第2章 ポーン・エンディング
2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン
C 連結パスポーンの場合
白のポーンが連結していてその内の一つがパスポーンの場合は白の勝つ可能性は非常に大きい。黒の受けの可能性は限られ、引き分けが望めるのは白のポーンがあまり進んでいない場合か黒キングが異例の好位置にいる場合だけである。以降では局面を評価する要素について説明していく。
まずポーンがa筋とb筋にある場合から考えてみる。それと同時にポーンがどのくらい進んでいるかも考慮する。これにより全ての型が尽くせる。
図24
図24はこの型のエンディングの基本である。どちらの手番でも結果は同じなのでここでは手順が少し難しくなるように黒の手番として考える。
1...Kc5 2.Kd3 Kd5 3.Ke3 Ke5 4.Kf3!
ここで分かるように連結パスポーンの大きな利点は白キングが近くにいる必要がないことと敵キングの動きを厳しく制限することである。この例では黒キングは b5-b8-e8-e5 の正方形から出るわけにはいかない。もし出れば白のbポーンがクイーンに昇格してしまう。つまり黒は 4...Kf5 とは指せず見合いを放棄しなければならない。
4...Kd5 5.Kf4 Kd6 6.Ke4
6.Kf5 は 6...Kd5 とされてまた4段目に戻らなければならないので何もならない。
6...Ke6 7.Kd4 Kd6 8.Kc4 Kc7
このように黒は白に5段目を譲ることを余儀なくされた。しかし黒にはまだいろいろな抵抗手段がある。
9.Kc5
9.Kd5 Kb6 10.Kd6 Kb7 11.Kc5 の方がもっと簡単な勝ち方である。しかし一、二の参考になる点を示すために長い手順の方を取る。
9...Kb7 10.Kd5!
10.b6? は 10...Ka6! 11.Kc6 でステイルメイトになってしまう。10.Kd6 は 10...Kb6 11.Kd7 Kb7 で黒キングが見合いを保つ。
10...Kc7 11.Ke6 Kb6
11...Kb7 は 12.Kd7 Kb6 12.Kc8 で白の勝ちである。
12.Kd6 Kb7 13.Kc5(d7) で白の簡単な勝ち
もし図24の駒配置を1段上に上げれば(白のポーンがa5とb6など)もはや白の勝ちはない。白キングはc6に行けるが既に見たようにステイルメイトになるのでbポーンを突くことができない。同様にさらに1段上げても(白のポーンがa6とb7など)明らかに黒キングがb8とc7から追われないので引き分けである。
図24の駒配置を1段下に下げても(白のポーンがa3とb4など)まだ白の勝ちであるが、2段下げると(白のポーンがa2とb3など)状況が変わってくる。白番ならば 1.Kc2 Kc5 2.Kd3! Kb4 3.Kd4 Kb5 4.Kc3! Kc5 5.b4+ で勝つ。しかし黒番ならば 1...Kc3 2.Kd1 Kb2! と白ポーンに逆襲して白がステイルメイトを選ばなければならないので引き分けになる。
(この節続く)