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あなたの棋力診断(9)

第3章 大局観

第9局

 本局のあなたは黒番で、指導パートナーはフランスのマスターで現在は米国に在住しているニコラス・ロッソリーモである。対戦相手は著者である。この試合は1950-51年にヘースティングズで指された。局面図までの手順は次のとおりである。

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.f4 e6 7.Be2 Qc7 8.O-O Nc6 9.Be3 Bd7 10.g4(黒がキャッスリングする前なので時期尚早である。)

YRate09.JPG

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10...Nxd4

 2点。黒が第一に考えなければならないことは他の何よりもまずf6のナイトのg8以外の逃げ場所を用意するということである。本譜の手に代わる唯一の候補は 10...O-O-O(1点)11.g5 Ne8 である。しかしキャッスリングした側の延び過ぎた白ポーンは理論上は弱点であるが、実戦的には主導権が永続的に続くのでその不利益を上回る。

11.Bxd4

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11...Bc6

 1点。

12.Bf3

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12...e5

 2点。タイミングの良い中原での攻撃で黒枡ビショップの道が開けるか白ポーンが分離される。12...d5 は0点である。この手は白が 13.e5 と突いてくれれば 13...Ne4 でうまいが、13.exd5 exd5 14.Re1+ とされると具合が悪い。

13.Be3

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13...Be7

 1点。13...exf4 14.Bxf4 Be7 はdポーンが弱くなるのでやらずもがなである。

14.f5

 14.g5 の方が良かった。

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14...h6!

 この機敏な応手(3点)によって白の攻撃は完全に頓挫し、自分自身のポーンによって閉じ込められた不良白枡ビショップと幾つかの黒枡に弱点が残ってしまった。15.g5 と突いても 15...hxg5 16.Bxg5 Qb6+ から 17...Qxb2 と安全にポーンをかすめ取られる。

15.Qd2

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15...b5

 2点。本局と第24局を比べてみると良い。本局はキングを真ん中に留め置き側面から攻撃を行なうのが勝る珍しい例である。15...O-O(4点減点)は 16.h4 の後明らかに白から猛攻を食らう。15...O-O-O(0点)も 16.b4 で黒の反撃にとって好都合となる。

16.Rad1

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16...Rc8

 2点。16...b4(0点)は 17.Nd5 でやぶ蛇である。本譜の手の後ならば白のcポーンが浮いているのでこのナイト跳びを牽制している。16...Qb7 で白をeポーンの守りにつかせる手もあり得る。

17.a3

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17...Qb7

 1点。

18.Qd3

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18...Nd7

 3点。黒は新たなポーンの弱点を作らせて攻撃目標としようとしている。このナイトはc5又はc4に侵入することを狙っている。

19.b4

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19...Nb6

 1点。

20.Bc1

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20...Nc4

 1点。

21.Nd5

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21...Bxd5

 1点。

22.exd5

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22...Bg5

 2点。このおなじみの策略で黒は相手の「優良」ビショップと交換し、味方のポーンによって閉じ込められた精彩のない相棒を残させる。

23.Rfe1

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23.Qe7

 2点。23...Bxc1 は1点。

24.Be4

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24...Bxc1

 1点。

25.Rxc1

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25...h5

 3点。黒のみごとな戦略の総仕上げである。クイーン翼で順調に行なわれていた攻撃が反対翼でも行なわれる。25...Qg5 は1点。

26.Qg3

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26...hxg4

 2点。26...h4? は考えるまでもない手である(1点減点)。黒は素通しのh列を活用することができる。

27.Qxg4

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27...Qf6

 1点。黒は 28.f6 を防いだ。

28.Bd3

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28.Rh4

 1点。

29.Qg3

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29...Nb6

 2点。この手は単にdポーンを攻撃するだけでなく、反対翼の攻撃に投入するためでもある。29...Nxa3 は申し分ない手で3点(30.Ra1 Nxc2 31.Rac1 Nxe1 32.Rxc8+ Kd7)。

30.Re4

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30...Rh5

 2点。30...Rxe4 31.Bxe4 Rc4 32.Re1 は0点。

31.Rg4

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31...Nxd5

 2点。31...Kf8(1点)32.Be4 より簡明である。

32.Rxg7

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32...Nf4

 1点。32...Ke7 も1点。

33.Rg8+

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33...Kd7

 1点。

34.Rxc8

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34...Kxc8

 1点。

35.Qg8+

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35...Kb7

 1点。35...Kc7 36.Qa8 は0点。本譜の手に対して 36.Be4+ なら 36...d5 である。

36.Kh1

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36...Qh6

 3点。37.Qxf7+ Kb6 はh2が受からなくなる。それで次の手が必然である。

37.Qg1

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37...Nxd3

 2点。

38.cxd3

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38...Rxh2+

 3点。

 ここで白は投了した。この後のポーン・エンディングは形だけのものである。

診断 長い目で見ればポーンの弱点の不利益はポーンそれ自体でなく、それを守るために役駒が守勢になることにある。本局で黒はまずクイーン翼で相手の駒の利きを狭め、それから反対翼で決定的な攻撃を仕掛けることができた。

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2008年03月19日 15:53に投稿されたエントリーのページです。

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