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2008年02月 アーカイブ

2008年02月01日

実戦に役立つエンディング(68)

第3章 クイーン・エンディング

3.1 クイーン対ポーン(続き)

 白キングがg4にいる場合の勝ちに至る手順は次のとおりである。

YKeres068.JPG 図68

1.Qa2 Kc3 1...Kd1 には 2.Kf3 2.Qa3+ Kd2 3.Qb2 Kd1 4.Kf3! c1=Q 5.Qe2# で詰み

YKeres068A.JPG

 最後に白キングが詰みの範囲の外側のe5にいる場合を考えるが、次の手順で勝てそうに思える。

YKeres068B.JPG

1.Qa2 Kd1 2.Ke4 c1=Q 3.Kd3! で詰む形になる。しかし黒には次のような受けの好手がある。1...Kc3! 2.Qa3+ Kd2 3.Qb2 Kd1 白はこれ以上手段の余地がない。

YKeres068C.JPG

(この節続く)

一手一手の定跡習得(61)

roberto401 2221 - Asahigaoka 2001
B95 ICC 30m++0s 2004.01.30

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Bg5 e6 7. Qd2 h6 8. Be3

YItte0061.JPG

8... Nc6

定跡は 8... Ng4 でした。

9. h3 Be7 10. Rd1 Nxd4 11. Qxd4 e5 12. Qa4+ Bd7 13. Qc4 Rc8 14. Qb3 b5 15. Bd3 O-O 16. O-O Bc6 17. Rd2 Qc7 18. Nd5 Nxd5 19. exd5 Bd7 20. a4 bxa4 21. Qa3 Qb7 22. f4 exf4 23. Bxf4 Qb6+ 24. Rdf2 g5 25. Be3 Qb7 26. Qa2 Bb5 27. c4 Bd7 28. Bd4 Bd8 29. Qb1 f6 30. Bh7+ Kh8 31. Qg6 Be8 32. Rxf6 Bxf6 33. Bxf6+ Rxf6 34. Qg8# 1-0

「ヒカルのチェス」(54)

「Chess Life」2003年1月号 (1/4)

 2003年8月8日から11日にかけてマサチューセッツ州のスターブリッジ(Sturbridge)で開催された第32回コンチネンタル・オープンでIMナカムラが優勝しました。

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 スターブリッジでの大活躍

・・・・・

 オープン部門の参加者は48名でその内グランドマスターは13名だった。しかし0.5点の差(6試合で5.5点)で単独優勝したのはGMではなく開始順位11位で14歳のIMヒカル・ナカムラだった。彼は昨年は素晴らしい活躍を見せ、IMの称号を獲得しGM基準を1回達成した。しかしスターブリッジでの成績は過去最高のものだろう。

 2戦2勝の後の対戦相手はGMアレックス・ストリプンスキーだった。ヒカルはルーク+ビショップ対ルークのエンディングを強固な意志で長手数の154手で勝ち切った。

 次の対戦相手は手強い二人のGMだった。一人はペンシルバニア州のアレックス・シャバロフでもう1人は常連で米国の選手になりかけているチェコのパベル・ブラトニーだった。ナカムラはこの二人に対して見事なチェスを指し共に倒した。その2局をナカムラの自戦解説でおおくりする。

グリューンフェルト防御 [D85]
白 GMアレックス・シャバロフ
黒 IMヒカル・ナカムラ
コンチネンタル・オープン、2002年

自戦解説 IMヒカル・ナカムラ

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3 Bg7 7.Nf3 O-O

Y080201A.JPG

8.Be2 c5 9.Rb1 Nc6 10.d5 Ne5 11.Nxe5 Bxe5 12.Qd2 e6 13.f4 Bg7 14.c4 b6

Y080201B.JPG

15.O-O?!

 ここから白が苦しい展開になった。15.Bb2!? が良かった。

15...exd5 16.cxd5 Bd4+ 17.Kh1 f5!

Y080201C.JPG

 黒は中原から反攻を始める。

18.e5

 18.Bd3 と一旦守っても 18...fxe4 19.Bxe4 Bf5 20.Qd3 Qd7 でやはりdポーンは守れない。

18...Qxd5! 19.Bf3 Qc4 20.Bb2 Rb8

Y080201D.JPG

21.Rbc1

 シャバロフは新しい手を試してきた。これまでは 21.Bxd4 が指されていた。

21...Qxa2 22.Rc2 Qf7 23.Bxd4 Rd8! 24.Rb1 Rxd4 25.Qe3

Y080201E.JPG

25...Qe7?!

 勝利への最も確実な手は 25...Bb7 26.e6 Qe7 27.Bxb7 Rxb7 だった。

26.Qa3!? Be6 27.Rxc5 Re8 28.Rc3 Rxf4

Y080201F.JPG

29.Qc1 Rd4 30.Qe3 Red8 31.Rbc1 Kg7 32.h3 f4?

Y080201G.JPG

 この手はポーンの結び付きを弱める悪手だった。

33.Rc7! R8d7 34.Qxd4 Rxc7 35.Rxc7 Qxc7 36.Qxf4 Qe7 37.Qa4 a5

Y080201H.JPG

 a列のパスポーンを進ませるためにbポーンは捨てるつもりだった。

38.Qc6 h5 39.Qxb6 a4 40.Qa5 a3 41.Bd5 Bxd5 42.Qxd5 Qa7 43.Qa2

Y080201I.JPG

 37...a5 と指した時この展開を読んでいて黒が勝てるのではないかと思っていた。

43...h4 44.Qe6 Qf7 45.Qa6 a2 46.Kg1 Qd5 47.Qf6+ Kh7

Y080201J.JPG

48.Qe7+

 48.Qxh4+ とポーンを取るのは 48...Kg8 49.Qa4 Kf7 で白が負ける。

48...Kg8 49.Qe8+ Kg7 50.Qe7+ Qf7 51.Qa3 Kh7 52.Qa4 Qd5 53.Qxh4+ Kg8 54.Qa4

Y080201K.JPG

54...Kg7?

 54...Kf7! 55.Qf4+ Ke8 56.Qa4+ Ke7 57.Qa7+ Ke6 58.Qa6+ Kxe5 で黒の勝ちだった。

55.Kh1 Qd2 56.Kh2 Qf2 57.h4 Kf7 58.Qd7+ Kg8 59.Qe8+ Kg7 60.Qa4 Kf8

Y080201L.JPG

61.e6??

 白は黒クイーンのためにh2-b8の筋を通して引き分けを逃がしてしまった。正着は 61.Qb4+ で以下 61...Kf7 62.Qc4+ Ke7 63.Qb4+ Kd7 64.Qd6+ Kc8 65.Qc6+ Kb8 66.Qd6+ Kb7 67.Qb4+ Kc6 68.Qc4+ Kd7 69.Qd5+ で引き分けだった。

61...Qd2!

 ただし 61...Qb2? は誤りで 62.Qf4+!(62.Qd7 は 62...Qe5+ 63.Kh3 Qf5+ 64.Kg3[64.Kh2 Qf4+ 65.Kh3 a1=Q 66.e7+ Kg7 67.e8=Q+ Kh6 68.Qd1! は引き分け]Qe5+ 65.Kh3 Qf5+ で引き分け)Kg7 63.e7 Qe2 64.Qf8+ Kh7 65.e8=Q Qxe8 66.Qxe8 a1=Q 67.Qe7+ で黒の方が引き分けを目指さなければならない。

62.Qa3+ Ke8 63.Kh3 Qd5 64.Qa6 Ke7 65.Qa7+ Kxe6

Y080201M.JPG

66.Qe3+ Kf7 67.Qa7+ Kg8 68.Qb8+ Kg7 69.Qa7+ Qf7 70.Qd4+ Kh7 71.Kh2? Qg7! 白投了

Y080201N.JPG

 万事休す。

******************************

(この号続く)

2008年02月02日

実戦に役立つエンディング(69)

第3章 クイーン・エンディング

3.1 クイーン対ポーン(続き)

 この分析から局面によっては黒キングが運悪くd1の枡にいたためにc1に行かされて1手無駄にするために白が勝てる場合があることが分かる。黒キングが最初からポーンの反対側のナイト列にいる場合は白キングはもっと近くにいなければ勝つことができない。その例が図69である。

YKeres069.JPG 図69

 この局面はもちろん引き分けである。白が勝つためにはキングが線(a4-c4-d3-d3-e1)の内側にいなければならない。e3又はe1にいる場合はいずれ Kd2 と指すことにより容易に黒ポーンを止めることができる。a4にいる場合は 1.Qg2 Kb1 2.Kb3! c1=Q 3.Qa2# で詰みになるので同様に問題ない。

