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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第7局
白 シュタイニッツ
黒 フォン・バルデレーベン
1895年、ヘースティングズ
本局の見どころは白がどのように敵陣のちょっとした弱点につけ込み巧みな捌きによって敵キングのキャッスリングを阻んだかというところである。盤上の支配を一度も緩めることなくシュタイニッツは最も華々しく美しい手筋の連続で本局を締めくくった。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 Nf6 5.d4 exd4 6.cxd4 Bb4+ 7.Nc3
ザ・カラブレーセ(グレコの異名)によって既に1619年に推奨されていた手で、白はポーンを捨てて攻勢を取る。
7...d5
7...Nxe4 が普通で何も悪くない。ただし黒はポーン得を守り通すことは期待できない。
8.exd5
白は前哨戦の小競り合いで中原にポーンを得た。このポーンは孤立しているが強力さの象徴となる。
8...Nxd5 9.O-O
9...Be6
この手は理にかなった手のはずであるが、この後キャッスリングの機会がなかったことを考えれば黒は何をおいても 9...Bxc3 としてから展開に努めるべきであった。
10.Bg5 Be7 11.Bxd5 Bxd5 12.Nxd5 Qxd5 13.Bxe7 Nxe7 14.Re1
ばたばたと駒交換が行われた後気付いてみれば黒はキャッスリングができない状態になっていた。次の手から黒は「人工キャッスリング」でキングを安全地帯に置こうとするが手数がかかりすぎた。
14...f6 15.Qe2 Qd7 16.Rac1 c6 17.d5
軽妙なポーンの突き捨てでナイトがd4の地点に行けるようになり攻撃力が増す。
17...cxd5 18.Nd4 Kf7
黒はほぼキャッスリングを成し遂げたがまだ完全ではない。
19.Ne6
狙いは 20.Rc7 である。
19...Rhc8 20.Qg4 g6 21.Ng5+ Ke8 22.Rxe7+
この局面にはただただ驚くばかりである。白の駒は全部当たりになっていて黒には ...Rxc1 による詰みの狙いがある。しかし黒はチェックしている白ルークを取ることができない。例えば 22...Qxe7 は 23.Rxc8+ Rxc8 24.Qxc8+ で白が駒得になる。22...Kxe7 の変化は極度の正確さが必要で、白が本譜の手を指す前に読んでいなければならないものであった。つまり 22...Kxe7 23.Re1+ Kd6 24.Qb4+(24.Re6+ Kc5 も 24.Qf4+ Kc5 もうまくいかない)Rc5(24...Kc6 は 25.Rc1# で詰み。24...Kc7 は 25.Ne6+ Kb8 26.Qf4+ で白勝ち)25.Re6+ で白が勝つ。以下のきれいな手順の中でルークはずっと取られる状態が続き最後は黒がそのルークを取らざるを得なくなり詰まされる。
22...Kf8 23.Rf7+ Kg8 24.Rg7+ 黒投了
以下の11手詰めはひどい駒損によってのみしか回避できない。
24...Kh8 25.Rxh7+ Kg8 26.Rg7+ Kh8 27.Qh4+ Kxg7 28.Qh7+ Kf8 29.Qh8+ Ke7 30.Qg7+ Ke8 31.Qg8+ Ke7 32.Qf7+ Kd8 33.Qf8+ Qe8 34.Nf7+ Kd7 35.Qd6#
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