「Chess Life」2003年1月号 (2/4)
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スターブリッジでの大活躍(続き)
2ナイトのタンゴ [A50]
白 IMヒカル・ナカムラ
黒 GMパベル・ブラトニー
コンチネンタル・オープン、2002年
自戦解説 IMヒカル・ナカムラ
1.d4 Nf6 2.c4 Nc6
ブラトニーは変則定跡で好成績を収めてきた。
3.Nf3 e6 4.a3!? d5
5.e3
カスパロフが1996年のエレバン・オリンピアードでの対イェルモリンスキー戦で 5.Nc3 と指している棋譜を後で見つけた。
5...g6 6.Nc3 Bg7
7.Bd3
これまで指されていた手は 7.Be2 と 7.b4 である。
7...O-O 8.b4 dxc4 9.Bxc4 Qe7 10.Bb5 Bd7 11.e4
11...e5!
11...a6 と催促するのは 12.Bxc6 Bxc6 13.Qe2 で白が優勢である。
12.d5
この手が最善の応手である。12.Bxc6 と取るのは 12...Bxc6(12...exd4? は 13.Bxd7 dxc3 14.Ba4 Qxe4+[14...c2 は 15.Qxc2 Nxe4 16.O-O! Bxa1 17.Re1 f5 18.Qa2+]15.Be3 Ng4 16.Qe2 で白が優勢である)13.d5 Bd7 14.Be3 Ne8 15.Nd2 f5 16.f3 で互角の形勢である。
12...Nd4 13.Bxd7 Nxf3+ 14.Qxf3 Qxd7
15.Be3 Ne8 16.Qe2 Nd6 17.O-O f5 18.f3
局面は白枡ビショップが交換で無くなっているがキングズ・インディアン防御の戦型に似ている。
18...Rf7 19.Rfc1 h5 20.a4
20...a6
黒はc5の地点を 20...b6 で守った方が良かった。
21.b5 Kh7 22.bxa6
22...bxa6
22...Rxa6 とルークで取り返すのは 23.Nb5 でやはり白からクイーン翼に重圧がかかる。
23.a5 f4 24.Bf2 g5 25.Na4
このナイトはc5からe6の地点を目指している。
25...g4 26.Nc5 gxf3 27.gxf3 Qh3
黒のキング翼での攻撃は危険に見えるがクイーンを支援する他の駒がほとんどないので実際は大したことがない。
28.Kh1 Bf6 29.Ne6 Rg8 30.Rg1 Rb8 31.Rab1 Nb5
黒はb列を明け渡すわけにはいかない。
32.Qd3 Kh8 33.Rg6 Rg8 34.Rxg8+ Kxg8 35.Rxb5!
このルーク切りが決め手である。白のa列のパスポーンはただでは止められない。
35...axb5 36.a6 c5 37.Bxc5 Bh4 38.a7 Rxa7 39.Bxa7
39...b4 40.Bg1 b3 41.Qxb3 Qf1 42.Qb8+ 黒投了
黒がどう逃げても詰みである。42...Kh7 は 43.Qc7+ Kg6 44.Qg7#、42...Kf7 は 43.Qf8+ Kg6 44.Qg7# までである。
彼は0.5ポイントのリードで6回戦を迎えワールド・オープンの優勝者でポーランド出身のIMカミル・ミトンと黒で対戦し引き分けることができた。その試合は序盤が面白くてどちらが勝ってもおかしくなかった。
5.5ポイントでヒカルが優勝賞金3,500ドルを手にした。GM基準には最低9試合が必要なのでそれは合致しなかった。しかしこの成績は最近の米国の若者の成績の中で最も素晴らしいものの一つであろう。
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(この号続く)