 白キングが勝ちの領域の外側にいるが黒が苦労する場合がある。例えば白キングがb5にいる場合である。

YKeres069A.JPG

1.Qg2 Kb1 2.Qe4 Kb2 3.Qe2

YKeres069B.JPG

 ここで 3...Kb1? は以前に出てきたように 4.Kb4! c1=Q 5.Kb3 で白の勝ちになる。黒は正確に 3...Ka1! と受けなければならない。そうすれば 4.Qxc2 はステイルメイトになる。また 4.Qd2 は 4...Kb1! 5.Kb4 c1=Q で白クイーンが当たりになっているので引き分けになる。

 これでクイーン対7段目に進んだポーンのエンディングを全て尽くした。これまで挙げた判断基準は白の駒が具合の悪い位置にあって黒ポーンの昇格を止められない場合を除き全てに当てはまる。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(62)

Asahigaoka 1829 - jcs 1901
C42 ICC 2m++12s 2004.01.31

1. e4 e5 2. Nf3 Nf6 3. Nxe5 d6 4. Nf3 Nxe4 5. d4 d5 6. Bd3 Be7 7. O-O Nc6 8. c4 Nf6 9. Nc3 Be6

YItte0062.JPG

10. Ng5

定跡は 10. cxd5 又は 10. c5 でした。

10... O-O 11. Nxe6 fxe6 12. Re1 Qd7 13. c5 Rae8 14. Bb5 a6 15. Ba4 b5 16. cxb6 cxb6 17. Be3 b5 18. Bc2 Bb4 19. Qd3 Ne4 20. Nxe4 dxe4 21. Qxe4 g6 22. Red1 Bd6 23. Bh6 Rf7 24. a4 b4 25. Re1 Bc7 26. Rad1 Qd6 27. g3 Ne7 28. Bf4 Qc6 29. Bxc7 Qxc7 30. Bb3 Nf5 31. Bxe6 Kf8 32. d5 Rf6 33. Qd3 Nd6 34. Qxa6 Qc5 35. Qf1 Nc4 36. Rc1 Qd4 37. Rxc4 Qxb2 38. Re2 Qb3 39. Rc7 Qxa4 40. Bd7 Rb8 41. Bxa4 1-0

2008年02月03日

実戦に役立つエンディング(70)

第3章 クイーン・エンディング

3.1 クイーン対ポーン(続き)

 6段目のポーンに対しては図70のように7段目に到達するのを防げない場合を除きクイーンが常に勝つ。

YKeres070.JPG 図70
「Chess World」、1865年

 白キングが不運な黒枡の斜筋にいなかったら白が簡単に勝てる。例えば白キングがb8にいたら 1.Qh1+ Kb2 2.Qh8! Kb3 3.Qd4 c2 4.Qa1 で白が勝つ。しかし実際は白が黒ポーンの前進を妨げることができないので次のような手順で引き分けになる。

1.Qh1+ Kb2 2.Qb7+ Kc1 3.Kf6

YKeres070A.JPG

 面白いことにここでも白キングがh6にいたら 3.Kg5! c2 4.Kf4 で勝ちの区域に入るので白の勝ちになるところである(図67を参照)。

3...c2 4.Ke5 Kd2

YKeres070B.JPG

 図67にあるとおりこの局面は引き分けであるが再度黒の正しい受け方を示しておく。

5.Qb2 Kd1 6.Qb3 Kd2 7.Qa2 Kc3

YKeres070C.JPG

 7...Kd1? は間違いで 8.Kd4! c1=Q 9.Kd3 で白が勝つ。本譜は 8.Qa3+ Kd2 で白はこれ以上手段がない。

 白の勝てない例外的な局面がもう一、二ある。例えば白キングがc6、クイーンがd8、黒キングがe2、ポーンがf3の局面である。

YKeres070D.JPG

1.Qe8(e7)+ Kf1 で白が黒ポーンの前進を止められないので引き分けである(2.Kd5 f2 3.Ke4 Kg2 で図69と同様)。

YKeres070E.JPG

(この節続く)

2008年02月04日

実戦に役立つエンディング(71)

第3章 クイーン・エンディング

3.1 クイーン対ポーン(続き)

 黒に7段目のポーンの他にもポーンがあれば結果は一概に言えない。一般にはクイーン側が勝つことが多いが余分のポーンが負けを救うこともある。

 例えば黒に7段目のポーンが2個ある場合白はキングがポーンにかなり近い場合に限り勝てる。黒の二つ目のポーンが6段目にある場合も同様である。ここでは無数の可能性を調べることはしない。興味のある読者はエンディングの専門書を参照されたい。黒の受けの手段を示すために一つだけ例を採り上げる。

YKeres071.JPG 図71

 黒のaポーンがなければこの局面は明らかに引き分けである。しかしこの局面ではステイルメイトの可能性がないにもかかわらず白が勝つことができない。もし白キングがa4にいたとしたら次の手順で白が勝つ。1.Qg7+ Kf2 2.Qh6 Kg2 3.Qg5+ Kf2 4.Qh4+ Kg2 5.Qg4+ Kf2 6.Qh3 Kg1 7.Qg3+ Kh1 8.Kb5! a4 9.Qf2 の後 10.Qf1# で詰み。しかし図71では黒のaポーンがせき止められていないので正しく受けられればこの手法が通用しない。

1.Qg8+ Kf2!

 黒は決してクイーンをg4の地点に来させてはならない。その理由は 1...Kf1 2.Qc4+ Kg2 3.Qg4+ Kf2 4.Qh3 Kg1 5.Qg3+ Kh1 6.Qf2 あるいは 1...Kf3 2.Qg5! a4 3.Qh4 Kg2 4.Qg4+ で負けてしまうからである。しかし黒は本譜の手以外に 1...Kh3 2.Qd5 Kg3! でも引き分けにできる。

2.Qh7 Kg3 3.Qd3+ Kg2 4.Qe4+

YKeres071A.JPG

4...Kg3!

 引き分けにできる唯一の手である。白クイーンにg4の地点に来させては黒キングがh1の地点に追い込まれるのでそうさせてはならない。実際 4...Kg1 は 5.Qg4+ の後 6.Qh3 とされる。また 4...Kf2 は 5.Qh1 Kg3 6.Kb7 で本譜と比較して白が重要な手を稼げるので黒が負ける。

5.Kb7 a4 6.Kc6 a3 7.Kd5 a2 8.Qh1 a1=Q!

YKeres071B.JPG

 黒の余分のポーンは自ら犠牲となって使命を全うし黒キングにg2の枡を与えた。

9.Qxa1 Kg2

 図64に示されてあるとおりこの局面は引き分けである。面白いことに図71で白キングがa8以外のどの地点にいても勝ちだった。

 最後にナイト列ポーンがルーク列ポーンに支えられている場合の意外な受けの手段を考えてみよう。白キングがa8、クイーンがb7、黒キングがh1、ポーンがg2とh4にいる時白は勝てない。

YKeres071C.JPG

考えられる手順は次のとおりである。1.Qf3 黒の狙いは 1...h3 から 2...Kh2 であった。1...Kh2 2.Qf4+ Kh3 3.Qf2 g1=Q! 4.Qxg1 ステイルメイト 白キングがf6まで近ければ白が勝つ。例えば 1.Qf3 Kh2 2.Qf2 h3 3.Kg5 Kh1 4.Qf3 Kh2 5.Kh4! g1=Q 6.Qxh3# で詰む。

(この節終わり)

一手一手の定跡習得(63)

Asahigaoka 2006 - Thantalos 2105
C62 ICC 20m++0s 2004.02.01

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 d6 4. d4 exd4 5. Qxd4 Bd7 6. Bxc6 Bxc6 7. Nc3 Nf6

YItte0063.JPG

8... O-O

定跡は 8. Bg5 でした。

8... Be7 9. b3 O-O 10. Bb2 Qd7 11. Rad1 Qg4 12. h3 Qg6 13. Nh4 Qg5 14. Nf5 Bd8 15. Bc1 Qg6 16. Rd3 Nxe4 17. Nh6+ Kh8 18. Nxe4 Qxe4 19. Qxe4 Bxe4 20. Re3 Bxc2 21. Nxf7+ Kg8 22. Nxd8 Raxd8 23. Bb2 Rfe8 24. Rfe1 Bg6 25. Re7 Rc8 26. Rxg7+ Kf8 1/2-1/2

チェス500名局(19)

