« 一手一手の定跡習得(72) | メイン | 実戦に役立つエンディング(81) »

あなたの棋力診断(4)

第3章 大局観

第4局

 本局のあなたは白番で、指導パートナーはドイツのグランドマスターのボルフガング・ウンツィカーである。対戦相手はコロンビアのミゲル・サンチェスである。この試合は1952年にスウェーデンのサルツヨバーデンで開催された世界選手権インターゾーナル大会で指された。局面図までの手順は次のとおりである。

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.O-O Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 d6 8.c3 Na5 9.Bc2 c5 10.d4 Qc7 11.a4 b4 12.cxb4 cxb4 13.h3 O-O 14.Nbd2 Bd7 15.Nf1 Rfc8

YRate04.JPG

**********

16.Ne3

 2点。この手は 16.Bd3 又は 16.Bb1(それぞれ1点)よりも活動力がある。ルイ・ロペスでは白のクイーン翼ナイトはd5またはf5の地点を目指すのが普通である。

16...Nc6

**********

17.Bb3

 3点。黒の狙いは 17...Nxd4 でポーン得することだった(これを見逃していたら3点減点)。17.d5(0点)はこのような局面では滅多に良い手となることがない。それは黒からd4のポーンを取らせる可能性を失くし、自分のナイトからも好所を奪うからである。17.dxe5(0点)も無害である。本譜の手で白はビショップを以前の働きの良い筋に戻した。17...Nxe4? には 18.Nd5 で大丈夫である。

17...Na5

**********

18.Bd5

 2点。18.Bc2(1点)と手を繰り返したり 18.Nd5(1点)と跳ねる手よりも本譜の手の方がずっと強力である。

18...Bc6

**********

19.Bxc6

 2点。黒にd5の地点で2回交換を許せば白の有利は消えてしまう。

19...Nxc6

**********

20.Nf5

 3点。ナイトが「理想」の二箇所の拠点の一つに来ることができた。

20...Bf8

**********

21.Bg5

 2点。この手は展開と同時に狙いも持っている。黒は 22.Bxf6 で白ナイトを恒久的に居座らせることはできない。

21...Ne8

**********

22.Rc1

 1点。

22...Qb7

**********

23.Qd3

 3点。白は中原とキング翼で優勢を確立した。ここからは次の攻撃のための方策を考えなければならない。黒キングは無傷の黒ポーンの壁と二つの小駒で守られているので当面は白がキング翼でこれ以上できることはない。しかし黒のbポーンは攻撃の対象とすることができもし黒が ...a5 と守れば白はb5の地点に新たに拠点を確保することができる。23.Qb3 と 23.Rc4(同様の考え)は 23...Na5 で拒否される。

23...Rc7

**********

24.Ne3

 3点。黒のキング翼のナイトとビショップは受け一方なのでこのナイトをクイーン翼での攻撃に回すことができる。黒の直前の手のおかげでこのナイトは先手でd5の地点に行ける。

24...Rac8

**********

25.Nd5

 1点。

25...Rd7

**********

26.Bd2

 2点。黒のbポーンに照準を定めるのが理にかなった手である。

26...g6

**********

27.Rc4

 2点。これで黒はほとんどbポーンが守れない。27...a5 ならば 28.Rec1 の釘付けが強烈である。

27...exd4

**********

28.Bxb4

 3点。この手の方が 28.Nxb4 よりもはるかに良い。d5のナイトは頼もしい存在であり軽々しく交換すべきでない。28.Nxd4? は 28...Ne5 があるので4点減点。

28...Bg7

**********

29.Bd2

 6点。29.Rec1(0点)は 29...Nxb4! があるのでこの手が必要である。今度こそ 30.Rec1 が有力な狙いとなる。例えば 29...Qxb2 とポーンを取ってくると 30.Rec1 Qb7 31.Rb1 Qa7 32.Nb6 で白の必勝形となる。又 29...Ne5 ならば 30.Nxe5 dxe5 31.Rxc8 Qxc8 32.Nb6 で同様である。

29...Rb8

**********

30.Rec1

 1点。

30...Ne5

**********

31.Nxe5

 1点。

31...dxe5

**********

32.Rb4

 4点。これでポーン得になる。32.Qc2(3点)も強い手である。

32...Qa7

**********

33.Rxb8

 2点。

33...Qxb8

**********

34.Qxa6

 1点。

34...Rb7

 34...Qxb2 は 35.Rc8 Qxd2 36.Rxe8+ Bf8 37.Nxf6+ で白が勝つ。

**********

35.Rc8

 6点。この決め手で黒が投了した。35...Qxc8 なら 36.Ne7+ である。

診断 白がずっと主導権を維持できたのは小駒が中央のd5とf5を跳躍点として利用したことによる(18、20及び25手目)。白のもう一つの勝因は「戦線の移動」の原則の利用である。黒の小駒が受けのみに追いやられると(20手目と21手目)白は機動性の優位を活かして攻撃を反対翼に向けた。そこで白は圧倒的な戦力の優位を行使することができた(24手目から27手目)。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2008年02月13日 08:59に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「一手一手の定跡習得(72)」です。

次の投稿は「実戦に役立つエンディング(81)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。