第3章 大局観
第6局
本局のあなたは黒番で、指導パートナーはソ連のスエティンである。対戦相手はフランスのモニロである。この試合は1955年にリヨンで開催された世界学生団体選手権戦の1局である。局面図までの手順は次のとおりである。
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.Be2 Nf6 4.Nc3 Nc6 5.d4 cxd4 6.Nxd4 e5 7.Nb3 Be7 8.O-O O-O 9.Be3 a5 10.a4
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10...Nb4
3点。シチリア防御のボレスラフスキー戦法は今日では最も指されている戦法の一つになっている。それは黒のd列の出遅れポーンが何の支障にもならないことが実戦経験から分かってきたからである。白の 10.a4 を誘って黒はナイトをb4の強固な地点に据えることができた。このナイトは将来の ...d5 突きを助け、白クイーンを守りに縛りつけている。10...Be6 も同じくらい強い手で3点。
11.f4
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11...Be6
1点。しかし 11...exf4 の方が正確なので3点。この後は 12.Bxf4 Be6 と進み 13...d5 と 13...Nxc2!(14.Qxc2 Qb6+)が狙いとなる。
12.f5
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12...Bd7
2点。12...Bc8 と 12...Bxb3 は0点。このビショップはdポーン突きを助けなければならない。
13.Bf3
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13...Bc6
1点。
14.Bg5
14.Qe2 として黒が ...d5 と突いてくれば Rad1 で釘付けになるようにした方が良かった。
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14...Qc7
2点。
15.Bxf6
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15...Bxf6
1点。
16.Qe2
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16...Rad8
この手と 16...Rfd8 に2点。
17.Rad1
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17...Rd7
3点。17...b6(1点)に1手かけることはない。
18.Kh1
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18...Rfd8
1点。
19.Nc1
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19...d5
3点。もちろんこの一手である。これ以上の準備は必要ない。
20.exd5
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20...Nxd5
1点。
21.Nxd5
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21...Bxd5
1点。
22.Bxd5
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22...Rxd5
1点。
23.Rxd5
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23...Rxd5
1点。
24.Rd1
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24...Rxd1+
この手と 24...Qd8、d7 又は d6 に2点。どれも良い手である。
25.Qxd1
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25...h6
2点。短兵急な 25...Qd8 は 26.Qxd8+ Bxd8 27.Nd3 f6 28.Nc5 で白の勝ちが非常に困難になるので0点。
26.Ne2
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26...e4
3点。この手に対して 27.c3 なら 27...Qc4 から ...Qd3 で白は指す手に困る。
27.Ng3
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27...Bxb2
2点。
28.Nxe4
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28...Qf4
3点。28...Qc4(2点)でも十分である。
29.Nc5
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29...Be5
3点。
30.g3
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30...Qc4
3点。30...Qxf5 は 31.Qd8+ Kh7 32.Qd3 で勝ち切るにはまだまだ大変なので1点。
31.Nd3
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31...Qd5+
2点。
32.Kg1
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32...Bd4+
1点。
33.Kf1
33.Nf2 は 33...Bxf2+ でクイーンを素抜かれる。黒が 31...Qe4+ でなく 31...Qd5+ としたのはこのためである。
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33...Qh1+
3点。33...Qxf5+ は1点。
34.Ke2 と逃げても 34...Qg2+ 35.Ke1 Bc3+ があるので白はここで投了した。
診断 この試合は二つの段階に分けられるだろう。第1段階は19手目までで黒は ...d5 突きの実現に全力を注いだ。この部分の成績が悪かったら全ての指し手ごとに作戦計画に合っているか確認するようにするのが良い。第2段階は24手目から最後までで、陣形の優位を正確に認識する能力のテストである。