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実戦に役立つエンディング(13)

第2章 ポーン・エンディング

2.2 キング+ポーン対キング+ポーン

A ポーンが同じ列にある場合(続き)

 ポーンがルーク筋にある場合は当然勝つ可能性は少なくなる。しかし図13の局面は巧妙で思いがけない手順が存在する。

YKeres013.JPG 図13 白の手番
シュラーゲ対アフーエス、ベルリン、1921年

 この局面は1921年ベルリンでの大会でのシュラーゲ対アフーエス戦に現れた。白の手番で黒は当然ポーンを取られる。しかし白が5手かけて黒ポーンを取る間に黒キングは引き分けにできるc7の地点に到達するので問題ないように見える。本当にこの局面は引き分けの局面なのだろうか。実戦の進行は 1.Ke6 Kc3 2.Kd6? Kd4 3.Kc6 Ke5 4.Kb7 Kd6 5.Kxa7 Kc7 で以下引き分けになった。

 しかし実際には白キングが正しい道筋を選んでいれば勝つことができた。ポーン・エンディングではキングが斜めの道筋を通っても同じ手数で同じ地点に到達し、しかも敵のキングの進路を制限できることがある。白は次のように指すべきであった。

1.Ke6 Kc3 2.Kd5!

 こう指しても白は5手で黒ポーンが取れる。しかも黒キングのd4-e5-d6の道筋を妨げている。従って黒はc7の地点に間に合わずに負けてしまう。

2...Kb4

 2...Kd3 なら 3.Kc6 Ke4 4.Kb7 Kd5 5.Kxa7 Kc6 6.Kb8 でやはり白が勝つ。

3.Kc6 Ka5 4.Kb7 Kb5 5.Kxa7 Kc6 6.Kb8

 これでポーンがクイーンに昇格できる。

 単純だが非常に参考になる例だった。面白いことに図13で黒キングがb2でなくもっと条件の悪そうなh2にいたならば、白は黒キングの進路をじゃまして無駄な手を指させることができないので引き分けになるところであった。

(この項続く)

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2007年12月08日 10:24に投稿されたエントリーのページです。

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