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実戦に役立つエンディング(30)

第2章 ポーン・エンディング

2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン

 パスポーンのない連結ポーンの場合

a)片方のポーンがせき止められている時

 図30がその例である。

YKeres030.JPG 図30

 パスポーンがなければ白はキングを進めるしか勝つ方法がないので勝つ可能性が減るのは明らかである。白キングが前進するためには見合いを取らなければならない。だからほとんどの場合勝ちかどうかは見合いできまる。

 白ポーンが図30のように進んでいれば白は見合いとは関係なく勝てることが多い。黒キングはd5-a5-a8-d8の正方形の中に制限されているので白は以下の手順で勝てる。

1.Ke5!

 1.c6+ でも良さそうに見える。1...bxc6+ と取ってくれれば 2.Kc5 Kd8 3.Kd6! Kc8 3.Kxc6 で白が勝てる。しかし実際は見落とし易い間違いである。黒は 1...Kc8 2.Kd6 Kb8(次に 3...bxc6 と取る)3.c7+ Kc8 で引き分けにできる。

1...Kc6

 1...Ke7 には 2.c6 があるので黒は見合いを保てない。

2.Kd4 Kd7 3.Kd5

 図30と同じ局面だが黒の手番になっている。

3...Kc8

YKeres030A.JPG

4.Ke6

 うっかり 4.c6? と指すと 4...Kb8! で引き分けになるので注意が必要である。ただし 4.Kd6 は可能で 4...Kd8 5.Ke6(5.c6? Kc8!)Kc8 7.Ke7 で勝つ。

4...Kd8 5.Kd6 Kc8 6.Ke7 Kb8 7.Kd7 Ka8

YKeres030B.JPG

 ここでようやく白はポーンを進める。

8.c6! bxc6 9.Kc7

YKeres030C.JPG

 これであと3手で詰みとなる。

 図30の局面を1段下げた局面は黒が見合いを取っていれば白が勝てない。例えば白ポーンがb5とc4、キングがd4、黒ポーンがb6、キングがd6とする。

YKeres030D.JPG

1.Ke4

に対して黒は

1...Ke6

と応じることができる。2.c5 は恐れることはない。

2.Kf4 Kd6!

ただし 2...Kf6? は 3.c5 でだめである。3...Kc5 があるので白キングは戻らなければならない。

3.Ke3

ここで黒は 3...Ke5? 4.Kd3 Ke6 5.Ke4 も 3...Kc5? 4.Kd3 Kd6 5.Kd4 も良くない。しかし

3...Ke7!

YKeres030E.JPG

で遠方見合いを取って引き分けにできる。もし黒の手番だったら

1...Ke6 2.c5

又は

1...Kc7 2.Ke5 Kd7 3.Kd5 Kc7 4.Ke6

で黒の負けとなる。

 図30の局面を右の方に移してもどちらの手番かにかかわらず常に白が勝つ。しかし白ポーンがf6とg5、キングがh5、黒ポーンがf7、キングがh7の局面は白キングが右側から侵入できないので別の手順が必要となる。

YKeres030F.JPG

1...Kh8 2.g6 fxg6+ 3.Kh6! Kg8 4.Kxg6

で白が勝つ。白の手番では

1.g6+ fxg6+ 2.Kg5 Kh8 3.Kh6

で同じように白が勝つ。しかし白ポーンがg6とh5の時は黒キングがg8に入り込めば白はどうすることもできないので引き分けになる。

 ルーク列でポーンが接触している場合は白の勝つ可能性はない。例えば白ポーンがa5とb4、キングがc4、黒ポーンがa6、キングがc6の場合白が見合いを取っていても役に立たない。

YKeres030G.JPG

1...Kd6 2.b5 axb5+ 3.Kxb5 Kc7

これでaポーンはクイーンに昇格できない。白キングがc5の地点に行けて且つ見合いも取れれば勝てるが、これは明らかに望めない。

(この節続く)

コメント (4)

 connected pawnを私は「つながったポーン」としてきましたが、「連結ポーン」の方が締まっていていいので、いただこうと思います。disconnected pawnをどう訳されるのかが楽しみです(笑。

Yamagishi:

 実はもう通り過ぎてしまったのですがこのケレス本では2.3節のA項とB項(第(17)回から第(23)回)で「Isolated pawns with/without a passed pawn」というように「isolated」を使っています。

 「disconnected pawn」だったら「分離ポーン」と訳していたかもしれません。

 なおこの本では同じ章のこれから出てくる「キング+2ポーン対キング+2ポーン」の節で「protected passed pawn」という言葉を使っています。意味する所は全く同じです。

isolated...は私も「孤立~」としますが、通常は中盤向きの用語ですね。
 連結と分離は対義語ではないけど妥協範囲かなあ。
 protected...は「守られた~」とやってきました(汗。ポーンに守られたというニュアンスを出すには狭義の「連結~」なんでしょうが、ポーンチェーンでは大げさですし…。

Yamagishi:

強引に使い続ければ皆慣れて違和感を感じなくなり定着しますよ。

関連性を出したければ「disconnected」を「非連結」とするのもあると思います。

「protected」は「保護」と訳しています。

もっとも「連結」も「保護」も私の考えた訳語ではなく、昔日本語のチェス本で見たものです。(松本康司氏、東弘平氏、その他の人の本やチェスマスターブックスなど。)

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2007年12月25日 10:23に投稿されたエントリーのページです。

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