第2章 ポーン・エンディング
2.2 キング+ポーン対キング+ポーン
B ポーンが異なる列にある場合
この場合もしポーンが相手のキングによって止められてしまうと、白が敵ポーンを有利な条件の下で取れない限り結果は通常は引き分けである。この例として図14を考えてみよう。
図14 白の手番
デドルレ 1921年
白が黒ポーンを取るのは簡単である。例えば 1.Kc3 Ke5 2.Kb4 Kd5 3.Kxa4 で何も問題ないように見える。しかし黒にも策があり 1...a3 で引き分けにできる。以下 2.bxa3 なら 2...Ke6 3.Kc4 Kd6、2.b4 なら 2...Ke6 3.Kb3 Kd6 4.Kxa3 Kc6 5.Ka4 Kb6 である。白が勝つためにはこの黒の手を考慮に入れなければならない。そして自分のポーンをできるだけ後ろに置いたままの状態でキングで黒ポーンを取らなければならない。その手順は次のとおりである。
1.Kb1 a3
最善の受けである。1...Ke5 は 2.Ka2 Kd4 3.Ka3 Kc5 4.Kxa4 Kb6 5.Kb4! で白が簡単に勝つ。
2.b3!
後で分かるように 2.b4 は引き分けにしかならない。
2...Ke5 3.Ka2 Kd5 4.Kxa3 Kc5 5.Ka4 Kb6 6.Kb4!
これで白の勝ちである。
明らかに白ポーンがb4にあったらこの最後の手は指せないところであった。本譜ではおなじみの勝ちの局面になった。
(この項続く)