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第1部 開放型

第1章 ジュオコ・ピアノ

第19局

白 バックル
黒 ハルビッツ
1846年、ロンドン

 本局は次のような経過をたどった。穏やかな展開から中原での小競り合いが発生し両者のポーン陣形に弱点が生じる。白が巧妙に1ポーンを得する。駒の精算が進んでナイト・エンディングになる。さらに38手目で同数ポーン(4個)のエンディングになるが、白の遠方パスポーンが決定的な役割を果たす。黒のもがきは10手しか続かない。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.O-O Nf6

Y080204A.JPG

5.Nc3

 5.d3 又は 5.Re1(5...Ng4 6.d4)も良い手である。しかしポーンを犠牲にする 5.c3 Nxe4 又は 5.d4 Bxd4 はあまり明快な指し方でない。

5...d6 6.h3 O-O 7.d3 Be6 8.Bb3 Ne7 9.Ne2

Y080204B.JPG

 両者ともじっくりした駒の展開で陣容を良くしようとしている。

9...Ng6 10.Ng3 c6 11.c3 d5 12.d4

Y080204C.JPG

 このポーンのぶっつけで見たことがないような戦いになってきた。

12...dxe4 13.dxc5 exf3 14.Qxf3

Y080204D.JPG

 クイーンが手順に好所に来た。

14...Bxb3 15.axb3 Nd5

 この手は 16.Bg5 でナイトが釘付けにされるのを避けた。

16.Nf5

Y080204E.JPG

 ナイトが重要な拠点を占めた。

16...b6

 この手は自分からクイーン翼のポーンを弱めて良くない。代わりに 16...Nh4 で単純化を図るか又はクイーンを 16...Qf6 に捌いて 17...b6 18.cxb6 axb6 19.Rxa8 Rxa8 を狙えば互角の形勢だった。

17.cxb6

Y080204F.JPG

17...Qxb6

 17...axb6 とポーンで取るのは 18.Rxa8 Qxa8 19.c4 Nde7(19...Ndf4 は 20.Bxf4 Nxf4 21.Qxc6 で本譜と同様にポーン得する)20.Nxe7+ Nxe7 21.Be3 Qb7 22.Rd1 で白が主導権を握る。

18.c4 Ndf4

 決死の覚悟で反撃を目指した手だが 18...Nde7 と引く方が賢明だった。

19.Bxf4 Nxf4

Y080204G.JPG

20.Rfd1

 20.Ne7+ Kh8 21.Nxc6 は 21...f6 でナイトが不安定である。だから白は別の手で黒の弱いcポーンを取りに行くことにした。なおここでの 20.Qxc6 は 20...Qxb3 と来られる。

20...Qc7

 20...Kh8 と先に逃げると 21.Rd7 と侵入される。本譜の手はそれを防いだ手だが白のもう一方の狙いには役立っていない。

21.Qxc6 Rfc8 22.Qxc7 Rxc7 23.Nd6

Y080204H.JPG

 1ポーン得というわずかな有利を勝ちに結び付けるには白は真の卓越した技量を発揮しなければならない。

23...Ne2+ 24.Kf1 Nd4 25.b4 f5 26.c5 Rb8 27.Ra4

Y080204I.JPG

 攻防の手である。

27...g6 28.Rda1 Nc2 29.Rxa7 Rxa7 30.Rxa7

Y080204J.JPG

30...Nxb4

 30...Rxb4 は 31.c6 でこのポーンを止められない。ここから白は巧妙に駒の精算を推し進める。

31.Rb7 Rxb7

 31...Nc6 は 32.Rxb8+ Nxb8 33.b4 Na6 34.c6 でだめである。

 本譜のナイト・エンディングは勝つのが非常に大変そうに見える。しかし試合の流れは白に都合良くできていた。

32.Nxb7 Kf7 33.Ke2 Ke7 34.Kd2 Kd7

Y080204K.JPG

35.Na5 Na6 36.Nb3 Kc6 37.Kc3 Nxc5 38.Nxc5 Kxc5

Y080204L.JPG

 白には「遠方パスポーン」があるのでこのポーン・エンディングは白の勝ちである。

39.h4 h6 40.f3

Y080204M.JPG

40...g5

 黒が 40...Kb5 のように手待ちをしても 41.b4 で後退しなければならない。

41.h5 e4 42.fxe4 fxe4

Y080204N.JPG

43.g4 Kd5 44.b4 Ke5 45.b5 Kf4 46.b6 e3 47.b7 Kf3 48.b8=Q 黒投了

Y080204O.JPG

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2008年02月05日

実戦に役立つエンディング(72)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)

 クイーン対ルーク

 クイーン対ルーク+ポーンのエンディングの分析は複雑さを伴う。そこに行く前にクイーンがルーク単独に対してどのように勝つかをざっと見てみよう。

YKeres072.JPG 図72

 一般に少数の特別な場合を除いてクイーンはルーク単独に勝つ。しかし以下の分析が示すように勝つのは容易ではない。

1.Qf3+ Ke5 2.Qe4+ Kd6 3.Kd4

YKeres072A.JPG

 白が勝つためにはキングとルークで黒キングを盤端に追い詰めなければならない。

3...Rc6

 この手が黒の最善の受けということではない。しかしルークがどこへ動いても白は自分のキングを進めて最終的には黒キングを盤端に追い込むことができる。例えば黒が 3...Ra5 で白キングの前進を拒んだとしよう。

YKeres072B.JPG

それに対して白は次のように指す。4.Qg6+ Kd7 4...Ke7 5.Qb6 Rh5 6.Ke4 は本譜の局面と対称形になる。5.Qf6 Rb5 5...Kc7 は 6.Qe6 Kb7 7.Kc4 Kc7 8.Kb4 でルークが下がらなければならない。6.Qf7+ Kd6 6...Kc6 は 7.Qe6+ Kc7 8.Kc4 で早い。7.Qf8+ Kd7 8.Qf6! Ra5 9.Kc4 Kc7 10.Ke7+ Kc6 11.Qe6+ Kc7 12.Kb4 でルークが下がらなければならない。

YKeres072C.JPG

4.Qe5+ Kd7 5.Kd5

YKeres072D.JPG

5...Rc7

 5...Ra6 は 6.Qg7+ Kd8(6...Ke8 は 7.Qc7)7.Qf8+ Kd7 8.Qf7+ Kd8 9.Kc5 で白が勝つ。また 5...Rc1 は 6.Qf5+ Ke8 7.Qh5+ Kd7 8.Qg4+ Ke8 9.Kd6 で白が勝つ。

6.Qe6+ Kd8

YKeres072E.JPG

7.Qg8+

 7.Kd6 は 7...Rc6+! 8.Kxc6 でステイルメイトになるので注意しなければならない。

7...Ke7 8.Qg7+ Kd8 9.Qf8+ Kd7

(この節続く)

一手一手の定跡習得(64)

Asahigaoka 1994 - johanh 2100
B33 ICC 30m++12s 2004.02.01

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. Bg5 a6 8. Na3 b5 9. Bxf6 gxf6 10. Nd5 Bg7 11. Bd3 Ne7 12. Nxe7

(54)で習得した手です。

12... Qxe7 13. c3 f5

YItte0064.JPG

14. exf5

定跡は 14. O-O でした。

14... e4 15. Be2 O-O 16. Nc2 Bxf5 17. Qd5 Bg6 18. Rd1 Be5 19. h4 Kh8 20. h5 Bf5 21. Ne3 Be6 22. Qxe4 f5 23. Qb1 Qf7 24. Bf3 Rab8 25. Bd5 f4 26. Bxe6 Qxe6 27. Nd5 Bxc3+ 28. Kf1 Be5 29. Qd3 Rb7 30. Qe4 Rbf7 31. Rc1 f3 32. g3 Rc8 33. Rxc8+ Qxc8 34. Nc3 a5 35. Kg1 b4 36. Nd5 Qc1+ 37. Kh2 Qxb2 38. Rf1 Qxa2 0-1

2008年02月06日

実戦に役立つエンディング(73)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク

YKeres073.JPG 図73

10.Qf4

 白の勝つ手順はいくつかあるがこれが多分最も簡明である。10.Qh8 でも良く以下 10...Ke7 11.Qg8! Rd7+(11...Kd7 なら 12.Qf8)12.Ke5 Rc7 13.Qg7+ Kd8 14.Qf8+ Kd7 15.Kd5! Rb7 16.Qf7+ Kc8 17.Qe8+ Kc7 18.Kc5! で白が簡単に勝つ。

YKeres073A.JPG

例えば 18...Ra7 19.Qe7+ Kb8 20.Qd8+ Kb7 21.Kb5 で黒はまもなくルークを取られる。白は 10.Qb8 でも勝てるが黒も 10...Rc2! で頑強に抵抗することができる。

10...Kc8

 10...Rb7 なら白は 11.Qf7+ Kc8 12.Qe8+ Kc7 13.Kc5 で前手の解説と同じになる。

11.Kd6

YKeres073B.JPG

11...Kb8

 11...Ra7 は 12.Qf8+ Kb7 13.Qf7+ Kb8 14.Qe8+ Kb7 15.Qd7+ Kb8 16.Qd8+ Kb7 17.Qc7+ で黒の負けが早まる。11...Kb7 12.Qb4+ Kc8 13.Qa5 も同様である。

12.Qe5!

