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チェス500名局(18)

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第1部 開放型

第1章 ジュオコ・ピアノ

第18局

白 メーソン
黒 ヴィナヴェル
1882年、ウィーン

 どうやって敵陣に侵攻するか。有名な本局で白は天才の所業でこの問題を解いてみせた。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.d3 d6 5.Be3 Bb6 6.Nbd2 h6

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7.Nf1

 白は 7.O-O でキングの最終の落ち着き先を明らかにするより先に自陣内で駒の再編成に取りかかった。

7...Nf6 8.h3 Ne7 9.Ng3 c6 10.Bb3

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 このビショップ引きは黒のポーン突きの予防である。それでも 10...d5 とくれば 11.Nxe5 がある。

10...Bxe3

 あくまでも狙いを実現させるなら 10...Ng6 としてから 11...d5 だった。

11.fxe3 Qb6 12.Qd2 a5 13.c3 a4

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14.Bd1 Be6 15.O-O Qc7 16.Nh4 b5

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17.Bc2

 17.d4 には 17...d5 で黒には 18...exd4 と 18...dxe4 の二つの狙いが残る。

17...c5 18.Ngf5 Bxf5 19.Nxf5 Nxf5 20.Rxf5 Nd7 21.Raf1 f6

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 黒はキング翼を封鎖したが同時にキング翼の弱体化という代償を伴った。黒の 10...Bxe3 によるf筋の開通は白にだけ利益をもたらしたことが明らかとなった。

22.Bd1

 ビショップが働き出した。

22...a3 23.Bh5+ Ke7

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 黒キングはポーンの堅固な城壁の中にいるが盤の中央列では比較的安全としかいえない。

24.b3 Rhf8 25.R5f3 Nb6 26.Rg3 Kd8 27.Bg4 Qe7 28.Be2

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 このビショップ引きは 29.d4 を狙っている。そうなればビショップ(b5の地点に)とクイーン(d列で)が働き始める。

28...Kc7 29.d4 c4 30.Rb1

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 あっという間に戦線が移動した。

30...g5

 黒クイーンの活動範囲が回復した。

31.bxc4 bxc4 32.Rb4

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 ポーン得は必至である。

32...Qe6 33.d5 Qc8 34.Bxc4 Na4

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 35...Kd8 でポーン損を回復する手を狙っている。

35.Bb5 Nc5 36.Qe2

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 37.Qh5 から敵陣を荒らす手を狙っている。

 白はポーンが1個多いといっても全局的にはそれほど大したことはない。白の優勢は実際には黒駒が連係を欠いていることによる。連係の悪さは彷徨するキング、働きのないクイーン翼ルーク及びポーンの周囲の空所が原因である。

36...f5 37.exf5

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37...e4

 すぐに 37...Qxf5 と取ると 38.Rf3 で白が必勝形になる。それでまず 37...e4 として次の 38...Qxf5 を狙った。

38.Bc6

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38...Rb8

 38...Ra7 と逃げるのは 39.Qb5(次に 40.Qb6# で詰み)Qb8 40.Qxb8+ Rxb8 41.Rxb8 Kxb8 42.h4(敵の前線を破壊する)Rg7 43.f6 Rf7 44.hxg5 hxg5 45.Rxg5 Rxf6 46.Rg8+ Kc7 47.Ra8 から 48.Rxa3 で決定的なポーン得になる。

39.Qh5 Rf6

 陣形を固めたことになるのだろうか?白の次の一発がその疑問に答えを与える。

40.Rxg5

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 ルークを切ってクイーンを侵入させた。

40...hxg5 41.Qh7+ Nd7 42.Bxd7

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42...Qg8

 42...Qxd7 は 43.Rc4+ Kd8 44.Qh8+ でルークを取り返し猛攻が続く。

43.Rb7+

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 この手は単なる手筋にとどまらずチェス史上最も洗練された着想の産物でもある。技術的にはその主眼点はそらし(43...Rxb7 44.Qxg8)、かく乱(43...Kd8 44.Rxb8+)及び両チェックによる分断(43...Kxb7 44.Bc8+)である。

43...Kxb7 44.Bc8+

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44...Ka8

 44...Kxc8 は 45.Qxg8+ Kc7 46.Qg7+ から 47.Qxf6 である。

 本譜の手は負けを承知のはかない抵抗である。

45.Qxg8 Rxf5 46.Qd8 Rxd5 47.Qd7 Rb1+ 48.Kh2 Rd2

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49.Qc6+ Kb8 50.Qxe4 Rbb2 51.Be6 Kc7 52.Qc4+ Kb6

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53.Bd5 g4 54.hxg4 Rf2 55.Qc6+ Ka7 56.Qc7+ 黒投了

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2008年01月28日 09:13に投稿されたエントリーのページです。

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