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第1部 開放型
第1章 ジュオコ・ピアノ
第21局
白 ボゴリュボフ
黒 レティ
1920年、イェーテボリ
本局では黒の思慮深く且つ慎重な指し手が見られる。まず敵のくびきを振り払い(12...Kh8 と 14...Rg8)それから自ら勢力を広げ(13...Bc4 と 22...Bc4)ついには攻勢に転じた(27...f5)。ここに見られるのは理にかなった駒の捌きの威力である。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.d3 Nf6 5.Nc3 d6 6.Be3 Bb6
7.h3
この様子見の手に代わる最も効果的な策略はクイーン翼キャッスリングを予定する 7.Qd2 である。
7...Be6 8.Bb5
この手は 8.Bb3 よりもはるかに難しい戦いになる。
8...O-O
9.Bxc6
この交換で黒の中原が強固になった。白はこの交換を遅らせてまず 9.Bg5 と指すべきだった。
9...bxc6 10.Bg5 Qe7 11.O-O h6 12.Bh4
12...Kh8
この手は ...Rg8 から ...g5 でナイトの釘付け状態の解消を図るための準備である。すぐに 12...g5 は 13.Nxg5 と切られる。
13.d4 Bc4 14.Re1 Rg8 15.dxe5 dxe5
16.Bg3 Rad8 17.Qc1 Nd7 18.Nd1 f6 19.Ne3
19...Bf7
このビショップ引きが本手である。19...Be6 は 20.Nf5 Bxf5 21.exf5 でほぼ互角の形勢となる。本譜の手なら今後のビショップの働きに期待することができる。(古い警句に『ビショップを持っている方に未来が輝く』というのがある。)
20.Nf5
この手でしばらくの間白に主導権が残るが黒陣の弱点がしだいに目立ってくる。その弱点とは働きのないビショップ、f2の地点、戦線から遠ざけられたクイーン及び敵に支配された素通しのd列である。
20...Qf8
当たりを避けながら白からの 21.Nxh6 の狙いを防いだ。
21.c3
クイーン翼での活動を策したこの手は実際はd3の地点に弱点を作り出して良くなかった。21...Nc5 を防いで 21.b4 と突く方が良かった。それでも黒は 21...c5(21...Qxb4 には 22.Nxh6 と来られる)22.c3 Kh7 から ...g6 で優勢である。
21...Nc5
この手は 22...Nd3 を狙っている。それと共に白のe1のルークをeポーンの守りに縛り付けている。
22.Qc2
白は受けに回った。激しく 22.Nxe5 fxe5 23.Bxe5 と迫るのは(次に 24.Qxh6# で詰み)うまく行かない。黒は 23...Kh7 24.Bxg7 Rxg7 25.Qxh6+ Kg8 26.Qh4 でなく 23...Bg6 24.Qxh6+ Bh7 で受け切る。
22...Bc4 23.Nd2
eポーンを守るにはこの手しかない。23.Red1 は 23...Rxd1+ でeポーンか(24.Qxd1 Nxe4)aポーンが(24.Rxd1 Bxa2)落ちる。
23...Bd3 24.Qc1
24.Qd1 は 24...Bxe4 とポーンを取られる。
24...g6
この機会に相手の唯一働いている駒を追い払う。
25.Nh4 Ba6
この立ち退きにより今度はナイトが大威張りでd3の地点に居座る。
26.Qc2 Nd3 27.Red1 f5
次に 28...f4 でビショップをf2の守りからどかせる狙いである。
28.a4
すてばちの手である。28.Rf1 とf2の地点を守っても 28...f4 29.Bh2 Nxf2 30.Rxf2 Bxf2+ 31.Kxf2 Qc5+ 32.Ke1 Qe3+ 33.Kd1 Qf2 34.Nhf3 Be2+ 35.Kc1 Bxf3 36.gxf3 Qxh2 で白の勝ちになる。[途中 34...Qf1+ 35.Ne1 Be2+ 36.Kc1 Qxe1+ 37.Qd1 Qxd1# で詰みます。]
28...f4 29.a5 Bc5 30.Kh2
どうしても駒損は避けられない。30.b4 なら 30...Be7 である。
30.fxg3+ 31.fxg3 Qf2
狙いは 32...Ne1 33.Rxe1 Rxd2 である。
32.Rf1 Ne1
優勢な時には手に困らない。33.Rxf2 なら 33...Nxc2 で白の二つのルークが同時に当たりになっていて黒の交換得になる。
33.Raxe1 Bxf1 34.Rxf1 Qxd2
以下55手目で白投了
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