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実戦に役立つエンディング(22)

第2章 ポーン・エンディング

2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン

B 孤立ポーンがパスポーンでない場合

 この型の局面は防御側が引き分けにできる可能性が非常に大きくなる。攻撃側のポーンに手待ちの余裕がない場合は特にそうである。勝敗を分けるのはキングの配置と見合いが取れるかどうかである。図22で考えてみよう。

YKeres022.JPG 図22

 これは一つの典型的な局面である。ちょっと見ただけでは白に勝ちがあるのかどうか判断するのは難しくて、十分な分析が必要である。一般原則としては防御側は白ポーンの自由をできるだけ制限して手待ちの余裕をなくさせるようにしなければならない。一方攻撃側はこの自由を保ったままできるだけ前に自分のキングを進めるようにしなければならない。これらの要点を頭に入れておけば以下の手順は容易に理解できるであろう。まず最も簡単な場合として黒の手番から始める。

1...e5! 2.f4

 キングが動いても 2.Ke4 Ke6 又は 2.Kd2 Ke6 3.Kc3 Kd5 のようにうまくいかない。本譜の手は唯一の勝つ可能性のある手である。

2...Kf5

 黒が引き分けるにはこの手しかない。2...exf4+ 3.Kxf4 Ke6 4.Ke4 Kd6 5.Kd4! は白の勝ちである。本譜の手の後は 3.fxe5 Kxe5 で明らかな引き分けである。

 この簡単な手順のほかに黒には次のように別の引き分けの手がある。ただし正確な手順が要求される。

1...Ke5

 ただし 1...Kf5 はだめで 2.d4 Kg6 3.Kf4 Kf6 4.Ke4 の後 5.Ke5 で白が勝つ。この局面は後で出てくる。

2.Ke2

 2.d4+ Kd5 又は 2.f4+ Kf5 の後黒は 3...e5 を狙う。もし白が 3.f4(又は d4)と指せば黒が最初に 1...e5 と指した場合の対称的な形になる。

2...Kf4

 キングが他の地点に動いても引き分けであるがこの手が一番参考になる。

3.d4 Kg5!

 今度は絶対の手である。3...Kf5? はこれまで見たように 4.Ke3 で白の勝ちである。黒は白が Ke3 と指した時 ...Kf5 と指せる状態でなければならない。白はこれ以上どうすることもできないので引き分けになる。

 図22に戻って白の手番ならば次のような手順で勝てる。

1.Ke4!

 キングをできるだけ前に進ませるという先ほどの原則に従った手である。この手しか勝ちはない。1.Kf4? は 1...e5+ 2.Kg4 Kg6、1.f4 は 1...Kf5 2.Kf3 e5、さらに 1.d4 は 1...Kf5 2.Kd3 Kf4 3.Ke2 Kg5! でいずれも引き分けになる。

1...Kf7

 最も可能性のある手。1...e5 には 2.f4!、1...Ke7 には 2.Ke5 Kd7 3.d4 Ke7 4.f4 Kd7 5.d5(又は 4...Kf7 5.f5)で白が楽に勝つ。

2.Ke5 Ke7 3.f4 Kd7

 3...Kf7 は 4.f5 ですぐ負ける。

4.Kf6!

 4.d4? は 4...Ke7! で引き分けになることは読者自身で確かめられたい。

4...Kd6 5.d4

 見合いを取り勝ちも確定する。5.Kf7 も可能で 5...e5 6.f5 で勝つ。

5...Kd7 6.Kf7 Kd6 7.Ke8! Kc6 8.Ke7 Kd5 9.Kd7 Kxd4 10.Kxe6 で白の勝ち

 注意を要するのは白が勝てたのは 5.d4 と指す余裕があったからである。その証拠に白の6手目の局面で白の手番だとすると最善を尽くしても引き分けにしかならない。このことをもっと詳しく調べてみる。

 白が勝つためには黒キングがd7にいる時に本譜のように白キングはf7に行って見合いを取らなければならない。他の対応枡は白のf6とf8に対して黒のd6とd8である。白キングがg筋にいる場合g8とg7に対応する黒の枡はe8とe7である。g6はどうであろうか。黒のe6の枡は自分のポーンがいるので遠方見合いのc6の枡だけが対応する。白キングがg6に行くとすぐに黒キングはこのc6に行かなければならない。

YKeres022A.JPG

 以上のことから手順は次のようになる。

1.Kf6 Kd6 2.Kg7 Kc7!

 2...Ke7? は誤りで 3.Kg6! Kd6 4.Kf6 Kd7 5.Kf7 で白が勝つ。

3.Kg6 Kc6! 4.Kf7 Kd7 5.Kg8 Kc8!

 ここでも唯一の手である。5...Ke8 は 6.Kg7 Ke7 7.Kg6!、5...Kc6 は 6.Kf8 Kd6 7.Ke8 で黒が負ける。

6.d5

 他に適切な手がない。

6...Kd7!

 6...exd5? は誤りで 7.f5 で白がチェックでクイーンを作れる。

7.Kg7

 7.dxe6+ と取るのは 7...Kxe6 から 8...Kf5 で黒は問題ない。

7...exd5

 これで両者のポーンが共にクイーンに昇格する。

(この節続く)

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2007年12月17日 11:11に投稿されたエントリーのページです。

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