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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第17局
白 デュボア
黒 シュタイニッツ
1862年、ロンドン
本局の見どころはh筋での黒の反撃である。敵のキングがまだ原位置に留まっていて反対翼にキャッスリングできる時盲目的にキャッスリングする危険性の古典的な例が見られる。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.O-O Nf6 5.d3 d6
6.Bg5
ビショップがf6のナイトにかかっていったことにより白は厳しい反撃にさらされる。それは黒がまだキャッスリングしていないこと、それから特に自分のキングが居を構えた方面だったからである。今か次の手で 6.Be3 と指すべきだった。
6...h6 7.Bh4 g5 8.Bg3 h5
黒は既に戦場の支配者となっている。狙いは 9...h4 でビショップを殺すことである。
9.h4
9.h3 は 9...h4 10.Bh2 g4 で黒が優勢である。
9.Nxg5 には次のような巧妙な手が用意されている。9...h4 10.Nxf7 hxg3(このクイーンを取らせる手が成立する)11.Nxd8(11.Nxh8 とルークを取るのは 11...Bg4 12.Qd2 Qe7 の後 ...Qh7 の狙いで黒の攻撃が続く)11...Bg4 12.Qd2(12.Nc3 でクイーンを取らせる方が良い)Nd4(13...Ne2+ 14.Kh1 Rxh2# で詰みの狙い)13.Nc3(13.h3 は 13...Ne2+ 14.Kh1 Rxh3+ 15.gxh3 Bf3# で詰み)Nf3+ 14.gxf3 Bxf3(15...gxh2# で詰みの狙い)15.hxg3 Rh1# で詰み。
9...Bg4
10.c3
10.hxg5 は 10...h4 11.Bh2 Nh7 でかえって黒の攻撃に弾みがつく。
10...Qd7 11.d4 exd4 12.e5 dxe5 13.Bxe5 Nxe5 14.Nxe5 Qf5
白はある程度捌きに成功したが黒の攻撃は途切れない。
15.Nxg4
15.Qa4+ には 15...Kf8 とよけておいて大丈夫である。
15...hxg4 16.Bd3
16.cxd4 には幸便に 16...O-O-O とキャッスリングする。
16...Qd5 17.b4 O-O-O
18.c4
18.bxc5 とビショップを取ると黒は 18...dxc3 19.Bc2 でなく 18...Rxh4 19.c4 Rdh8 20.f3 g3 から ...Rh1# の受けなしに追い込む。黒の17手目がh筋からの攻撃にいかに弾みをつけたかが歴然としている。
18...Qc6 19.bxc5 Rxh4 20.f3 Rdh8
狙いは 21...g3 22.Bf5+ Qe6 23.Bh3(23.Bxe6+ は 23...fxe6 で詰みが受からない)Rxh3 24.gxh3 Qxh3 で、白キングは助からない。
21.fxg4 Qe8
22...Qe3+ からの2手詰みがある。
22.Qe2 Qe3+ 23.Qxe3 dxe3
相変わらず黒キングはf2から逃げられない。
24.g3 Rh1+ 25.Kg2 R8h2+ 26.Kf3 Rxf1+ 27.Bxf1 Rf2+ 28.Kxe3 Rxf1
駒の収穫が一段落して駒割りは互角である。しかし白陣は萎縮した形でポーンも活動性を失いもはや敗勢である。
29.a4 Kd7 30.Kd3 Nxg4 31.Kc3 Ne3 32.Ra2
もはや成すすべがない。
32...Rxb1 33.Rd2+ Kc6 34.Re2 Rc1+ 35.Kd2 Rc2+ 36.Kxe3 Rxe2+ 37.Kxe2 f5 白投了
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