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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第19局
白 バックル
黒 ハルビッツ
1846年、ロンドン
本局は次のような経過をたどった。穏やかな展開から中原での小競り合いが発生し両者のポーン陣形に弱点が生じる。白が巧妙に1ポーンを得する。駒の精算が進んでナイト・エンディングになる。さらに38手目で同数ポーン(4個)のエンディングになるが、白の遠方パスポーンが決定的な役割を果たす。黒のもがきは10手しか続かない。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.O-O Nf6
5.Nc3
5.d3 又は 5.Re1(5...Ng4 6.d4)も良い手である。しかしポーンを犠牲にする 5.c3 Nxe4 又は 5.d4 Bxd4 はあまり明快な指し方でない。
5...d6 6.h3 O-O 7.d3 Be6 8.Bb3 Ne7 9.Ne2
両者ともじっくりした駒の展開で陣容を良くしようとしている。
9...Ng6 10.Ng3 c6 11.c3 d5 12.d4
このポーンのぶっつけで見たことがないような戦いになってきた。
12...dxe4 13.dxc5 exf3 14.Qxf3
クイーンが手順に好所に来た。
14...Bxb3 15.axb3 Nd5
この手は 16.Bg5 でナイトが釘付けにされるのを避けた。
16.Nf5
ナイトが重要な拠点を占めた。
16...b6
この手は自分からクイーン翼のポーンを弱めて良くない。代わりに 16...Nh4 で単純化を図るか又はクイーンを 16...Qf6 に捌いて 17...b6 18.cxb6 axb6 19.Rxa8 Rxa8 を狙えば互角の形勢だった。
17.cxb6
17...Qxb6
17...axb6 とポーンで取るのは 18.Rxa8 Qxa8 19.c4 Nde7(19...Ndf4 は 20.Bxf4 Nxf4 21.Qxc6 で本譜と同様にポーン得する)20.Nxe7+ Nxe7 21.Be3 Qb7 22.Rd1 で白が主導権を握る。
18.c4 Ndf4
決死の覚悟で反撃を目指した手だが 18...Nde7 と引く方が賢明だった。
19.Bxf4 Nxf4
20.Rfd1
20.Ne7+ Kh8 21.Nxc6 は 21...f6 でナイトが不安定である。だから白は別の手で黒の弱いcポーンを取りに行くことにした。なおここでの 20.Qxc6 は 20...Qxb3 と来られる。
20...Qc7
20...Kh8 と先に逃げると 21.Rd7 と侵入される。本譜の手はそれを防いだ手だが白のもう一方の狙いには役立っていない。
21.Qxc6 Rfc8 22.Qxc7 Rxc7 23.Nd6
1ポーン得というわずかな有利を勝ちに結び付けるには白は真の卓越した技量を発揮しなければならない。
23...Ne2+ 24.Kf1 Nd4 25.b4 f5 26.c5 Rb8 27.Ra4
攻防の手である。
27...g6 28.Rda1 Nc2 29.Rxa7 Rxa7 30.Rxa7
30...Nxb4
30...Rxb4 は 31.c6 でこのポーンを止められない。ここから白は巧妙に駒の精算を推し進める。
31.Rb7 Rxb7
31...Nc6 は 32.Rxb8+ Nxb8 33.b4 Na6 34.c6 でだめである。
本譜のナイト・エンディングは勝つのが非常に大変そうに見える。しかし試合の流れは白に都合良くできていた。
32.Nxb7 Kf7 33.Ke2 Ke7 34.Kd2 Kd7
35.Na5 Na6 36.Nb3 Kc6 37.Kc3 Nxc5 38.Nxc5 Kxc5
白には「遠方パスポーン」があるのでこのポーン・エンディングは白の勝ちである。
39.h4 h6 40.f3
40...g5
黒が 40...Kb5 のように手待ちをしても 41.b4 で後退しなければならない。
41.h5 e4 42.fxe4 fxe4
43.g4 Kd5 44.b4 Ke5 45.b5 Kf4 46.b6 e3 47.b7 Kf3 48.b8=Q 黒投了
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