第3章 クイーン・エンディング
3.4 クイーン対他の役駒
D クイーン対ビショップ+ナイト
小駒の他の二つの組み合わせと異なりビショップ+ナイトはほんのわずかの引き分けの可能性しかない。それは主としてこの二つの小駒では敵キングの接近を食い止めることが難しいことによる。図102では比較的有利な体勢ながら受け切ることができない。
図102
ビルガー、1843年
ビルガー自身はこの局面を引き分けであると判定していた。彼の同時代の人々もそれを受け入れていた。黒が受け切れないことを最初に示したのはベルガーだった。ここで完全な分析を提示するのはとても無理なのでかなり明快な変化を一つだけ調べるだけにする。
1.Qg2
ビルガーの 1.Qd5+ Kg6 2.Qg2+ は黒に 2...Kh7(h6)の余地を与えるので本譜の方が簡明である。
1...Be5
1...Kg8(1...Kf8 2.Qg6 は白がもっと有利である)は 2.Qg6 Ba1(2...Bh4 は 3.Qh6)3.Qa6 Be5 4.Ke7 の後 5.Qc4+ から 6.Kf7 で白が楽に勝つ。1...Nf5(1...Nh5 は 2.Qd5+ Kg6 3.Qe4+ から 4.Ke6)も 2.Qd5+ Kg6 3.Qe4 から 4.Ke6 で同様である。1...Bh4 は 2.Qd5+ Kg6 3.Qe4+ で駒を取られる。
2.Qg5
2.Qd5+ は 2...Kf6 で白に適当な手待ちの手段がない。
2...Bf6
3.Qg4
白はカールシュテートの推奨した 3.Qg3 Bd4 4.Qb3+ Kf6 5.Kc6 でも勝つ。しかし本譜の手の方が簡明だろう。
3...Be5 4.Qc4+ Kg6 5.Qe4+ Kf6
6.Qd5!
ビルガーの 6.Kc6 Nf5 7.Qf3 Ke6 8.Qb3+ Kf6 9.Qd5 は途中 6...Ke6! で白が支障をきたすので本譜の手の方がはるかに強い手である。黒は手詰まりに陥った。[訳注 9...Ne7+ で両取りがかかります。9.Kd5 の誤植かもしれません。]
(この節続く)