第1章 初歩のエンディング
1.4 キング+ポーン対キング(続き)
ポーンが6段目でなくもっと後ろにある場合は黒の引き分けの可能性はもっと大きくなる。図7の下半分を考えてみよう。
図7
この局面や類似の局面はどちらの手番でも引き分けである。黒は前にあげた原則に従って指せば良い。手順は次のようになる。
1.c3+ Kc4 2.Kc2 Kc5 3.Kd3 Kd5 4.c4+ Kc5 5.Kc3 Kc6 6.Kd4 Kd6 7.c5+ Kc6 8.Kc4 Kc7 9.Kd5 Kd7 10.c6+ Kc7 11.Kc5 Kc8! 12.Kd6 Kd8!
これで黒が見合いを取っている既知の引き分けの局面に到達した。
これでキング+ポーンのエンディングが済んだと思われるかもしれないが実際はそうではない。例えば白キングが自分のポーンの前の地点を占めていたらどうなるだろうか。この場合にも勝ちかどうかの一般的な原則はない。しかし白の勝ちの可能性ははるかに高くなる。特に図7の上半分のようにポーンが前進している場合は特にそうなる。
白キングは自分のポーンの直前の要所に到達することができた。そしてどちらの手番であろうとポーンがどれほど後ろにいようと白の勝ちは動かない。黒の手番ならば 1...Ka8 2.Kc7 又は 1...Kc8 2.Ka7 の後ポーンが進んで白が簡単に勝つ。白の手番でも特に問題はない。1.Ka6 Ka8 2.b6 で白が見合いを取っているので前に説明したとおり白が勝つ。類似の局面はすべて勝ちであるが例外はやはりルーク・ポーンの場合である。
しかしナイト・ポーンの場合はちょっとした注意点を指摘しておきたい。図7の上半分で白の手番の場合ちょっと見には 1.Kc6 1...Kc8 2.b6 で白の勝ちのように思われるかもしれない。しかし正着は 1.Ka6! である。もっとも白は 1.Kc6 の後でもやり直して 1.Ka6 の局面に戻すことができる。1.Kc6 に対して黒は 1...Ka7! と応じる。ここで白が不注意に 2.b6+? と指すと黒は 2...Ka8! と応じ以下 3.Kc7 でも 3.b7+ Kb8 4.Kb6 でもステイルメイトで引き分けになる。従って白は恥を忍んで 2.Kc7 Ka8 3.Kb6! Kb8 4.Ka6! と勝ちの局面に戻らなければならない。
(この節続く)