第4章 ルーク・エンディング
4.1 ルーク対ポーン(続き)
キングが盤の片側に遮断されていてポーンがはるかに進んでいる時は非常に面白い局面が現われる。それが次の例である。
図122
モラベック、1924年
白の手番なので黒はポーンを止めることができないから絶望的なように見える。しかし黒は続けざまの詰みの狙いから逃れることができない白キングの不都合な位置につけこんでこの状況を救うことができる。
1.b7
1.a7 も同様の変化で以下 1...Ra2! 2.Kd1(2.Kf1 は 2...Kf3)2...Kd3 3.Kc1 Kc3 4.Kb1 Ra6 5.b7 Rb6+ 6.Kc1 Rh6! 7.Kd1 Kd3 8.Ke1 Ke3 9.Kf1 Kf3 10.Kg1 Rg6+ 11.Kf1 Rh6
で白は詰みの狙いから逃れることができない。驚嘆の引き分けである。
1...Rh2!
ルークの動ける唯一の地点である。1...Rb2 は 2.Kd1 Kd3 3.Kc1 Kc3 4.a7 Rh2(4...Ra2 は 5.b8=Q)5.Kd1 Kd3 6.Ke1 Ke3 7.Kf1 Kf3 8.Kg1 Rg2+ 9.Kh1
で失敗である。1...Ra2 は 2.Kd1 Kd3 3.Kc1 Kc3 4.b8=Q Ra1+ 5.Qb1 で白の勝ちである。
2.Kf1
2.Kd1 Kd3 3.Kc1 Kc3 4.Kb1 なら 4...Rb2+ 5.Ka1 Rb6 6.a7 Ra6+ 7.Kb1 Rb6+ 8.Kc1 Rh6!
又は 4...Rh1+ 5.Ka2 Rh2+ 6.Ka3 Rh1 7.Ka4 Kc4 8.Ka5 Kc5
で白キングは引き返さなければならずどちらも引き分けである。
2...Kf3 3.Kg1
3...Rg2+
3...Rb2? はだめで 4.a7 Rb1+ 5.Kh2 Rb2+ 6.Kh3 Rb1 7.b8=Q Rh1+ 8.Qh2
で白の勝ちとなる。しかし 3...Rh8 は可能である。
4.Kh1 Rg8 5.a7 Rh8+ 6.Kg1 Rg8+ 7.Kf1 Rh8
で白は進展を図ることができない。以下は例えば 8.Ke1 Ke3 9.Kd1 Kd3 10.Kc1 Kc3 11.Kb1 Rh1+ 12.Ka2 Rh2+ 13.Ka3 Rh1 14.Ka4 Kc4 15.Ka5 Kc5
で 16.Ka6 なら 16...Ra1# で詰んでしまうから白キングは引き返さなければならない。
(この節続く)