YKeres073C.JPG

12...Rb7

 他の手は本譜の手順から分かるように黒がずっと早く負ける。

13.Kc6+ Ka8 14.Qa1+ Kb8 15.Qa5!

YKeres073D.JPG

 この局面はフィリドールが既に1777年に白の必勝形であることを明らかにしている。

15...Rb1

 15...Rh7 は16.Qe5+ Ka8 17.Qa1+ Kb8 18.Qb1+ で白の勝ちになる。15...Rb3 は 16.Qd8+ Ka7 17.Qd4+ Kb8 18.Qf4+ からルークが取られる。15...Rf7 も 16.Qe5+ Ka7 17.Qe3+ からルークが取られる。

16.Qd8+ Ka7 17.Qd4+ Ka8 18.Qh8+ Ka7 19.Qh7+

YKeres073E.JPG

 これでルークが取られる。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(65)

Asahigaoka 1986 - evilspock1 2271
B32 ICC 15m++0s unrated 2004.02.02

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 e5 5. Nb5 a6

YItte0065.JPG

6. N5a3

定跡は 6. Nd6+ でした。

6... Nf6 7. Bd3 d5 8. exd5 Nxd5 9. O-O Bc5 10. Be4 Be6 11. Nd2 O-O 12. Nf3 f5 13. Ng5 Nc7 14. Qh5 h6 15. Rd1 Qe7 16. Nxe6 Qxe6 17. Bxc6 Qxc6 18. Be3 Bxa3 19. bxa3 f4 20. Bd2 Rad8 21. Bb4 Rxd1+ 22. Rxd1 Re8 23. Qf5 Qe6 24. Qxe6+ Rxe6 25. Rd7 Rc6 26. Rd2 Nb5 27. Rd8+ Kh7 28. Rd7 Rxc2 29. h4 Rc7 30. Rd5 Rc1+ 31. Kh2 e4 32. Re5 Nc3 33. Bxc3 Rxc3 34. Rxe4 Rxa3 35. Rb4 b5 36. Rb2 Kg6 37. f3 Kf5 38. Kh3 g5 39. hxg5 hxg5 40. Re2 g4+ 0-1

あなたの棋力診断(3)

第2章 展開の優位

第3局

 本局のあなたは黒番で、指導パートナーは著者である。対戦相手はロンドンの著名な選手のグリーンである。この試合は1956年にボグノーで行なわれた。局面図までの手順は次のとおりである。

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.g3 Bg7 4.Bg2 O-O 5.Nf3 d6 6.O-O Nc6 7.d5 Na5 8.Nd2 c6 9.Nc3 cxd5 10.cxd5

YRate03.JPG

**********

10...Ng4

 2点。白の狙いは 11.b4 Ng4 12.Bb2 で駒得を図ることである。しかしこの狙いは単に 10...Bd7(3点)でもっと経済的に防ぐことができた。もし 11.b4 なら 11...Rc8 で良い。私の手の狙いはナイトをe5の地点に据えることだったが完全に安定した地点とは言えなかった。

11.Rb1

**********

11...Bd7

 2点。もちろん黒は白が h3 と一手かけてくれるまでナイトをe5の地点に動かさない。

12.h3

**********

12...Ne5

 1点。

13.b3

**********

13...Qc8

 3点。白の直前の手は見落としで、黒は早速それにつけ込む。

14.b4

**********

14.Nac4

 4点。手の選択に迷った時は通常は不確かな手筋よりも永続的な陣形の優位を確保する手を選んだ方が良い。例えば 14...Qxc3(1点)15.bxa5 は 15...Qxa5 ならば 16.Rxb7 から 17.f4 の狙いで、また 15...Rab8 でも 16.Bb2 Qxa5 17.f4 で乱戦になる。

15.Kh2

**********

15...Nxd2

 2点。強手の 15...Ne3(2点)16.fxe3 Qxc3 も落ち着いた 15...b5(2点)も良い手だった。黒の本譜の手は一本道の手順で7段目を占拠する構想を思い描いていた。

16.Qxd2

**********

16...Bf5

 この手と 16...Nc4、16...Ng4+ は2点。この手に対して当然の 17.e4 は 17...Bxh3! ではまりとなる。

17.Ne4

**********

17...Qc4

 3点。黒はc筋から進入すると同時に白に次の手で白枡ビショップを隠居させる。白がそれを嫌って 18.Qe3 と指せば黒は手順に白のaポーンが取れる。

18.f3

**********

18...Rfc8

 2点。黒は状況によっては後でa列をこじ開けたくなるかもしれないのでこの手の方が 18...Rac8(1点)よりわずかに良い。

19.Rd1

**********

19...Qc2

 2点。

20.Rb2

**********

20...Qa4

 3点。黒の直接の狙いは 21...Nc4 である。それと共に ...Rc7、...Rac8、...Rc2 で7段目にまた殺到する準備でもある。

21.Qe1

**********

21...Rc7

 2点。21...Nc4(2点)も同様に強い手である。

22.Nd2

**********

22...Bc2

 2点。もちろん白の直前の手はポカである。しかしいずれにしても白の形勢は非常に困難な状況だった。

23.Nb3

**********

23...Bxd1

 1点。

24.Qxd1

**********

24...Rac8

 3点。25...Rxc1 を狙っていて 24...Qxb4(1点)よりも強い手である。

25.Rd2

**********

25...Qxb4

 1点。

26.h4

**********

26...a5

 4点。白はさらなる戦力損が避けられなくなった。

27.a3

**********

27...Qb6

 2点。27...Qb5 は 28.Nd4 で白が少し長く抵抗を続けることができるので1点。

28.a4

**********

28...Rc3

 4点。

29.Bh3

**********

29...R8c7

 2点。

30.f4

**********

30...Qxb3

 黒がさらに駒得を重ねる(1点)。

白投了

診断 白の苦戦は浮き駒(13手目)の危険性に十分な注意を払わなかったことに起因している。多くの試合がこの種の戦術的なポカで失われる。このような敗戦を失くすには手を指す前にいつも盤面全体を見渡して(a)現在の局面と(b)自分の指した後の局面に何か見落としがないか注意する必要がある。罠や初歩的な見落としに引っ掛かり易い人にはこのアドバイスをいくら強調してもし過ぎることはない。

 この試合の二つ目の要点は黒が永続性のある戦略的な優勢を保ち、白の反撃を招くような(黒の14手目)訳の分からない戦いを避けたことである。そこであなたが本譜と違う手を選んだなら指し方の方針に整合性を欠き目に映った手に飛び付くからかもしれない。

2008年02月07日

実戦に役立つエンディング(74)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク

 この例からクイーン対ルークの戦いがどのようなものか正確につかめたことと思う。ここで重要な例外の一つを挙げておく。

YKeres074.JPG 図74

 黒先手で白キングは永久チェックから逃れられないので引き分けになる。1...Rh7+ 2.Kg2 Rg7+ 3.Kf3 Rf7+ 4.Kg4 Rg7+ 5.Kf5 Rf7+ 6.Kg6 Rg7+ 7.Kh6 Rh7+

YKeres074A.JPG

8.Kxh7 はステイルメイトになる。もちろん白先手ならば白の勝ちになる。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(66)

Asahigaoka 1786 - ser71 1835
B28 ICC 15m++0s unrated 2004.02.03

1. e4 c5 2. Nf3 a6 3. c4 e6 4. Nc3 Nc6

YItte0066.JPG

5. Be2

定跡は 5. d4 でした。

5... Nf6 6. d4 cxd4 7. Nxd4 Bb4 8. f3 O-O 9. Bg5 Qa5 10. Nxc6 bxc6 11. Rc1 Qxg5 0-1

2008年02月08日

実戦に役立つエンディング(75)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

 黒にポーンが1個加わると状況ははるかに複雑になる。局面が非常に紆余曲折に富むために最終判断が長い年月の間にくつがえったこともある。この多種多様なエンディングの中からポーンがルークを守りそのポーンがキングに守られている局面だけを考えることにする。その他の局面はエンディングの専門書を参照されたい。

