第3章 クイーン・エンディング
3.2 クイーン対ルーク(+ポーン)(続き)
B クイーン対ルーク+ポーン
黒ポーンが4段目にいる場合も勝つ手法は同じである。しかし図80のように黒ポーンが5段目に達すると問題が出てくる。
図80 黒の手番
グレツキー対コルニッツ、1864年
ここに至る手順は省略して直接この局面から考える。ほぼ百年の間この局面は黒の手番の場合に限り以下のように白が勝つと考えられてきた。
1...Re8
1...Re2 に対して白は 2.Qa3+ により図80から白の手番で生じる局面にすることができる。あるいは次のように指し進めることもできる。2.Qd1+ Rd2 2...Ke3 は 3.Ke5 d3 4.Qg1+ Kf3+ 5.Kd4 d2 6.Qd1 で白が勝つ。この手順中 4...Kd2+ ならば 5.Kd4 Kc2 6.Qg6 Rd2 7.Qc6+ でやはり白が勝つ。3.Qb3+ Ke2 4.Ke4 Ke1 4...d3 は 5.Qg8! で白が早く勝つ。5.Qf3!
5...Rd1 6.Kd5 Rd2 7.Kc5! 手待ちをする。7...Rd1 8.Kc4 Rd2 9.Kb3
これで白が勝つ。例えば 9...Rd1 10.Qe4+ から 11.Kc2、あるいは 9...Re2 10.Qg3+ である。
1...Ke2 も 2.Qc2+ Ke1 3.Kf4 で白が早く負ける。
2.Qa3+
2...Ke2
2...Kd2 は 3.Qb4+ でポーンが落ちる。
3.Qa4
3...Rd8
3...Rf8+ は 4.Ke4 d3 5.Qb5 Rd8 6.Qh5+ Kf1 7.Ke3 で白が勝つ。
4.Qa5
4...Rf8+ 5.Ke4 d3 6.Qh5+ の後黒はポーンかルークを取られる(6...Kd2 7.Qh6+)。
しかし図80で白の手番の場合は同じ局面で黒の手番とする手順が見つからなかったために長い間引き分けであると考えられていた。ようやく1949年にシェロンが次のような勝ちの手順を示すことに成功した。
1.Qc5
1...Re2
1...Re1 は 2.Qb5+ でポーンかルークが落ちる。
2.Qa3+
2...Kd2
2...Kc2 は 3.Qa2+ Kd3 4.Qb3+ Kd2 5.Kf4 である。
3.Kf4
3...Kc2
3...d3 なら 4.Qb3 で本譜の手順と同じになる。また 3...Re1(e8)なら 4.Qb4+ で白が勝つ。さらに 3...Re3 なら 4.Qb2+ Kd3 5.Qb3+ Kd2(5...Ke2 は 6.Qc2+ Ke1 7.Qc4)6.Qc4 Rd3 7.Ke4 で白が勝つ。
4.Qa2+ Kd3 5.Qb3+ Kd2 6.Qc4 d3
(この節続く)