません。
(この号続く)