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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第5局
白 シュピールマン
黒 ヤノフスキー
1907年、カールスバート
この好局の見どころは白がe筋を完璧に利用するところである。白はポーンを一時的に犠牲にして(8.O-O)この筋を開通させ、後にはまたポーンを犠牲にして(19.d6)この筋を支配下に治めた。
次々と敵陣に侵入した白の駒(18.Re7, 25.Nfe7+, 29.Ne7)は敵を壊滅させた。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 d6 5.d4 exd4 6.cxd4 Bb6
7.h3
7.Be3 又は 7.Nc3 には黒の 7...Bg4 がうるさいので、白はわざわざ一手かけて黒のこの手を完全に封じた。
7...Nf6 8.O-O
8.Nc3 とポーンを守ると次のようないつもの単純化の手順がある。8...Nxe4 9.Nxe4 (9.Bxf7+ Kxf7 10.Nxe4 Re8 はキャッスリングはできなくなったが黒が良い。9.Qe2 なら 9...O-O でよい。) d5
だから白は攻勢を取るためにポーンを取らせた。
8...Nxe4 9.Re1 O-O 10.Rxe4 d5 11.Bg5
白は際どい所でこの手を利かせる。黒は 11...f6 とはできなかった。それは 12.Bb3 fxg5 13.Nc3 で白が良くなる。
11...Qd6 12.Bxd5 Qxd5 13.Nc3 Qd7 14.d5
この中原の孤立ポーンはブロックの役割をはたす。
14...f6 15.Be3
15...Nd8
e6の地点に利かせるためにここに引いた。15...Ne7 と引くのは 16.Bxb6 axb6 17.Qb3 Kh8 18.Nd4 で白には色々な狙いがある。
16.Bxb6 axb6 17.Qe2
e筋を強化した。
17...Nf7 18.Re7 Qd8
次に 19...Ne5 を見ている。
19.d6
ポーンを突き捨てて他の駒の働き良くする。
19...Nxd6
ここは勝負所である。19...Qxd6 とクイーンで取るのは 20.Nb5 (20.Rd1 でも良い)で明らかに白が良い。19...c6 は 20.d7 Bxd7 21.Rd1 Ne5 22.Rdxd7 Nxd7 23.Qe6+ Kh8 24.Rxd7 という好手順で有利な駒割りになる。19...cxd6 は 20.Nb5 (本手は 20.Re3 で後で黒のクイーン翼の乱れをつく) Ra5 21.Rd1 Ne5 で 22...Rxb5 を狙い形勢不明である。
20.Nd5 Rf7 21.Re1 Bd7 22.Nh4
もう一つのナイトの働きに負けまいとするかのように飛び跳ねた。
22...Ra5
最下段の大切な守りを放棄するよりも黒は 22...c6 と催促する方が良かった。
23.Rxf7 Nxf7 24.Nf5
このナイトも戦闘に加わった。24...Bxf5 と取ると 25.Qe8+ Qxe8 26.Rxe8# で詰んでしまう。
24...Ne5
ルークへの出動命令をこの後取り消して混乱をきたす。それよりも黒キングは自ら 24...Kf8 と守りを買って出るべきだった。
25.Nfe7+ Kh8 26.b4 Ra8 27.f4 Ng6 28.Nxg6+ hxg6 29.Ne7
29...Qe8
黒陣の危険な状況は次の変化からも分かる。29...Be8 30.Rd1 で黒クイーンは奥まったb8に引っ込むしかない。その後白は 31.Qg4 で必殺の 32.Qh4# を狙う。
30.Qf2 g5 31.fxg5 fxg5
詰みを逃れるためとはいえ黒陣は既にぼろぼろである。
32.Qd2 b5 33.Qxg5 Ra6 34.Re4
34...Rh6
黒はもはや受けが効かない。34...Qf7 と守っても 35.Rh4+ Rh6 36.Rxh6+ gxh6 37.Qxh6+ Qh7 38.Ng6+ (38.Qf8+ でも同様に詰む) Kg8 39.Qf8# で詰みになる。
35.Nf5 Qg6
交換損を避けるための手だが代わりにビショップを取られる。35...Qxe4 も 35...Re6 も 36.Qxg7# があるのでだめである。黒は 35...Qf8 36.Nxh6 gxh6 も手を少し延ばすだけとみて本譜の手を選んだ。
36.Qd8+
36.Nxh6 と交換得すると黒は 36...Qxg5 でなく(37.Nf7+ から 38.Nxg5) 36...Qxe4 で助かる。
36...Kh7 37.Qxd7 Rh5 38.Rg4 Rg5 39.Rh4+ 黒投了
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