« 一手一手の定跡習得(9) | メイン | チェス500名局(6) »

実戦に役立つエンディング(17)

第2章 ポーン・エンディング

2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン

 キング+2ポーン対キング+ポーンの局面はポーン・エンディングの中でも非常に複雑な部類に入る。局面の可能性は多種多様である。全体の理解を得ようとするならば体系的に学ばなければならない。一つの原則はポーンの数の優勢な側は自分のパスポーンが他のポーンから離れていて敵のキングをおびき寄せることができるならば勝つことができるということである。

 もちろん簡単には勝てない局面も多い。我々にとって関心があり以降で採り上げるのはそういう局面である。

 孤立ポーンがパスポーンの場合

 2ポーン対1ポーンのエンディングを白ポーンの配置によって分類する。まず白ポーンが孤立していてその内の一つがパスポーンとなっている場合を調べる。前に述べたように白ポーンがある程度離れていると白が比較的簡単に勝つ。そこでここではポーンが1列だけ離れている場合だけを考える。この場合パスポーンは黒キングを主戦場からあまり遠くへ誘い出すことができない。図17は典型的な局面である。

YKeres017.JPG 図17

 この局面はどちらの手番であろうと白の勝ちである。ここでは白の手番として考える。

1.d5 Kd7

 1...Kc5 は 2.Ke5 Kxb5 3.d6 Kc6 4.Ke6 で白の簡単な勝ちである。

2.Ke5 Ke7 3.d6+ Kd8!

 最も巧妙な受けで、白にはちょっとした問題がある。3...Kd7 だったら 4.Kd5 で勝てるが、本譜の手に対しては 4.Kd5 Kd7 又は 4.Ke6 Ke8 5.d7+ Kd8 でうまくいかない。しかし白はここで初歩のエンディングの一つに誘導することができる。

4.d7!

 これが勝つための最も簡単な手で、ポーンを捨てて見合いを取りその後黒ポーンを取って標準の勝ち方に持ち込むことができる。4.Kd4 Ke8 5.Ke4 Kd8 6.Ke5! というもっと手の込んだ勝ち方もありこれについては後にまた触れる。

4...Kxd7

 4...Ke7 ならば 5.d8=Q+ Kxd8 6.Kd6 で勝てる。

5.Kd5 Kc7 6.Ke6 で白の勝ち

(この節続く)

コメント (1)

ayu:

このくらいの手数だと、駒を並べずに頭の中で指し手を進められますね。

4.d7 
単純明快でわかりやすい勝ち方ですね。

実戦の時は、終盤になると時間が切迫していると思うので、こんな手がうれしいですね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年12月12日 09:58に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「一手一手の定跡習得(9)」です。

次の投稿は「チェス500名局(6)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。