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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第2局
白 タラシュ
黒 アリョーヒン
1925年、バーデン=バーデン
本局での黒の戦略は深く練られ余人には思いもつかないような駒の組み替えに満ちている。11...Qd8 と 13...Ba7 はそのような絶妙な手待ちであり、意表の飛び出しの 21...Bf5 は勝着の 22...Bxh3 の先触れだった。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 Bb6
古い手順の 4...Qe7 5.d4 Bb6 と同じことになる。しかし微妙な違いがある。本譜の手に対して白が (5.d4 の代わりに) 5.d3 と指せば黒はeポーンの「過剰防御」のためにクイーンを動かす必要がなく、この点において勝っている。
5.d4 Qe7 6.O-O Nf6
この手も定跡の改良であり 6...d6 よりも積極的である。ここで白はeポーンを守るために何かしなければならない。そしてそのために白の攻撃力が減殺される。
7.Re1
ここでの最も快活な手は 7.Bg5 である。7.dxe5 では局面が単純化し過ぎるし、7.d5 Nb8 では窮屈な局面になる。
7...d6 8.a4 a6 9.h3
精力的な 8.a4 の後のこの手は慎重すぎてキング翼の弱点となる可能性もある。意欲的に指すならば 9.Na3 である。
9...O-O 10.Bg5 h6 11.Be3
この手に対して 11...Nxe4 ははまりで、12.d5 で黒が駒損になる。
11...Qd8
eポーンを守る役目を終えてクイーンは元の位置に戻り、ナイトのためにその地点を空けてやる(12.d5 Ne7)。
12.Bd3
ここは白にとって 12.dxe5 Nxe5 13.Nxe5 dxe5 14.Bxb6 cxb6 15.Qe2 で単純化を図る機会で、互角の形勢となるところだった。
12...Re8 13.Nbd2 Ba7
これも先受けの手。このビショップ引きは 14.Nc4 に備えると共に、14.d5 に続く 15.Bxb6 により黒のポーン構造が壊されるのを防いでいる。
14.Qc2 exd4 15.Nxd4
15.cxd4 とポーンで取ると 15...Nb4 が来る。
15...Ne5 16.Bf1
ここまで深く引くよりも 16.Be2 の方が良かった。
16...d5
このポーン突きにより白は主導権を握った。
17.Rad1
17.f4 は 17...Ng6 18.e5 Nh5 で黒が有利である。
17...c5 18.N4b3 Qc7 19.Bf4
駒を交換することにより争点を緩和する意図である。
19...Nf3+
読みの入った手。黒はキング翼に襲撃部隊を集結させることに成功し、ポーンの犠牲も十分な根拠がある。
20.Nxf3 Qxf4 21.exd5
差し出されたポーンを頂く。この手に対してすぐに 21...Bxh3 は 22.gxh3 Qxf3 23.Bg2 で白の陣形は強固なので怖くない。
21...Bf5
この威嚇的な手の意味は白のビショップを監視の地点からそらしてから、薄くなったキング翼に襲いかかろうというものである。
22.Bd3
もっともそうな手。しかし直前の解説に照らして 22.Qc1 又は 22.Qd2 と指す方が賢明だった。しかしそう指しても黒が 22...Qxa4 とポーンを取り返して優勢だったろう。
22...Bxh3
白陣を破壊し(白の9手目の解説を参照)さらに 23...Bxg2 24.Kxg2 Qg4+ を狙っている。
23.gxh3
23.Qd2 の方がもっとねばれた。
23...Qxf3 24.Rxe8+
だまって 24.Bf1 と指し以下 24...Rxe1 25.Rxe1 Qxd5 となれば白は1ポーン損ではあるが本譜のような破滅を避けられただろう。
24...Rxe8 25.Bf1 Re5
縦からの攻めが決め手である。
26.c4 Rg5+ 27.Kh2 Ng4+
素晴らしい。
28.hxg4
28.Kg1 とかわしても 28...Nxf2+ で簡単に詰む。
28...Rxg4 29.Bh3 Rh4 白投了
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