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「ヒカルのチェス」(51)

「Chess Life」2002年10月号 (1/3)

 2002年5月23日から27日にかけてイリノイ州オーク・ブルックで開催されたシカゴ・オープンでIMナカムラは5ポイントでオープン部門の8-15位に入賞しました。

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 2002年6月5日から14日にかけてボリビアのラ・パスで開催された汎アメリカ・ジュニア大会にIMナカムラが参加しました。ラ・パスは富士山の高さくらいの所にある都市です。

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 ツァイ、ナカムラがボリビアで活躍

 記 IMジョン・ドナルドソン

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 デンバーは「標高1マイル市」という別称で知られるが、2002年汎アメリカ・ジュニア大会の開催地であるボリビアのラ・パスと比べると海水面程度かもしれない。空港に着陸し息を切らす様を想像してみると良い。それがちょうど汎アメリカ大会米国代表のシンディ・ツァイとヒカル・ナカムラが高度13,600フィートのエル・アルト空港に降り立った時の有様だった。

 これはシンディとヒカルが米国から初めてボリビアでの国際大会に参加した時に遭遇した唯一のめったにない経験ではなかった。米国から20時間かけて着いて6月4日から14日まで毎日彼らは他の都市では味わえない経験をした。対局する時は12,500フィート、寝る時は11,000フィートの所であった。何しろラ・パスは巨大なすり鉢状になっていて各所で高さが異なり最大で1,000メートル以上も差があるのである。街を散策していても三方はいつも上り坂で、20,000フィート近いイリマニ山は地平線にそびえ立っていた。人口約200万のうちほとんどはスペイン語でなくインディオのアイマラ語とケチュア語を話している。

 ラ・パス市では全ての建物が集中暖房とお湯が完備されているというわけではないということに気付かされる。これは夜には気温が華氏40度以下に下がるのだから些細なことではない。

 20歳未満が対象の汎アメリカ・ジュニアと汎アメリカ女子選手権戦はボリビア・チェス連盟が主催した。メキシコのホルゲ・ベガが主審を務めマリオ・イベル・ロペスが審判を務めた。争われたのは国際マスターと女流国際マスターの称号、9試合によるグランドマスターと女流グランドマスターの基準、それから20歳未満の世界ジュニアと世界女流選手権戦への参加権だった。参加者は北・中央・南アメリカから来て汎アメリカ・ジュニアはスイス式、汎アメリカ女流は総当りで行なわれた。

 シンディとヒカルは共に第1位にシードされた。しかし手ごわい参加者、高地への順応(シンディはフロリダ州ゲインズビル、ヒカルはニューヨーク市ホワイト・プレーンズにいて海水面程度の高さで生活している)、腸内細菌叢の問題などでことは簡単に運ばなかった。

(途中省略)

 14歳のヒカル・ナカムラは二つ目のGM基準達成を目指して汎アメリカ大会にやって来た。彼は三者同点で首位になりもう少しのところでGM基準を逃がした。ヒカルの対戦相手の合計得点は、ヒカルと同順位で共にインターナショナル・マスターのラファエル・プラスカ(ベネズエラ)とダニエル・ミエレス(エクアドル)の対戦相手の合計得点を上回っていたが、FIDE方式順位付けの漸進得点法で負けてしまった。9試合のGM基準達成者はプラスカに決まった。ヒカルのGM基準達成の目的はかなえられなかったが、彼の猛勉強の姿勢と闘争心には大いに感心させられた。この二つの特質に明らかな才能が組み合わさっているのだから彼の将来は約束されたようなものである。

 ボリビアの人たちはこの大会への米国の参加をことのほか喜んでくれて我々を居心地良くしてくれた。シンディとヒカルは米国のために素晴らしい大使となって多くの新しい友達を作った。米国チェス連盟と米国チェス信託は米国教育理事のトム・ブラウンズコームと協力して二人の参加と私のコーチの任務を可能にしてくれた。

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(この号続く)

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2008年01月11日 21:29に投稿されたエントリーのページです。

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