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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第15局
白 タウベンハウス
黒 バーン
1886年、ノッティンガム
本局の黒は積極的かつ組織的にdポーンを突き進めd筋に決定的な基盤を得た。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.d3
このポーンを4段目に進める代わりに(事前に c3 と突く突かないにかかわらず)、白は時にジュオコ・ピアニッシモと呼ばれる穏やかな戦型を選んだ。
4...d6 5.c3
この戦型でもこの手はそれなりの利点がある。5...Bg4 とかかってきた場合この手は危険な 6...Nd4 を防いでいる。それから白クイーンにクイーン翼への出口を与えている。他方この手はb1のナイトから自然な居場所のc3を奪っている。だから戦略家の中には 5.Nc3 の方を好む者もいる。
5...Nf6 6.Be3 Bb6 7.Qe2 Ne7
このナイトの捌きは黒の中原での反攻となる ...d5 への手始めである。このポーン突きが指せれば黒が主導権を握ることができる。
8.Nbd2 Ng6 9.h3 c6 10.Bb3 O-O
11.g4
この手は攻撃の強化のための手でなければ後の展開が示すように弱点(f3)を作り出すだけである。
普通に 11.O-O としてその後 Rfd1、Nf1 と陣容を整えた方が良かった。
11...d5
当然の応手である。側面攻撃には中原での反撃が定法である。これは準備が良ければ急速に勢力を拡張できる。
12.exd5 Nxd5
13.Bxd5
13...Ngf4 とされるとポーン損になるので白は「双ビショップ」を放棄することにした。実際 13.Bc2 と守ると 13...Ngf4 14.Qf1 f5 で黒が圧倒的な態勢になる。
13...cxd5
14.Nf1
目前の ...d4 の脅しに屈して白は当てもなくナイトを引いてしまった。ここは 14.Bxb6 Qxb6 15.Nb3 Nf4 16.Qd2 f6 17.O-O-O のように簡明さを追求すべきであった。そうすれば満足な陣形ではないけれどすぐには崩れなかったであろう。
14...d4 15.Bd2 dxc3 16.bxc3 Bd7
ここで局面を観察すると、黒は活動的な双ビショップの機動性に加えて白のd3の出遅れポーンに一貫して照準を合わせていることが分かる。
17.Ng3
17.Rd1 なら 17...Ba4、17.Be3 なら 17...Ba5 で白陣の色々な弱点が露呈する。
17...Bb5 18.c4 Bc6 19.O-O
19...f6
黒の組織的で着実な駒捌きは見事と言わざるを得ない。19...Re8 とeポーンを守る手もある。
20.Nf5 Qd7
21.h4
21.Be3 に対しては 21...Bxf3 22.Qxf3 Qxd3 23.Qxb7 でなく落ち着いて 21...Rfd8 と指すのが良い。21.Rfd1 には 21...Ba4 がある。
白は 21.Ne1 など考える気もしないので破れかぶれの策に打って出た。
21...Rad8 22.h5
22.Ne1 と守っても 22...e4 と突かれるだけである。
22...Qxd3
黒は見事な指し回しの最初の成果を得た。
23.Qxd3 Rxd3 24.hxg6 Bxf3 25.Bb4 Re8
26.gxh7+ Kxh7 27.c5 Bc7 28.Nd6 Rh8
29.Nf7
29.Kh2 は 29...Kg6+ 30.Kg3 Be2+ で黒が交換得し勝ちになる。
29...Rd4 30.Nxh8 Rxg4+ 31.Kh2 e4+ 32.Kh3 g5 白投了
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