第4章 ルーク・エンディング
4.1 ルーク対ポーン(続き)
前の例は時には一見絶望的に見える局面でもはるかに進んだポーンに対してルークにはすばらしい守備能力が秘められていることを示してくれた。次の局面はやはりこれを裏付けるものである。
図120
ケイダンスキー、1914年
前の例と比べると黒キングの位置は良くなっている。ルークは今のところは活発でなく白のf6突きを防ぐことができない。従って黒の最初の課題はルークの位置を改善することである。
1...Rc1!
コパエフによるともっと簡明なのは 1...Rc4+! で以下 2.Ke5(2.Kd5 は 2...Rc5+ 3.Kd6 Rxf5!、2.Kd3 は 2...Rc3+ 3.Ke2? Rc8! から 4...Kc5)2...Kc5 3.e7 Rc1 で本譜と同じになる。
2.e7
この手が防御側にとって最も難しい手である。2.Kd5 は無害な手で 2...Rf1 3.Ke5 Kc5 となる。この手順中 3.e7 ならば 3...Rxf5+ 4.Kd4 Rf1! で良い。
2.f6 も受けが楽な手で黒は 2...Rd1+ 3.Ke5 Kc5 4.f7(4.e7 は 4...Re1+ から 5...Kd6)4...Re1+ 5.Kf6 Rf1+ 6.Ke7 Kd5 7.Kd7 Rf6 で引き分ける。
2...Rd1+ 3.Ke5 Kc5
4.Ke6
ここでも 4.f6 は 4...Re1+ から 5...Kd6 で易しい引き分けになる。4.Kf6 は 4...Re1 5.Kf7 Kd6 6.e8=Q(6.f6 は 6...Kd7 7.Kf8 Re6)6...Rxe8 7.Kxe8 Ke5 で引き分けになる。
4...Re1+ 5.Kd7 Rd1+
6.Kc7
6.Ke8 は 6...Rf1 で黒キングはd列に戻らなければならない。6.Kc8 は 6...Re1 7.f6 Kd6 8.Kd8 Ra1! で引き分けになる。
6...Re1 7.f6 Re6!
8.Kd7 Rd1+ 9.Ke8 から 10.f7 を防ぐにはこの手しかない。
8.Kd7 Rd6+
9.Kc8
9.Ke8 は 9...Rxf6 で良くない。白の期待は 9...Re6 10.f7 でそれなら白の勝ちになるが黒にはそれを上回る手がある。
9...Rc6+ 10.Kb7 Rb6+ 11.Ka7 Re6!
白は 12...Kd6 から 13...Rxe7 を防げないので明らかな引き分けである。
(この節続く)