第2章 ポーン・エンディング
2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン
C パスポーンのない連結ポーンの場合(続き)
a)片方のポーンがせき止められている時(続き)
図30に類似した局面は全部調べたが最後に遠方見合いによる正しい受け方の例を見てみよう。
図31
前に言ったように黒の手番ならば 1...Kg6 2.e5 あるいは 1...Ke7 2.Kg5 Kf7 3.Kf5 Ke7 4.Kg6 ですぐに負ける。白の手番ならば引き分けであるが黒には正確さが要求される。
黒にはどのような危険性があるかを考えてみよう。まず黒は白キングに6段目に来させてはいけない。これはつまり見合いを保ちながら白キングと同じ列にいなければいけないということである。例えば白キングがf1にいるとすると黒キングはg列に行くことはできない。そのため1.Ke2 Kf7 2.Kd3 Ke7(2...Kf6 3.Kd4)3.Kc4 Kd7 4.Kb5 Kc7 5.Ka6! で白が勝つ。次に黒は常にe5というポーン突きの可能性に注意していなければならないので黒キングはh列に行くことができない。
さらに見合いに関して言えば黒はa、b、fおよびg列についてだけ注意していれば良い。これは白キングがc、dおよびe列から侵入することができないからであり、これらの列を離れたらすぐに見合いを取り戻す用意ができている限りc-e列では見合いを気にする必要はない。以上のことを踏まえておけば以下の手順は容易に理解できるであろう。
1.Kg4 Kg6
1...Ke5? は 2.Kf3 Kf6 3.Kf4 で白に見合いを取られ負ける。
2.Kh4 Kf6
前に述べたように 3.e5! があるので 2...Kh6 とはできない。しかし 2...Kf7 は可能で後でg列でまた見合いを取ることができる。
3.Kg3 Kg7!
ここでも 3...Ke5? は負けてしまう。3...Kg5? も 4.Kf3! で黒キングはf5に行けず 4...Kf6 5.Kf4 で白が勝つ。
4.Kg2
4...Kg8
遠方見合いを保つのが一番安全である。ただし 4...Kg6 も可能で 5.Kf2 Kf6 6.Ke2 となった時e列での見合いは心配する必要がない。だから 6...Ke7 7.Ke3 Ke8! 8.Kf4 Kf8! 9.Kf5 Kf7 で引き分けにできる。
5.Kg1
5...Kg7
この手は絶対手である。5...Kf7 は 6.Kf1! Kf8 7.Kf2 Kf7 8.Kf3 Kf8 9.Kf4 Ke8 10.Kg5 Kf7 11.Kf5 で白が勝つ。
途中 6...Ke7(6...Kg7 ならば白キングはa6に行く。黒キングはb7に間に合わない)ならば 7.Kg2 Kf8 8.Kf2! Ke7 9.Kg3 Kf7 10.Kf3 Ke7 11.Kg4 でやはり白が勝つ。
6.Kf1 Kf7
この手も明らかに絶対手である。
7.Ke2 Ke7 8.Kd2 Kd7 9.Kc2 Kc7
白が侵入できないので黒の7-9の3手は白キングと同じ列のどの枡でも良かった。しかし次からはまた正確を期さなければならない。
10.Kb2 Kb8
10...Kb6 は可能だが 10...Kb7? はだめで 11.Kb3! ですぐ分かるように白が勝つ。
11.Kb3 Kb7 12.Ka3 Ka7
黒が見合いを取っている限り白はどうしようもないので分析もここまでにしておく。白は他の枡も試すことができるが、これまでの指針に基づけば黒は容易に正しい受け方を見つけることができるであろう。
(この節続く)