第2章 ポーン・エンディング
2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン
C 連結パスポーンの場合(続き)
さらに右に移した図28もまた少し複雑である。
図28
白の勝つ可能性が非常に少なくなっていることは言うまでもないだろう。白はh筋からは侵入が絶望的なのでクイーン翼からの侵入を試みるしかない。しかしクイーン翼で前進するためには見合いを取らなければならないが、遠方見合いがうまくいかない。図を見れば黒が遠方見合いを利用して正しく守れば白がうまくいかないことは簡単に分かる。
白はもちろん黒キングがc4-c8-g8-g4の正方形から出られないことを利用してa筋から侵入を試みることはできる。しかしこれに対しても黒は見合いを利用してうまく守ることができる。それに白は自分のfポーンに対する逆襲も考慮に入れておかなければならない。具体的な手順を見てみよう。
1...Kd4
これが最も簡単な手であるが 1...Ke6 又は 1...Kd6 でもよい。黒は Kd3 には ...Kd5、Kc3 には ...Kc5 と応じられるようにしなければならない。白キングがa筋に行くのを止めることはできないので今の時点では遠方見合いを取るのは意味がない。
2.Kd2
2.Kf2 Ke5 3.Kg2 Kf6 4.Kh3 Kg5 は引き分けである。
2...Kc4 3.Kc2 Kd4 4.Kb3
4...Kd5!
黒はすぐに斜め見合いを取らなければならない。4...Kd3 は 5.g5 でだめだし、4...Kc5? には 5.Kc3 で見合いを取られてしまう。しかし 4...Ke3 5.g5 Kxf3 6.g6 Ke2 7.g7 f3 8.g8=Q f2 と逆襲して図26の白の3手目の変化と同様のエンディングにするのはどうだろうか。
実は駒の配置が違うために白は 9.Qg2 Ke1 10.Kc2! f1=Q 11.Qd2 ときれいに詰めてしまうことができる。
5.Kb4 Kd4
白はこれ以上どうすることもできない。6.Kb5 なら黒は今度は 6...Ke3 が可能だし 6...Kd5 でもよい。6.Kb3 には 6...Kd5 7.Ka3 Kc5 でよい。最後に 6.g5 には 6...Ke5 7.Kc5 Kf5 8.Kd5 Kxg5 9.Ke5 Kg6 10.Kxf4 Kf6! で基本の引き分けの局面になる。
今までのことから図28の局面を1段下に下げれば白の勝つ可能性はさらに少なくなることは明らかである。しかし逆に1段上に上げるとパスポーンにより白キングの自由がさらに狭まるので白が勝てる。例えば白ポーンがf4とg5、キングがe3、黒ポーンがf5、キングがe6とすると黒キングはd5-h5-h8-d8の正方形の中にいなければならず白キングがc5の地点に来るのを妨げることができない。
1...Kd5 2.Kd3 Ke6
2...Kc5 は 3.g6 で白の勝ち。
3.Kd4 Kd6 4.Kc4 Ke6 5.Kc5
白はまもなく黒ポーンが取れる。
(この節続く)