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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第10局
白 シファース
黒 ハルモニスト
1887年、フランクフルト
同時に二箇所以上の弱点を攻撃されると防御側は受けきることができなくなるのはよくあることである。
本局で白は通常のf7への攻撃に加えてe筋も完全に抑えた。その締め付けは圧倒的であった。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.c3 Nf6 5.d4 exd4 6.cxd4 Bb4+ 7.Bd2
ビショップにはビショップを展開して対抗した。
7...Bxd2+
7...Nxe4 でポーン得しようとするのは幻想である。白は 8.Bxb4 Nxb4 9.Qb3(f7の地点とb4のナイトの二重攻撃)d5 10.Qxb4 dxc4 11.O-O Qd5 12.Na3 でポーンを取り返し形勢も明らかに有利である。
8.Nbxd2 d5
中原でのこのポーン突きによる反撃はほとんど全ての開放型の序盤で黒にとって非常に重要である。黒は中原の争点をかなり軽減することができる。自分の白枡ビショップが解放され敵の中原が一部消滅する。
9.exd5 Nfxd5
ここでの大局上の要点は白が中原に維持しているポーンが「孤立し」且つ黒の中原のナイトのために「動けなくなっている」ということである。
勝負はほとんど互角で平和的な結末に向かっているように見える。
10.Qb3
敵のd5の地点に圧力を加えた。
次のように 10.O-O から面白い変化が生じる。10...O-O 11.Ne5(戦いを仕掛ける。ここでの 11.Qb3 は無理である。穏やかな 11.Re1 は 11...Nce7 から 12...c6 で引き分けしか望めない)Nxd4 12.Nb3 Nxb3 13.Bxd5 Nxa1(落とし穴にはまった。13...Qf6 なら互角だった)14.Bxf7+ Kh8 15.Qh5 で決まる。
10.Nce7
10...Na5 は不注意な手で 11.Qa4+ c6 12.Bd3 O-O 13.O-O で白に 14.b4 の狙いが残る。
11.O-O O-O 12.Rfe1
すぐに開放e筋を占めたのには隠れた動機がある。12.Ne4 も良い手だった。
12...c6
この受けの本手には三つの目的がある。(1)d5の地点を強化する。(2)13...b5 と突く機会をうかがう。(3)クイーンがいつでもクイーン翼に出られるようにする。
13.a4
今言った 13...b5 を防ぎ白クイーンをもっと動き易くする。
ここでも 13.Ne4 は良い手である。
13...Qc7
13...Qb6 に対して白は 14.Qa3 と応じ形勢も白が良い。
14.Rac1
見え見えの 15.Bxd5 Nxd5 16.Qxd5 という狙いがある。他には 14.Ne4 や 14.Ne5 も積極的な手だった。
14...Nf4
この手は大切なd5の地点を放棄し白の危険なビショップの筋も通してしまった。黒は 14...Qa5 あるいは 14...Qf4 で受けるべきであった。
14...Be6 は弱い手で 15.Ng5 と来られる。14...Qb6 には前に言ったように 15.Qa3 で応じられる。
15.Ng5 Neg6
黒にとって難しい局面であるが 15...Nf5 と積極的に受けるべきであった。
16.Re8
そらしの捨て駒の手筋がきれいに決まる。
16...Rxe8
16...Be6 と受けるのは 17.Rxa8 Rxa8 18.Nxe6 Nxe6 19.Bxe6 fxe6 20.Qxe6+ で白は重要なポーンを取れる。
17.Bxf7+ Kh8
17...Kf8 と逃げるのは 18.Nxh7+ Ke7 19.Re1+ Be6 20.Rxe6+ で白が勝つ。
18.Bxe8 Ne2+
ルークは取れるが気休めに過ぎない。この後白は最終攻撃に乗り出す。
19.Kh1 Nxc1 20.Nf7+ Kg8 21.Nh6+ Kf8 22.Qg8+ Ke7
23.Bxg6 hxg6 24.Qxg7+ Kd8 25.Qf8+ Kd7 26.Ne4
控えのナイトが出て行って 27.Nc5# を狙う。
26...Qd8 27.Qd6+ Ke8 28.Nf6+ 黒投了
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