第2章 ポーン・エンディング
2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン
A 孤立ポーンがパスポーンの場合(続き)
図18のような局面はすべて白の勝ちと思われるかもしれない。しかし驚くべき例外がある。それは図19のように黒と白のポーンがビショップ列にある場合である。
図19
ちょっとみただけでは何も変わりないように思われる。例えば 1.e4 Ke6 2.Kf4 Kf6 3.e5+ Ke7 4.Kf5 Kf7 5.e6+ 又は 1...Kd4 2.Kf4 Kxc4 3.e5 Kd5 4.Kf5 c4 5.e6 c3 6.e7 c2 7.e8=Q 8.c1=Q 8.Qd8+ の後 9.Qc7+ でこれまで見てきたように白が勝つ。しかし実際には以下のようにわずかな違いがある。
1.e4 Kd4! 2.Kf4 Kxc4 3.e5 Kb3!!
この手で黒は白キングが遠く離れている時そのクイーンはビショップ列の7段目のポーンに勝つことができないという特異な事実を利用している。ただし 3...Kd3 はだめで 4.e6 c4 5.e7 c3 6.e8=Q c2 7.Qe3+ で白が勝つ。
4.e6 c4 5.e7 c3 6.e8=Q c2
これで白は黒キングがb2の地点に行くことを阻止できないので引き分けである。この局面については後のクイーン・エンディングの章でもっと詳しく述べる。それでも一応ここで言及しておく価値はあるだろう。
図18の局面の駒配置が1段下だったら黒はいつでも白ポーンを攻撃できるので引き分けであることは明らかである。しかし驚くべきことに、2段上に上げて黒ポーンが原位置にいるようにすると白の勝つ可能性はやはり制限を受けてしまう。黒キングは白ポーンの前に立ちはだかり通常はステイルメイトで終わる。しかしここでは指摘するに留めておく。
最後に図17から図19の局面で黒の手番ならば白が簡単に勝つことを述べておく。この場合白ポーンは攻撃を受けることがないので白は自分のパスポーンを進めるだけで良い。ただし唯一の例外はやはり黒ポーンが原位置にある場合である。
(この節続く)