第2章 ポーン・エンディング
2.3 キング+2ポーン対キング+ポーン
D パスポーンのない連結ポーンの場合(続き)
b)せき止められたポーンがない時(続き)
これまでの分析から黒は自分のポーンが原位置にある時最も引き分けの可能性が大きくなると結論付けることができる。この場合白キングが自分のポーンの前にいても黒は引き分けることができる。図41でそのことを説明する(図38で黒ポーンをナイト列からルーク列へ、そして黒キングをg7へ移した)。
図41
(1)まず白の手番から始める。
1.Kf5
1.h5 は 1...h6+ 2.Kf5 Kf7 で既知の引き分けになる。
1...Kf7 2.Ke5
2.g5 は 2...Ke7(又は 2...Kg7)3.h5 Kf7 で引き分けになる。
2...Ke7 3.g5 Kf7
この後白はどうすることもできない。図41の局面を1段下げても白の手番ならば引き分けである。
(2)次は黒の手番の場合である。
1...Kf7
最も普通の受け方であるが 1...Kh8 や 1...Kf8 でもかまわない。黒は白ポーンの前進を気にする必要はないのである。キングの動きのうちで 1...Kg8? だけが誤りで 2.Kh6 Kh8 3.g5 Kg8 4.h5 Kh8 5.g6 hxg6 6.hxg6 で白が勝つ。すなわち黒は常に Kh6 に対して ...Kg8 と応じられるようにしなければならない。1...h6+? も間違いで 2.Kf5 Kf7 3.h5 で白が勝つ。
2.Kh6
2.Kf5 は 2...Ke7 3.Ke5 Kf7 4.Kd6 Kf6 で良くない。この手順中 4.h5 に対しては 4...Ke7 である。最初に黒が 1...Kh8 と指していたら白はここで 2.Kf6 と指すだろうがそれでも 2...Kg8 3.g5 Kf8!(3...Kh8? は 4.Kf7! でだめである)4.h5 Kg8 でやはり引き分けである。
2...Kg8
3.g5 Kh8 4.h5 Kg8 5.g6 hxg6 6.hxg6 Kh8 で引き分けである。
図41の局面をもっと下に下げると黒の手番でも引き分けにできない。例えば白ポーンがg2とh2、キングがg3、黒ポーンがh5、キングがg5とする。
1...Kf5 1...h4+ は 2.Kf3 Kf5 3.h3 で、この手順中 2...h3 なら 3.g3 Kf5 4.g4+ で白が勝つ。2.Kf3 Ke5 3.g3 Kf5 4.h3 で図40と同じになり黒が負ける。
以上で2ポーン対1ポーンの最も重要な局面の体系的な分析を終わる。読者はこの種のエンディングの総合的な概要が理解できたものと思う。もちろん他にももっと多くの興味深く参考になる例がある。しかし本書の範囲を超えるので省略せざるを得なかった。興味を持たれた読者はエンディングの専門書を参照されたい。
(この節終わり)