 まず図75のようにポーンが原位置にある配置から考えてみよう。

YKeres075.JPG 図75
フィリドール、1803年

 フィリドールがはるか昔に示したようにこの局面で白に勝ちはない。黒はルークをc6とe6の間で往復させることができるので手詰まりに陥ることはない。これはつまり白キングが6段目を越えることができず、黒キングも自分のポーンの守りから追われることがないということである。

1.Qb8+ Ke7 2.Qg8 Rc6 3.Qg7+ Kd8 4.Qf8+ Kc7 5.Qa8 Re6

YKeres075A.JPG

 白はこれ以上進展を図ることができないので引き分けである。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(67)

chesschan 1697 - Asahigaoka 1788
B20 ICC 3m++12s 2004.02.03

1. e4 c5 2. Qh5

YItte0067.JPG

2... e6

定跡は 2... Nf6 3. Qxc5 Nxe4 でした。

3. d3 Nf6 4. Qe5 Nc6 5. Qg3 Nd4 6. Na3 c4 7. e5 Nh5 8. Qg4 Qa5+ 9. Bd2 Qxe5+ 10. Be3 Bxa3 11. Qxd4 Bxb2 12. Qxe5 Bxe5 13. O-O-O cxd3 14. Bxd3 Nf4 15. Bxf4 Bxf4+ 16. Kb1 d5 17. g3 Bd6 18. Nf3 Bd7 19. Ng5 h6 20. Nf3 Ke7 21. Nd4 Rhc8 22. Bb5 a6 23. Bxd7 Kxd7 24. Rc1 Ba3 25. Rcd1 Rc4 26. Nb3 Rac8 27. Rd2 a5 28. Rhd1 a4 29. Na5 Rb4+ 30. Ka1 Bb2+ 31. Kb1 Bc3+ 32. Kc1 Bxd2+ 33. Rxd2 b6 34. Nb7 Kc6 35. a3 Rc4 0-1

「ヒカルのチェス」(55)

「Chess Life」2003年1月号 (2/4)

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 スターブリッジでの大活躍(続き)

2ナイトのタンゴ [A50]
白 IMヒカル・ナカムラ
黒 GMパベル・ブラトニー
コンチネンタル・オープン、2002年

自戦解説 IMヒカル・ナカムラ

1.d4 Nf6 2.c4 Nc6

 ブラトニーは変則定跡で好成績を収めてきた。

3.Nf3 e6 4.a3!? d5

Y080208A.JPG

5.e3

 カスパロフが1996年のエレバン・オリンピアードでの対イェルモリンスキー戦で 5.Nc3 と指している棋譜を後で見つけた。

5...g6 6.Nc3 Bg7

Y080208B.JPG

7.Bd3

 これまで指されていた手は 7.Be2 と 7.b4 である。

7...O-O 8.b4 dxc4 9.Bxc4 Qe7 10.Bb5 Bd7 11.e4

Y080208C.JPG

11...e5!

 11...a6 と催促するのは 12.Bxc6 Bxc6 13.Qe2 で白が優勢である。

12.d5

 この手が最善の応手である。12.Bxc6 と取るのは 12...Bxc6(12...exd4? は 13.Bxd7 dxc3 14.Ba4 Qxe4+[14...c2 は 15.Qxc2 Nxe4 16.O-O! Bxa1 17.Re1 f5 18.Qa2+]15.Be3 Ng4 16.Qe2 で白が優勢である)13.d5 Bd7 14.Be3 Ne8 15.Nd2 f5 16.f3 で互角の形勢である。

12...Nd4 13.Bxd7 Nxf3+ 14.Qxf3 Qxd7

Y080208D.JPG

15.Be3 Ne8 16.Qe2 Nd6 17.O-O f5 18.f3

Y080208E.JPG

 局面は白枡ビショップが交換で無くなっているがキングズ・インディアン防御の戦型に似ている。

18...Rf7 19.Rfc1 h5 20.a4

Y080208F.JPG

20...a6

 黒はc5の地点を 20...b6 で守った方が良かった。

21.b5 Kh7 22.bxa6

Y080208G.JPG

22...bxa6

 22...Rxa6 とルークで取り返すのは 23.Nb5 でやはり白からクイーン翼に重圧がかかる。

23.a5 f4 24.Bf2 g5 25.Na4

Y080208H.JPG

 このナイトはc5からe6の地点を目指している。

25...g4 26.Nc5 gxf3 27.gxf3 Qh3

Y080208I.JPG

 黒のキング翼での攻撃は危険に見えるがクイーンを支援する他の駒がほとんどないので実際は大したことがない。

28.Kh1 Bf6 29.Ne6 Rg8 30.Rg1 Rb8 31.Rab1 Nb5

Y080208J.JPG

 黒はb列を明け渡すわけにはいかない。

32.Qd3 Kh8 33.Rg6 Rg8 34.Rxg8+ Kxg8 35.Rxb5!

Y080208K.JPG

 このルーク切りが決め手である。白のa列のパスポーンはただでは止められない。

35...axb5 36.a6 c5 37.Bxc5 Bh4 38.a7 Rxa7 39.Bxa7

Y080208L.JPG

39...b4 40.Bg1 b3 41.Qxb3 Qf1 42.Qb8+ 黒投了

Y080208M.JPG

 黒がどう逃げても詰みである。42...Kh7 は 43.Qc7+ Kg6 44.Qg7#、42...Kf7 は 43.Qf8+ Kg6 44.Qg7# までである。


 彼は0.5ポイントのリードで6回戦を迎えワールド・オープンの優勝者でポーランド出身のIMカミル・ミトンと黒で対戦し引き分けることができた。その試合は序盤が面白くてどちらが勝ってもおかしくなかった。

 5.5ポイントでヒカルが優勝賞金3,500ドルを手にした。GM基準には最低9試合が必要なのでそれは合致しなかった。しかしこの成績は最近の米国の若者の成績の中で最も素晴らしいものの一つであろう。

******************************

(この号続く)

2008年02月09日

実戦に役立つエンディング(76)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

 図75の配置を右または左に移動しても同じく引き分けである。例外はポーンがルーク列にある場合で図76のように黒が負けになる。

YKeres076.JPG 図76
ベルガー、1922年

 前図との主要な違いはルークがポーンに守られた地点が一つしかないということである。そのような地点が一つ(b6)しかないということは黒キングがステイルメイトに追い込まれるとルークが動かなければならず白キングの進入を許してしまうということである。

1...Kb7

 白先手ならば 1.Qc7! ですぐに勝ちになる。例えば 1...Rb1 2.Qc8+ Rb8 3.Qc6+ Rb7 4.Kd6 で黒のポーンが取られる。

YKeres076A.JPG

2.Qe7+

YKeres076B.JPG

2...Ka6

 2...Kb8 は 3.Qd7 で黒が手詰まりになる。例えば 3...Rh6(3...Rb1 は 4.Qe8+ Kc7 5.Qf7+ の後 6.Qg8+ から 7.Qh7+ で白の勝ち。3...Rb2 は 4.Qe8+ Kb7 5.Qe4+ Ka6 6.Qd3+ Kb7 7.Qf3+ Kb8 8.Qf8+ から 9.Qg7+ で同じく黒のルークが取られる)4.Qe8+ Kb7 5.Qe7+ Ka6 6.Qf7! Rb6 7.Qd7! で本譜と同じになる。3...Ra6 は 4.Kb5 Rb6+ 5.Ka5 で黒はポーンかルークを取られる。

3.Qd7!

