第3章 クイーン・エンディング
3.4 クイーン対他の役駒
C クイーン対2ナイト
かなり意外なことに2ナイトの方が2ビショップよりもさらに有利で、このエンディングは引き分けであると考えられている。黒はもちろん自分の駒を正しく配置しなければならない。一見ナイトはお互い守り合う体勢が最良のように思われる。しかし実際はそうではない。そのような構えは敵キングを隙間に侵入させ、敵のクイーンに味方のキングをナイトから離れさせてしまう。2ビショップの場合のように防御側の主たる方針は敵キングを寄せ付けないことである。だからナイトは図101のように置くのが最善である。ナイトは何としても味方のキングの側にいなければならない。そして盤端にへばりつかないようにしなければならない。
図101
フォン・デル・ラーザ
1.Qe6 Kg7 2.Kf3
2...Nh7
2...Nh8 3.Kf4 Nf7 は 4.Qc6! の後 5.Qg2+ を狙われて白キングの接近を防ぐのが難しくなるので黒にとってはもっと苦労する事態になる。
3.Kg4
3.Qd7+ は 3...Kg8 4.Qd8+ Kf7 5.Qc7+ Ne7 から 6...Nf6 で黒の駒は良く働いている。黒は好きな時に駒を中央方面に移動してきても何も恐れるものはない。
3...Nhf8
3...Nf6+ は危なっかしい。4.Kf5 Nh4+ 5.Kg5 Nf3+ 6.Kf4 Nh4 7.Qh3 Ng6+ 8.Kf5 で白が勝つ可能性もある。
4.Qd6 Kf7
5.Qd5+
5.Kh5 なら 5...Ne6 で黒はナイトがe6とe5、キングがf6の陣形を目指す。白がこれを妨げるのは非常に困難である。
5...Kg7
ここまで白はほとんど進展がなかった。6.Kg5? は 6...Nh7+ でクイーンを取られるので指せず、次のように指さなければならない。6.Qd4+ Kf7 7.Kf5 Ne7+ 8.Ke4 Nfg6
やはり白は進展がない。
このようなエンディングでは明確な引き分けの局面を提示することは難しい。しかし正確な受けに対して白がどうすれば勝てるのかを証明することもやはり難しい。このためクイーン対2ナイトが引き分けとされているのも当然である。
(この節続く)