« 一手一手の定跡習得(92) | メイン | 一手一手の定跡習得(93) »

実戦に役立つエンディング(101)

第3章 クイーン・エンディング

3.4 クイーン対他の役駒

 クイーン対2ナイト

 かなり意外なことに2ナイトの方が2ビショップよりもさらに有利で、このエンディングは引き分けであると考えられている。黒はもちろん自分の駒を正しく配置しなければならない。一見ナイトはお互い守り合う体勢が最良のように思われる。しかし実際はそうではない。そのような構えは敵キングを隙間に侵入させ、敵のクイーンに味方のキングをナイトから離れさせてしまう。2ビショップの場合のように防御側の主たる方針は敵キングを寄せ付けないことである。だからナイトは図101のように置くのが最善である。ナイトは何としても味方のキングの側にいなければならない。そして盤端にへばりつかないようにしなければならない。

YKeres101.JPG 図101
フォン・デル・ラーザ

1.Qe6 Kg7 2.Kf3

YKeres101A.JPG

2...Nh7

 2...Nh8 3.Kf4 Nf7 は 4.Qc6! の後 5.Qg2+ を狙われて白キングの接近を防ぐのが難しくなるので黒にとってはもっと苦労する事態になる。

3.Kg4

 3.Qd7+ は 3...Kg8 4.Qd8+ Kf7 5.Qc7+ Ne7 から 6...Nf6 で黒の駒は良く働いている。黒は好きな時に駒を中央方面に移動してきても何も恐れるものはない。

3...Nhf8

 3...Nf6+ は危なっかしい。4.Kf5 Nh4+ 5.Kg5 Nf3+ 6.Kf4 Nh4 7.Qh3 Ng6+ 8.Kf5 で白が勝つ可能性もある。

4.Qd6 Kf7

YKeres101B.JPG

5.Qd5+

 5.Kh5 なら 5...Ne6 で黒はナイトがe6とe5、キングがf6の陣形を目指す。白がこれを妨げるのは非常に困難である。

5...Kg7

 ここまで白はほとんど進展がなかった。6.Kg5? は 6...Nh7+ でクイーンを取られるので指せず、次のように指さなければならない。6.Qd4+ Kf7 7.Kf5 Ne7+ 8.Ke4 Nfg6

YKeres101C.JPG

やはり白は進展がない。

 このようなエンディングでは明確な引き分けの局面を提示することは難しい。しかし正確な受けに対して白がどうすれば勝てるのかを証明することもやはり難しい。このためクイーン対2ナイトが引き分けとされているのも当然である。

(この節続く)

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2008年03月05日 09:17に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「一手一手の定跡習得(92)」です。

次の投稿は「一手一手の定跡習得(93)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。