第3章 クイーン・エンディング
3.3 クイーン対クイーン(+ポーン)(続き)
C クイーン+ポーン対クイーン+ポーン
この場合も可能な局面があまりに多くてほとんど体系化できない。さらに実戦では両方にポーンが残っているのが普通なのでこのような局面はほとんど実戦の分野に属している。そこでここでは2ポーン対1ポーンの興味深い局面だけを分析してみよう。
図98 白の手番
フリードマン対ギルク、1936年
白は強力なパスポーンを持っているが黒クイーンが利いているので前に進めない。キング翼のそれぞれのポーンはチェックからの防ぎとなっている。しかし白は以下のような巧妙な手順で勝つことができる。
1.Qe3
この手は 2.Qe7+ Kg6 3.Qe8+ から 4.a8=Q を狙っている。また白キングが安全にg3の地点に下がれるようにもしている。
1...Qa2
機知に富んだ受けである。白の狙いの手順の最後で黒クイーンがh2に行って詰みになるのでその防ぎになっている。1...Kf8 では 2.Qh6+ でf6のポーンがチェックで取られる。1...Kf7 は 2.Qb3+ でaポーンがすぐにクイーンに昇格できる。しかし 1...Qa4(e8に利いている)なら白の勝ちはそれほど簡単でない。2.Qe7+ Kg6 3.Qb7 Qa2 でも 2.Qb6 Qe4! でも黒の反撃が功を奏する。白の勝つ手順は次のとおりである。2.Kh5! Kf7 2...Qa5+ なら 3.g5 3.Qd3! Ke7 3...Qa5+ なら 4.Qf5 Qd2 5.Qh7+ Ke6 6.Qg8+ から 7.a8=Q 4.Qh7+ Kd6 5.Qb7 Qa5+ 6.Kg6 Qg5+ 7.Kf7 で白が勝つ。
2.Kg3
2...Kf7
3.Qe7+ から 4.Qe8+ を防いだ。
3.Qd3!
次の手順でも勝てる。3.Qe4! Qa3+ 4.Kh4 Qb2 4...Qa2 なら 5.Qh7+ Kf8 6.a8=Q+!、4...Qd6 なら 5.Qh7+ Ke6 6.Qc2 である。5.Qc4+ Kg6 5...Kg7 なら 6.Qc7+ から 7.a8=Q 6.Qd3+ から 7.a8=Q で白が勝つ。
3...Kg7 4.Qd7+ Kh6
一見受かっているように見える。
5.g5+!
5...Kxg5
5...fxg5 なら 6.Qc6+、5.Kg6 なら 6.Qe8+ でどちらもその後 7.a8=Q である。
6.Qg7+ Kf5
6...Kh5 は 7.Qh8+ である。
7.Qg4+ で白が勝つ。
7...Ke5 8.Qf4+ の後白クイーンがf3又はe4でチェックをかけaポーンがクイーンに昇格する。
前に述べたように両方にポーンがあるその他のエンディングは実戦例の節で採り上げる。
(この節終わり)