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第1部 開放型
第2章 エバンズ・ギャンビット
第24局
白 デュフレーヌ
黒 ハルビッツ
1848年、ベルリン
中原(d5とe5)での揺さ振り、(g列での)縦からの攻撃による黒キングの館の崩壊、これらは全て駒捨てによるものである。これらこそエバンズ・ギャンビットの真骨頂である。いみじくも「低迷するチェス界への神からの贈り物」と形容した人がいる。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.b4
1826年頃にエバンズ船長によって創案されたこの華々しい構想は強力な中原を作るために強制的に先手を取ろうとするものである。マクドネルによって大陸に「輸入」されたこの「新手」は性急のブルドネ、不滅のモーフィー、後には深遠のチゴーリンによって最も支持された。
ラスカーの対応策の発見によって下火になったがタルタコーワ博士やアレグザンダーによって今でも指されている。
4...Bxb4 5.c3 Bc5
5...Ba5 の他にはここへ引くのが唯一の本筋である。5...Be7 と 5...Bd6 は黒の前途を多難にするだけである。
6.O-O
息もつかせぬ 6.d4 exd4 7.O-O という指し方もある。
6...d6
7.d4 exd4 8.cxd4 Bb6
このビショップの「指定席」である。
9.Bb2
最善の継続手の一つである。対角筋は前途が有望である。
9...Nf6
もっと自重した 9...Nge7 なら白は 10.Ng5 又は 10.d5 と指すことになる。
10.Qc2
10.Nbd2 は 10...Bg4 で明らかに良くない。すぐに 10.e5 と突くのも 10...dxe5 11.dxe5 Qxd1 12.Rxd1 Ng4 である。
本譜の手はいくつもの役目を果たしている。つまりビショップにg4で釘付けにされることとクイーン交換を避けること、当たりのeポーンを守ること、そして見張りの位置につくことである。
10...O-O 11.e5
11...dxe5
11...d5 と突き返すのは 12.exf6 dxc4 13.fxg7 でキングの囲いが壊される。
12.dxe5 Nd5
d列を「無効」にする希望は完全に打ち砕かれることになる。しかし 12...Ng4 では 13.Qe4(次に 14.e6 の狙い)で白の攻撃に拍車がかかる。
13.Rd1 Be6 14.Bxd5 Bxd5 15.Nc3
15...Ne7
15...Nb4 は 16.Qa4 a5 17.a3 で白が勝つ。
16.Ng5
キングを標的とする攻撃が始まった。
16...Ng6
16...g6 ならば白は 17.Nge4 Bxe4 18.Nxe4 Qc8 19.Nf6+ でf6の地点の「空所」につけ込んで必勝形になる。
17.Nxh7
17...Kxh7 18.Nxd5 Qg5 19.Rd3
白は大々的に縦からの攻撃に着手した。
19...c6 20.Rh3+ Kg8 21.Rg3
21...Qh4
もっと頑強な受けは 21...Qh6 だった。というのは白にさらに駒を捨てる手が生じたからである。
22.Nf6+ gxf6 23.Rxg6+
23...fxg6
23...Kh8 なら 24.Rg3 である。
24.Qxg6+ Kh8 25.exf6 Rf7
26.Qg7# と 26.f7+ の両様の狙いを防ぐには泣く泣くルークを差し出すしかない。「対角筋の開放」はこの先も重大な役割を果たす。
26.Qxf7 Rg8
言わずと知れた 27...Qxf2+ からの詰みの狙いである。
27.Kh1
これで受かっている。27...Rxg2 なら 28.Qe8+ Kh7(28...Rg8 は 29.f7+)29.Qe7+ Kh6(29...Kg8 は 30.f7+)30.Bc1+ で白が勝つ。
良くないのは 27.g3(27...Rxg3+)や 27.Qe8(27...Qxf2+ から詰み)である。
27...Qg4 28.Rg1
28...Bxf2
28...Bd4 は受けにならない(29.Bxd4 Qxd4 30.Qh5#)。しかし本譜の手でも白の二の矢で勝負が決まる。
29.Qe8 Kh7 30.f7 黒投了
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