YKeres076C.JPG

 黒は手詰まりに陥っていてルークを取られてしまう。例えば 3...Rb2 3...Rb1 は 4.Qa4+ から 5.Qe4+ で白の勝ち。4.Qd3+ Kb7 5.Qf3+ Kc7 6.Qf7+ の後 7.Qf8+ から 8.Qg7+ で白が勝つ。

(この節続く)

訳注 ベルガー (Johann Nepomuk Berger, 1845-1933) はオーストリアの人でプロブレム、スタディだけでなくチェス大会や郵便チェスでも活躍しました。「Deutsche Schachzeitung」の編集長を務めたこともあります。終生グラーツ (Graz) で暮らし地元の私立学校の校長だったこともあります。

一手一手の定跡習得(68)

Asahigaoka 1805 - fantasy 1789
B36 ICC 2m++12s 2004.02.03

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 g6 5. c4 Nf6 6. Nc3 d6 7. Be2 Nxd4 8. Qxd4 Bg7 9. Bg5 O-O 10. Qd2 Be6

YItte0068.JPG

11. Bh6

定跡は 11. Rc1 でした。

11... Rc8 12. Bxg7 Kxg7 13. b3 Qa5 14. Rc1 a6 15. f3 Rc7 16. Nd5 Qxd2+ 17. Kxd2 Bxd5 18. cxd5 Rfc8 19. Rxc7 Rxc7 20. Rc1 Rxc1 21. Kxc1 Nd7 22. b4 Kf6 23. Kd2 e6 24. dxe6 fxe6 25. Ke3 g5 26. g3 Nb6 27. f4 h6 28. Kd4 Ke7 29. fxg5 hxg5 30. h4 gxh4 31. gxh4 Kf6 32. Bg4 Nd7 33. a4 Ne5 34. Be2 Nc6+ 35. Kc4 Ke5 36. Bg4 Nd8 37. Kd3 Nc6 38. b5 axb5 39.
axb5 Nd4 40. b6 Nb3 41. h5 Nc5+ 42. Ke3 Nxe4 43. Bxe6 Ng5 44. Bc8 d5 45. Bxb7 Nf7 46. Bxd5 Kxd5 47. b7 1-0

2008年02月10日

実戦に役立つエンディング(77)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

 しかし黒ポーンが原位置を離れていると白の勝ち手順は通常は容易になる。黒ポーンが3段目にいる図77から始めよう。

YKeres077.JPG 図77
フィリドール、1777年

 フィリドールはこの局面は多少の困難はあるが白の勝ちであることを示した。図75と比較すると白クイーンは黒キングを不利な地点に追い込むために使える段が一つ余分にある。白が勝つためには第一に黒キングをd5に追い込み第二に自分のキングに5段目を越させ第三に自分のキングをキング列に侵入させなければならない。そうなれば黒はポーンを失う。以上は全て手詰まり戦術を用いて成し遂げられる。

1.Qh7+ Kd8

 もちろん 1...Kf8 は 2.Qd7 でだめだし 1...Ke8 は 2.Qc7 で白の勝ちを容易にしてしまう。1...Ke6 は 2.Qc7 Rc5 3.Qd8 Re5 4.Qe8+ Kd5 5.Qc8 で本譜と同じになる。

2.Qf7!

YKeres077A.JPG

2...Kc8

 2...Rc5 3.Qe6 Kc7 4.Qe7+ Kc6 5.Qd8 も本譜の手順と同じになる。

3.Qa7 Kd8

 3...Rc5 には 4.Qe7 である。

4.Qb8+ Kd7 5.Qb7+ Kd8 6.Qc6 Ke7 7.Qc7+ Ke6 8.Qd8

YKeres077B.JPG

8...Kd5

 8...Rf5+ 9.Kg4 Re5 10.Qe8+ Kd5 11.Qc8 は大同小異である。白は第一の目標を達成した。次は自分のキングに5段目を越させることである。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(69)

IM Schroer 2708 - Asahigaoka 1986
E76 ICC 35m++35s simul unrated 2004.02.03

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4 d6 5. f4 O-O 6. Nf3 Na6 7. Be2 e5 8. dxe5 dxe5 9. Qxd8 Rxd8 10. Nxe5 Nc5 11. Bf3 Be6

(31)で習得した手です。

12. O-O

挿入YItte0069.JPG

12... Nd3

定跡は 12... Nfd7 でした。

13. Nxd3 Rxd3 14. Be2 Rxc3 15. bxc3 Nxe4 16. Bb2 Nd2 17. Rfd1 Nxc4 18. Bxc4 Bxc4 19. Rd7 Rc8 20. Rad1 Bf6 21. Kf2 Bxa2 22. Ba1 Be6 23. R7d2 Bf5 24. Re1 a6 25. Rde2 Be6 26. h3 h5 27. Kf3 Rd8 28. Re3 Rd2 29. R1e2 Rd1 30. Re1 Rd2 31. R1e2 Rd1 32. Re1 Rd2 1/2-1/2

2008年02月11日

実戦に役立つエンディング(78)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

9.Qc8!

YKeres078.JPG 図78 黒の手番
フィリドール、1777年

 ここがフィリドールの示した最初の重要な手詰まりの局面である。黒は白キングの前進を妨げることができないのである。

9...Re4+

 もし 9...Kd4 ならば 10.Qc6 Rd5 11.Kf3 Rf5+ 12.Kg4 Rd5 13.Kf4! で白が勝つ。この手順中 11...Ke5 ならば 12.Qc3+ Kf5 13.Qc4 である。他の地点にルークを動かす手は 9...Rh5 なら 10.Qa8+! Kd4 11.Qa4+、また 9...Re7 なら 10.Kf5 Rf7+ 11.Kg5!(11.Kg6 では 11...Rf4 とされる)でルークを取られないように黒はすぐに 11...Re7 と指さなければならず黒の負けとなる。

10.Kf5

YKeres078A.JPG

10...Re5+

 10...Kd4 は 11.Qc6 d5 12.Qc2! Re5+ 13.Kf6 Re4 14.Kf7! で黒は白キングがe列を横切ることを許すしかない。

11.Kf6 Re4

 この手は絶対手である。他の手では 12.Qb7+ でポーンかルークが取られる。

12.Qc3

YKeres078B.JPG

 フィリドールの 12.Qf5+ でも白の勝ちであるがグレツキー-コルニッツの推奨するこの手の方が簡明である。

12...Re6+

 12...Re5 なら 13.Kf7 である。

13.Kf7 Re5 14.Kf8!

(この節続く)

一手一手の定跡習得(70)

Asahigaoka 1988 - GM garompon 2615
B45 ICC 40m++20s simul unrated 2004.02.04

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e6 6. Ndb5 Bb4 7. a3 Bxc3+ 8. Nxc3 d5

YItte0070.JPG

9. Bg5

定跡は 9. exd5 でした。

9... d4 10. Ne2 h6 11. Bxf6 Qxf6 12. Ng3 e5 13. Bd3 O-O 14. O-O Be6 15. Qh5 Qg5 16. Qxg5 hxg5 17. Rac1 Rac8 18. c3 dxc3 19. Rxc3 Nd4 20. Rfc1 f6 21. Nf5 Bxf5 22. exf5 Rxc3 23. Rxc3 Rd8 24. Kf1 Nc6 25. Be4 Rd6 26. Bxc6 bxc6 27. Ke2 Kf7 28. Rb3 Rd7 29. Rc3 Rd6 30. Rb3 Rd7 1/2-1/2

チェス500名局(20)

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第1部 開放型

第1章 ジュオコ・ピアノ

第20局

白 チゴーリン
黒 タラシュ
1902年、モンテ・カルロ

 キング翼の攻撃を企図し気の付き難い狙いと必要ならば捨て駒を織り交ぜて勝利を飾るのは偉大なマスターの資質というべきものである。

 本局はそのような攻撃の見事な実例である。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.Nc3 Nf6

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 この戦型は「イタリア4ナイト試合」と呼ばれている。

5.d3 d6 6.Be3

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 これは堅実な手である。

6...Bb6

 6...Bxe3 7.fxe3 とビショップを交換すると二重ポーンにもかかわらず白の中原が引き締まりf列も白が使えるようになるので本譜の手の方が良い。

7.Qd2

 クイーンはこの位置が良い。7.Qe2 は 7...Bg4 とかかってこられるのが不快である。

7...Be6

 7...O-O なら白には対称形の 8.O-O と好戦的な 8.O-O-O があるが選択は棋風の問題である。

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8.Bb5

 駒組を続けようとするならこの手に限る。8.Bb3 は 8...Bxb3 9.axb3 Bxe3 10.fxe3 d5 11.exd5 Nxd5 12.Nxd5 Qxd5 で局面の単純化を図られ互角の形勢となってしまう。

8...O-O 9.Bxc6 bxc6 10.d4 Ba5 11.Qd3 Qb8

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 白は狙われたbポーンを守る気がしない。12.Rb1 と守れば 12...Bxa2 だし 12.dxe5 は 12...Qxb2 と取られて受けに窮する。12.O-O-O とキャッスリングしながら守ると黒は 12...Bxc3 13.Qxc3 Nxe4 14.Qxc6 でなくもっと厳しく 12...Qb7 13.dxe5 dxe5 14.Nxe5 Rab8 で主導権を握る。

12.O-O Qxb2

 このクイーンによるポーンのかすめ取りで白はさらにポーンを犠牲にして攻撃態勢を整えることができる。

13.Bd2 Bxc3 14.Bxc3 Qb5 15.dxe5

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15...Bc4

 この俗な駒得主義は良くなかった。15...Qxd3 16.cxd3 Nd7 が簡明で白は優勢でもほんのわずかの差でしかなかった。

16.Qe3 Ng4 17.Qg5 Nxe5 18.Nd4

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 縦方向からの攻撃のために駒を温存した。18.Nxe5 は 18...f6 でたちまち黒が優勢になる。

