第3章 クイーン・エンディング
3.4 クイーン対他の役駒
B クイーン対2ビショップ
クイーン対複数の小駒のエンディングの勝敗は通常は駒の優劣による。小駒4個は通常勝つ。小駒3個はせいぜい引き分けである。小駒2個は不利である。まず2ビショップが持ちこたえることのできる図100から始めよう。
図100
ロッリ、1763年
図100は黒が目指さなければならない体勢を示している。2ビショップは並ぶのが最良で敵キングの前進を防ぐ。黒キングは隅の近くの2段目でビショップに接しているのが最善である。これにより駒の動く十分な余地があり両翼からの攻撃からも保護されている。受けの手段は次のようになる。
1.Qd7+ Kg8!
1...Bf7? は誤りで 2.Kf5! で白キングが近づくのを許し負けてしまう。
a)2...Bc3 3.Qa7 Bb2 ビショップが他の枡に行くことはできないし 3...Kg8 は 4.Qb8+ で負ける。4.Qb6 Ba3 4...Bc3 は 5.Qg1+ Kh7 6.Qh2+ Kg8 7.Qb8+ Kh7 8.Qc7 でビショップを取られる。5.Qd4+ Kf8 5...Kg8 は 6.Kf6 Kf8 7.Qd8+ Be8 8.Ke6 で白が勝つ。6.Qa1 作局者の正解手順は 6.Qh8+ Ke7 7.Qe5+ Kf8 8.Kf6 である。6...Bb4 6...Be7 なら 7.Qh8+ Bg8 8.Kg6、6...Bd6 なら 7.Qh8+ Ke7 8.Qf6+ で白が勝つ。7.Qh8+ Ke7 7...Bg8 なら 8.Kg6 である。8.Qe5+ これで黒のb4のビショップが取られる。
b)2...Bb2 2...Ba1 は 3.Qa7 Bb2 4.Qb6 でa)と同じになる。3.Qa7 Bc3 4.Qg1+ Kh7 5.Qh2+ Kg8 6.Qb8+ Kh7 7.Qc7 でどちらかのビショップが取られる。
2.Qe6+ Kg7 3.Kf4
3...Bh7
黒はもちろんビショップを自分のキングの近くに置いておかなければならない。しかし同時に Kf5 も防がなければならない。3...Bf7 は 4.Qd7 Kg6 5.Qg4+ から 6.Kf5 で白が勝つ。
4.Qd7+ Kg6
4...Kg8 の方が安全だが本譜の手でも引き分けになる。
5.Kg4 Bg8 6.Qe8+
6...Kg7
6...Bf7 7.Qd7 Bg8 でも良い。
7.Kf5 Bh7+ 8.Ke6 Bg8+ 9.Kd7 Bf7
盤を90度回転させれば図100とほぼ同じような局面になった。白は何も進展がなかった。他に何かする余地もない。10.Qe4 Bg8 11.Qg4+ Kf7 12.Qh5+ Kg7 13.Ke8 の後最も簡明な手順は 13...Be6 14.Qf3 Bf7+ 15.Kd7 Bg8 である。
この局面は引き分けである。
盤の中央部でも2ビショップはクイーン相手にしばしば引き分けにすることができる。しかしその手順ははるかに複雑でほとんど我々の実戦的な興味を引かない。
(この節続く)