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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第6局
白 ベッカー
黒 マティソン
1929年、カールスバート
名局の多くは軟弱なf7の地点への攻撃を戦略の基礎においている。本局ではこの古くからのテーマに新しい一面が見られる。白の二つのナイトが入れ替わり立ち代り重要なf筋に出没する。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 d6 5.d4 exd4 6.cxd4 Bb6 7.Nc3
この手の目的はコンパクトであると同時に動き易い中原を何としても維持することである。
7...Nf6 8.O-O Bg4
この手は白の中原に挑むのが可能であることを証明しようとするものである。
9.Be3 O-O
9...Bxf3 は 10.gxf3 で中原が強化され、二重ポーンの不利が埋め合わされる。一方開通したg筋も白に有利に働く (Kh1 から Rg1)。
10.Bb3
10...Nxe4 11.Nxe4 d5 で中原の黒の劣勢を和らげようという黒の狙いを未然に防いだ。
10...Re8 11.Qd3
11...Bh5
ここでも 11...Bxf3 12.gxf3 は白の目的のお手伝いになるだけである。本譜の手で黒は次に 12...Bg6 とビショップを引いて敵のeポーンに狙いを定める気である。
12.Nd2 Ng4
この手は時期尚早の反撃である。この局面の要求に合った手は、前の手で触れたように 12...Bg6 である(13...d5 を狙う)。ただし 13.d5 Ne5 14.Qe2 で白の形はしっかりしている。
13.Nd5 Nxe3 14.fxe3
白は双ビショップの特権は失ったが、代わりに開通したf筋は非常に利用価値がある。
14...Rf8 15.Rf2 Ne7 16.Nf4 Bg4
これで重要なf7を守る黒の駒が一つ減った。白はそこをめがけて早急に全兵力を集中させる。
17.Raf1 Qc8
18.Ne6 という手が生じてきたのでその狙いに対処するのが最善である。
18.h3 Bd7 19.Nc4
19...g6
何とか駒を捌こうという 19...Bb5 は 20.Nxb6 Bxd3 21.Nxc8 Bxf1 22.Nxe7+ Kh8 23.Rxf1 で黒の駒損に終わる。
20.g4
この手から白の猛攻が始まる。
20...Kg7 21.e5
この手は次に 22.Nxb6 axb6 23.Nh5+ gxh5 24.Rxf7+ Rxf7 25.Rxf7+ で詰めようという手である。
21...d5
ポーンを与えてなんとか相手の攻勢を和らげようとする。
22.Nxb6 axb6
23.e4
23.Nxd5 Nxd5 24.Bxd5 とポーン得するのは 24...Be6 で受け側としても何とか息がつける。しかし白はそれに見向きもせず攻撃に全精力を注ぐ。
23...dxe4 24.Qxe4 Bc6 25.Qe3
26.Nh5+ をひそかに狙っている。
25...Kh8
26.Nh5
それでもこれを決行する。もう少し迫力には欠けるが 26.Ne6 でも良かった。
26...gxh5
取らないと 27.Qh6 が来る。
27.Rxf7 Rxf7 28.Rxf7
f7の地点が占領されて黒は受けがなくなった。
28...Nd5
28...Bd5 でも29.Qh6 である (29...Bxf7 30.Qf6+ 31.Kg8 31.Bf7+ で3手の詰み)。
29.Qh6 Qg8 30.Bxd5 Qg6
30...Bxd5 は 31.Qf6+ で詰む。
31.Rf8+ 黒投了
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コメント (1)
黒番のとき、e5とつかない理由は
こんな展開になるからです。
上位者は、1.e4 e5をよく研究しているようで、たいていつぶされるか、圧倒的苦戦を強いられます。
ジュオコ・ピアノ。黒の弱点であるf7を徹底的に狙われるから、嫌ですね。
黒番のときは、カロカンか、スラブで行きます。
投稿者: ayu | 2007年12月12日 22:53
日時: 2007年12月12日 22:53