18...f6 19.Qg3 Qa6 20.Nf5 Ng6 21.h4

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21...Be6

 21...Bxf1 と交換得に飛びつくのは 22.Rxf1 Rf7 23.h5 で黒が危険過ぎる。

22.Nd4 Bd7 23.h5 Ne7 24.f4 c5 25.Nf3 Qc4 26.Nh4

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 直接的にはビショップを守り間接的にはeポーンも守っている(26...Qxe4 なら 27.Rae1 で黒の駒損になる)。[訳注 27...Nf5 で黒の勝勢のようです。]

26...Qe6

 次に 27...Qg4 を意図している。

27.f5 Qf7 28.h6 Kh8 29.hxg7+ Qxg7

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30.Qh2 Rf7 31.Rf3 Rg8 32.Raf1 Qg5 33.Bb2

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 筋を変えてビショップを働かせようという手である。

33...Bb5 34.Bc1 Qg4 35.Re1

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35...Rgg7

 難しい局勢の中で黒の選択の余地は限られている。しかるに白の方は態勢を良くする手が色々ある。黒は 35...Bc6 と指すのが良かった。

36.Bh6 Rg8 37.Bf4 Rfg7 38.Bh6 Rf7 39.Bd2 Bc6 40.Rf4

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40...Qg5

 40...Qg3 とぶつけるのは誤りで 41.Ng6+ Rxg6 42.fxg6 で白の交換得になる。

41.Rf2 Qh5 42.Rf3 Rg4

 この反撃を狙う手は裏目に出た。

41.Rh3

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 ようやく決定的な駒の再編成が完了した。黒は 44.Ng6+ の狙いが受からない。

43...Rfg7

 43...Kg8 とあらかじめチェックを避けても 44.Nf3 で黒クイーンが「詰み」になる。

44.Ng6+ hxg6 45.fxg6 黒投了

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2008年02月12日

実戦に役立つエンディング(79)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

YKeres079.JPG 図79 黒の手番

 手詰まり戦術により第三の目標である白キングのe列越えが可能になる。

14...Re4

 14...Re6 は 15.Qb3+ Ke5 16.Kf7、また 14...Ke4 は 15.Qc4+ Kf5 16.Qd3+ Ke6 17.Ke8 で白キングが越境できる。

15.Qd3+

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15...Rd4

 15...Ke5 は 16.Ke7 d5 17.Qg3+ から 18.Kd6 で容易な勝ちになる。

16.Qf5+ Kc4 17.Qc2+ Kd5 18.Ke7

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18...Re4+

 18...Ke5 は 19.Qc3! d5 20.Qe3+ Re4 21.Qg5+ Kd4+ 22.Kd6 で白が勝つ。

19.Kd7

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 以下は白の容易な勝ちである。例えば 19...Rd4 なら 20.Qc6+ Ke5 21.Qf3 で少なくともポーンが落ちる。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(71)

Asahigaoka 1986 - FlavioPompeo 2139
B76 ICC 15m++0s 2004.02.04

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 g6 6. Be3 Bg7 7. f3 O-O 8. Qd2 Nc6 9. O-O-O d5 10. Qe1 e5 11. Nxc6 bxc6 12. exd5

(36)で習得した手です。

12. exd5 Nxd5

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13. Bc5

定跡は 13. Bc4 でした。

13... Be6 14. Ne4 f5 15. Bxf8 Qxf8 16. Ng5 Bd7 17. Bc4 Qc5 18. Bxd5+ cxd5 19. Qc3 Qd6 20. Qb3 Bc6 21. Qa3 Qd7 22. Rd3 Bb5 23. Rxd5 Qxd5 24. Rd1 Qc6 0-1

2008年02月13日

実戦に役立つエンディング(80)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

 黒ポーンが4段目にいる場合も勝つ手法は同じである。しかし図80のように黒ポーンが5段目に達すると問題が出てくる。

YKeres080.JPG 図80 黒の手番
グレツキー対コルニッツ、1864年

 ここに至る手順は省略して直接この局面から考える。ほぼ百年の間この局面は黒の手番の場合に限り以下のように白が勝つと考えられてきた。

1...Re8

 1...Re2 に対して白は 2.Qa3+ により図80から白の手番で生じる局面にすることができる。あるいは次のように指し進めることもできる。2.Qd1+ Rd2 2...Ke3 は 3.Ke5 d3 4.Qg1+ Kf3+ 5.Kd4 d2 6.Qd1 で白が勝つ。この手順中 4...Kd2+ ならば 5.Kd4 Kc2 6.Qg6 Rd2 7.Qc6+ でやはり白が勝つ。3.Qb3+ Ke2 4.Ke4 Ke1 4...d3 は 5.Qg8! で白が早く勝つ。5.Qf3!

YKeres080A.JPG

5...Rd1 6.Kd5 Rd2 7.Kc5! 手待ちをする。7...Rd1 8.Kc4 Rd2 9.Kb3

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これで白が勝つ。例えば 9...Rd1 10.Qe4+ から 11.Kc2、あるいは 9...Re2 10.Qg3+ である。

 1...Ke2 も 2.Qc2+ Ke1 3.Kf4 で白が早く負ける。

2.Qa3+

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2...Ke2

 2...Kd2 は 3.Qb4+ でポーンが落ちる。

3.Qa4

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3...Rd8

 3...Rf8+ は 4.Ke4 d3 5.Qb5 Rd8 6.Qh5+ Kf1 7.Ke3 で白が勝つ。

4.Qa5

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 4...Rf8+ 5.Ke4 d3 6.Qh5+ の後黒はポーンかルークを取られる(6...Kd2 7.Qh6+)。

 しかし図80で白の手番の場合は同じ局面で黒の手番とする手順が見つからなかったために長い間引き分けであると考えられていた。ようやく1949年にシェロンが次のような勝ちの手順を示すことに成功した。

1.Qc5

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1...Re2

 1...Re1 は 2.Qb5+ でポーンかルークが落ちる。

2.Qa3+

YKeres080G.JPG

2...Kd2

 2...Kc2 は 3.Qa2+ Kd3 4.Qb3+ Kd2 5.Kf4 である。

3.Kf4

YKeres080H.JPG

3...Kc2

 3...d3 なら 4.Qb3 で本譜の手順と同じになる。また 3...Re1(e8)なら 4.Qb4+ で白が勝つ。さらに 3...Re3 なら 4.Qb2+ Kd3 5.Qb3+ Kd2(5...Ke2 は 6.Qc2+ Ke1 7.Qc4)6.Qc4 Rd3 7.Ke4 で白が勝つ。

4.Qa2+ Kd3 5.Qb3+ Kd2 6.Qc4 d3

(この節続く)

一手一手の定跡習得(72)

talnight 1901 - Asahigaoka 1793
B21 ICC 2m++12s 2004.02.04

1. e4 c5 2. d4 cxd4 3. c3 dxc3 4. Nxc3 Nc6 5. Nf3 d6 6. Bc4 a6 7. O-O Nf6 8. Bg5 e6 9. Qe2

YItte0072.JPG

9... Be7

定跡は 9... h6 でした。

10. Rfd1 Bd7 11. Rd2 b5 12. Bb3 b4 13. Na4 Ra7 14. Rad1 Ne5 15. Nxe5 dxe5 16. Be3 Ra8 17. Nb6 Ra7 18. Nc4 Rb7 19. Nxe5 O-O 20. Bg5 Qb8 21. Bxf6 Bxf6 22. Nxd7 1-0

あなたの棋力診断(4)

第3章 大局観

第4局

 本局のあなたは白番で、指導パートナーはドイツのグランドマスターのボルフガング・ウンツィカーである。対戦相手はコロンビアのミゲル・サンチェスである。この試合は1952年にスウェーデンのサルツヨバーデンで開催された世界選手権インターゾーナル大会で指された。局面図までの手順は次のとおりである。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.O-O Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 d6 8.c3 Na5 9.Bc2 c5 10.d4 Qc7 11.a4 b4 12.cxb4 cxb4 13.h3 O-O 14.Nbd2 Bd7 15.Nf1 Rfc8

YRate04.JPG

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16.Ne3

 2点。この手は 16.Bd3 又は 16.Bb1(それぞれ1点)よりも活動力がある。ルイ・ロペスでは白のクイーン翼ナイトはd5またはf5の地点を目指すのが普通である。

16...Nc6

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17.Bb3

 3点。黒の狙いは 17...Nxd4 でポーン得することだった(これを見逃していたら3点減点)。17.d5(0点)はこのような局面では滅多に良い手となることがない。それは黒からd4のポーンを取らせる可能性を失くし、自分のナイトからも好所を奪うからである。17.dxe5(0点)も無害である。本譜の手で白はビショップを以前の働きの良い筋に戻した。17...Nxe4? には 18.Nd5 で大丈夫である。

