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チェス500名局(3)

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第1部 開放型

第1章 ジュオコ・ピアノ

第3局

白 エリスカセス
黒 グリューンフェルト
1933年、モラフスカ・オストラバ

 本局は典型的な現代風の指し方で、消耗戦を連想させる。そこで見られるのは「精算の捨て駒」とも呼ぶべき技法である。

 その観点から見ていくとまず華麗な 27.Nf5 による駒損は一時的なもので白は開通したg筋に侵入口を確保する。その後の 40.h5 はbポーンを捨ててもすぐに取り返しb筋に活動拠点が得られることを見越している。最後に 45.Qf7+ は大切なポーンも捨てるが、ルークが敵陣に侵入するというもっと重要な代償を得る。

 最終手の 53.Rh8 も理論的には、深く進入したdポーンをおとりにして最後に残った役駒を精算することが目的と言える。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 Bb6 5.d4 Qe7 6.O-O Nf6 7.d5

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7...Nb8

 後でd7の地点から戦闘に復帰するつもりである。7...Nd8 は長いことそのままでいなければならないだろう。7...Na5 は 8.Bd3 の後 9.b4 で野垂れ死にする。

8.Bd3

 中原地帯は閉鎖されたが白は永続する圧力に期待をかけている。危険がないとはいえない精力的な指し方は 8.d6 からのポーンの犠牲に始まる。以下 8...Qxd6 9.Qxd6 cxd6 10.Bd5 となりクイーンがいなくなったにもかかわらず白が一帯を制圧している。

8...d6 9.Nbd2 a6

 10.Nc4 の狙いに備えて黒は活動的なビショップを取られないようにする。

10.Nc4 Ba7 11.a4 O-O 12.b4 Ne8

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 次に 13...f5 と突いて攻勢に移ろうという意図である。しかし白は次の手でそれを阻止する。

13.Qc2 g6

 黒はそれでもなお ...f5 と突く望みを捨てない。それと同時に現在働いていないキング翼のナイトの活用も意図している。しかし黒の陣形は凝り形のままである。

14.Bh6 Ng7 15.Ne3 f6

 黒は狙っていた ...f5 突きを断念しなければならないと自分の方から認めた。

16.Rad1 Rf7 17.Kh1

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17...Nd7

 他の手たとえば 17...Kh8 でも白は 18.Rg1 で次にポーンを g4 に突き積極的な攻勢を開始するだろう。

18.g4 Nf8 19.Rg1 Bxe3 20.fxe3 Bd7 21.Rg3

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21...c6

 黒は 21...Rc8 と準備してからこの反抗を行ないたいところだが 22.Bc4 で完全にその目論見はつぶされる。

22.Bc4 cxd5 23.Bxd5 Be6 24.Rdg1 Rc8 25.Nh4 Bxd5 26.exd5

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26...Rc7

 26...Kh8 に対しても白は本譜と同じく 27.Nf5 で応じる。以下 27...gxf5 28.gxf5 で、黒のg7のナイトは動くと 29.Rg8# で詰んでしまうので動けなくなる。

27.Nf5

 主戦場に巧妙に兵力を集中した白はいよいよ敵の防御を崩しにかかる。

27...gxf6

 27...Nxf5 28.gxf5 g5 とg筋を開けさせないのは 29.h4 あるいはもっと手っ取り早く 29.Bxg5 fxg5 30.Rxg5+ で抵抗を打ち破られる。

28.gxf5 Qe8 29.Qg2 Qd7

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30.Rxg7+ Rxg7 31.Bxg7 Qxg7 32.Qc2 Ng6 33.fxg6 h6

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 33...h5 なら白は本譜と同じように指し進めしかもさらに効果的になる。ここで全体的には黒が敵の攻め足を食い止めることに成功し、白は新たな戦場を求めることになる。

34.Qf5 Qf8

 34...Rxc3 とポーンを取ると 35.Qe6+ Kh8 (35...Kf8 は 36.Qxd6+) 36.Qe8+ Qg8 37.g7+ Kh7 38.Qg6# で詰んでしまう。

35.c4 Kg7

 ここでも 35...Rxc4 とポーンを取るのは 36.Qe6+ Kg7 (36...Kh8 は 37.g7+ でひどい) 37.Qd7+ K 任意 38.Qh7# で詰んでしまう。

36.Rc1 b6

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37.e4 Qe7 38.Qf2 Rb7 39.h4

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39...a5

 39...Qd7 と受ける方が良かった。39...Kxg6 とポーンを払うのは自殺手とも言うべき手で 40.Rg1+ でgファイルからの殺到が厳しすぎる。

40.h5 axb4 41.Rb1 b3 42.Rxb3 Qd7

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43.Qf5

 白は決定的な要所を占拠した。黒はクイーンの交換に応じることもできなければ(43...Qxf5 44.exf5 で 45.a5 が狙い) 43...Qxa4 で最悪の事態を逃れることもできない(44.Rf3)。

43...Qe7 44.Qe6 Qc7 45.Qf7+ Qxf7 46.gxf7 Ra7

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 47.a5 に備えた。しかし白ルークの敵陣への侵入で勝敗が決する。

47.Rxb6 Rxa4 48.Rxd6 Rxc4 49.Rxf6 Kf8 50.d6 Rxe4 51.d7 Rd4 52.Rxh6 Kxf7 53.Rh8 黒投了

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 投了も止むを得ない。53...Rxd7 とポーンを取るよりないが 54.Rh7+ Ke6 55.Rxd7 Kxd7 56.h6 で黒キングが「正方形」の外側にいるのでhポーンの勝利への進軍を止めることができない。

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2007年12月03日 13:29に投稿されたエントリーのページです。

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