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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第14局
白 シューモフ
黒 コーリッシュ
1862年、サンクト・ペテルブルグ
第12局と同じようにシューモフは本局でも自陣の安全に気を配らない。相手陣に進攻することばかりに気を取られてどんどん自分の駒が出払ってしまい、キングの守りや開通g列が危うくなった。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.O-O
4...Nf6
相手のeポーンを攻撃することによって黒はキャッスリングを早めることができる。4...d6 なら白は 5.c3 と応じ 5...Bg4 に対して 6.Qb3、又はこちらの方が勝るかもしれないが 6.d4 exd4 7.Qb3 と逆襲に出る。
5.d4
5.c3 なら 5...Nxe4 と取っても大した危険はない。本譜の大胆な手の代わりに白は 5.d3 又は 5.Nc3(イタリア4ナイト試合)と穏やかな手を指すこともできた。
5...Bxd4
この手が最善である。5...Nxd4 なら 6.Nxe5、5...exd4 なら 6.e5 (マックス・ランゲ攻撃)で乱戦になる。
6.Nxd4
6...Nxd4
ここでも 6...exd4 とポーンで取るのは 7.e5 で白に有利に展開する。
7.f4
これほど激しくない 7.Bg5 もあった。
7...d6 8.fxe5 dxe5 9.Bg5
9...Qe7
クイーン側へキャッスリングするつもりである。9...Be6 なら白は 10.Na3 が良い手である。
10.b4
不必要に 10...Qc5 を恐れて自陣を弱めてしまった。10.Nc3 が普通の手で以下のような展開が考えられる。
(a)10...c6 11.Ne2 Bg4 12.c3 これで目障りな敵駒を追い払うことができる。
(b)10...Be6 11.Bd3 O-O-O 12.Kh1 形勢は互角である。
(c)10...Qc5(魅力的な手だが鮮やかに咎められる)11.Bxf7+ Kxf7 12.Qh5+ Ke6 13.Bxf6 gxf6 14.Nd5 これで白が勝つ。
10...Be6
11.Bxf6
この手から始まる駒交換で黒の中原がこじんまりと引き締まるので 11.Bd3 と交換を避ける方が良かった。白の次の手ではなおさら Bd3 の方が良かった。
11...gxf6 12.Bxe6 fxe6 13.Qh5+
13...Qf7 14.Qh4 O-O-O 15.Na3 f5
黒は積極策に出て主導権を握った。
16.Qf2 Qh5
17.Rae1
17...Ne2+ を防ぎ逆に 18.exf5 exf5 19.c3 Nc6 20.Qxf5+ を狙っている。しかし黒は当然だまって待つようなことはせずキング翼のポーンを強化した。
17...f4 18.c3 Nc6 19.b5
白が他の手を指してもやはりd筋とg筋を抑えている黒の優勢である。
19...Nb8 20.Qxa7 b6
黒は格好の餌で敵の駒を主戦場から離脱させることができた。
21.Qa4 Rhg8 22.Rd1
ルークをぶつけた手は甘かった。何をおいても 22.Rf2 と指すべきだった。
22...Rxg2+
ルークの殴り込みである。この後は鮮やかな好手順が用意されていた。
23.Kxg2 Qe2+
24.Kh1
24.Rf2 は 24...Rg8+ 25.Kh1 Qxf2 26.Qc2 Qf3+ で詰まされる。24.Kh3 は 24...Rg8(次に一手詰み)25.Rd8+ Rxd8(25...Kxd8 は誤りで 26.Qd1+ でクイーンを交換される)26.Qc4 Rd3+ で白の勝ち。
24...Rd2 白投了
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