17...Na5

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18.Bd5

 2点。18.Bc2(1点)と手を繰り返したり 18.Nd5(1点)と跳ねる手よりも本譜の手の方がずっと強力である。

18...Bc6

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19.Bxc6

 2点。黒にd5の地点で2回交換を許せば白の有利は消えてしまう。

19...Nxc6

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20.Nf5

 3点。ナイトが「理想」の二箇所の拠点の一つに来ることができた。

20...Bf8

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21.Bg5

 2点。この手は展開と同時に狙いも持っている。黒は 22.Bxf6 で白ナイトを恒久的に居座らせることはできない。

21...Ne8

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22.Rc1

 1点。

22...Qb7

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23.Qd3

 3点。白は中原とキング翼で優勢を確立した。ここからは次の攻撃のための方策を考えなければならない。黒キングは無傷の黒ポーンの壁と二つの小駒で守られているので当面は白がキング翼でこれ以上できることはない。しかし黒のbポーンは攻撃の対象とすることができもし黒が ...a5 と守れば白はb5の地点に新たに拠点を確保することができる。23.Qb3 と 23.Rc4(同様の考え)は 23...Na5 で拒否される。

23...Rc7

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24.Ne3

 3点。黒のキング翼のナイトとビショップは受け一方なのでこのナイトをクイーン翼での攻撃に回すことができる。黒の直前の手のおかげでこのナイトは先手でd5の地点に行ける。

24...Rac8

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25.Nd5

 1点。

25...Rd7

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26.Bd2

 2点。黒のbポーンに照準を定めるのが理にかなった手である。

26...g6

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27.Rc4

 2点。これで黒はほとんどbポーンが守れない。27...a5 ならば 28.Rec1 の釘付けが強烈である。

27...exd4

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28.Bxb4

 3点。この手の方が 28.Nxb4 よりもはるかに良い。d5のナイトは頼もしい存在であり軽々しく交換すべきでない。28.Nxd4? は 28...Ne5 があるので4点減点。

28...Bg7

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29.Bd2

 6点。29.Rec1(0点)は 29...Nxb4! があるのでこの手が必要である。今度こそ 30.Rec1 が有力な狙いとなる。例えば 29...Qxb2 とポーンを取ってくると 30.Rec1 Qb7 31.Rb1 Qa7 32.Nb6 で白の必勝形となる。又 29...Ne5 ならば 30.Nxe5 dxe5 31.Rxc8 Qxc8 32.Nb6 で同様である。

29...Rb8

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30.Rec1

 1点。

30...Ne5

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31.Nxe5

 1点。

31...dxe5

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32.Rb4

 4点。これでポーン得になる。32.Qc2(3点)も強い手である。

32...Qa7

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33.Rxb8

 2点。

33...Qxb8

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34.Qxa6

 1点。

34...Rb7

 34...Qxb2 は 35.Rc8 Qxd2 36.Rxe8+ Bf8 37.Nxf6+ で白が勝つ。

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35.Rc8

 6点。この決め手で黒が投了した。35...Qxc8 なら 36.Ne7+ である。

診断 白がずっと主導権を維持できたのは小駒が中央のd5とf5を跳躍点として利用したことによる(18、20及び25手目)。白のもう一つの勝因は「戦線の移動」の原則の利用である。黒の小駒が受けのみに追いやられると(20手目と21手目)白は機動性の優位を活かして攻撃を反対翼に向けた。そこで白は圧倒的な戦力の優位を行使することができた(24手目から27手目)。

2008年02月14日

実戦に役立つエンディング(81)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

YKeres081.JPG 図81
グレツキー対コルニッツ、1864年

 長い間この局面はグレツキー対コルニッツ戦の分析に基づいて引き分けであると考えられてきた。それは 7.Qc5 Kd1 8.Qc3 d2 9.Qf3 Kc1 10.Qc3+ Kb1 11.Qb3+ Kc1 12.Qc4+ Kd1 13.Kf3 Re7 14.Kf2 Re8 で白が勝てないというものである。

YKeres081A.JPG

しかし実際は幾つかの勝つ方法がありここではシェロンの手順を紹介する。

7.Qb3

アベルバッハとリシツィンは後に別な 7.Qd4 と 7.Qb4+ Kc2 8.Kf3 を提示した。これらは本譜の手順と同様の変化になる。

7...Re1

 もちろん 7...Rf2+ はだめで 8.Ke4 Re2+ 9.Kd4 で白の勝ちになる。しかし 7...Re8 も 8.Qb2+ で以下 8...Ke1 9.Qb5! Rd8 10.Ke3 Kf1 11.Qf5+ 又は 8...Kd1 9.Qb5 Rd8 10.Ke3 Kc1(c2)11.Qc5+ Kd1 12.Qb6 で白の勝ちとなる。

8.Qb2+ Kd1 9.Kf3

YKeres081B.JPG

9...Re2

 9...Re7(e8)は 10.Qb1+ Kd2 11.Qb4+ で白が勝つ。

10...Qc3 Rd2 11.Qc4

YKeres081C.JPG

 11.Ke3 Re2+ 12.Kxd3? は 12...Re3+! 13.Kxe3 でステイルメイトになってしまう。本譜の手の後黒はポーンを失う。

 この例から黒は中央列の6段目にポーンがあっても引き分けにできないことが分かる。だから黒は中央のポーンが原位置にある時だけ引き分けにできると言うことができる。

(この節続く)

一手一手の定跡習得(73)

jindra 1689 - Asahigaoka 1778
E99 ICC 2m++12s 2004.02.05

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4 d6 5. Nf3 O-O 6. Be2 e5 7. O-O Nc6 8. d5 Ne7 9. Ne1 Nd7 10. Be3 f5 11. f3 f4 12. Bf2 g5 13. Nd3 Nf6 14. c5

YItte0073.JPG

14... h5

定跡は 14... Ng6 でした。

15. cxd6 cxd6 16. Rc1 Ng6 17. Nb5 Ne8 18. Nxa7 Bd7 19. Qb3 Rb8 20. Nb5 g4 21. Qb4 Rf6 22. Rc2 g3 23. hxg3 fxg3 24. Bxg3 Nf4 25. Nxf4 exf4 26. Bh4 Qb6+ 27. Bf2 Qd8 28. Rfc1 Rg6 29. Bf1 h4 30. Nd4 h3 31. Ne6 Bxe6 32. dxe6 Qg5 33. Ba7 Ra8 34. Qxb7 Qa5 35. Qf7+ Kh7 36. Bf2 Rf6 37. Qd7 Rd8 38. Qb7 hxg2 39. Bd3 Qh5 40. e5+ Kh8 41. Bh4 Qxh4 42. Rxg2 Rh6 43. e7 Qh1+ 44. Kf2 Qxc1 45. Qe4 Qe3+ 46. Qxe3 fxe3+ 47. Kxe3 Rb8 48. exd6 Nxd6 49. a3 Rxb2 50. Rxb2 Bxb2 51. a4 Re6+ 0-1

2008年02月15日

実戦に役立つエンディング(82)

第3章 クイーン・エンディング

3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)

 クイーン対ルーク+ポーン

 ポーンがビショップ列にあると黒が引き分けにできる可能性が高まる。実際ポーンがビショップ列にあればどの段にあっても黒が必ず引き分けにできると長い間考えられてきた。しかしハルバーシュタットとシェロンの現代の研究により少なくとも2段目または3段目のポーンについてはこの一般化は誤りであることが示された。色々な可能性を詳しく調べてみよう。

YKeres082.JPG 図82
ハルバーシュタット、1931年

1.Qb6!

 ハルバーシュタットは1931年にこの局面で黒の手番ならば黒が手詰まりであることを示した。白は容易にその状態に持ち込むことができる。

1...Kd7

 1...Re5+ は 2.Kd4 Rd5+ 3.Kc4 で白の容易な勝ちとなる。

2.Qb7+ Kd6 3.Qa7!

 白は最初の目的を達成した。黒は白キングがd列を越えるのを許すしかない。

3...Re5+

 黒はルークをd列に留めることができない。例えば 3...Rd2 なら 4.Kf5 Rd5+ 5.Kf6、あるいは 3...Rd1 なら 4.Qa3+ Kd7 5.Qh3+! Kc7 6.Qg3+ Rd6 7.Qe5 Kd7 8.Qg7+ から 9.Ke5 でどちらも白キングが侵入できる。

4.Kd4 Rd5+ 5.Kc4 Rb5 6.Qf7