第4章 ルーク・エンディング
4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)
それでは500年ほど前から知られルセナの局面と呼ばれる古典の例から検討を始めよう。
図129
ルセナ(?)、1497年(?)
これはポーンが7段目まで進み自分のキングがポーンの直前にいて敵キングが遮断されている時の典型的な勝ちの局面である。勝ちは次のような特徴的な駒捌きで得られる。
1...Ke7 2.Re1+
明らかに黒ルークはh列から離れることができない。もし離れれば白ルークがそこを占め Kh8 が可能になる。2.Rf7+ Ke8 3.Rf8+ Ke7 は白キングが盤端に押し込められたままなので何にもならない。
2...Kd7
2...Kf6 は 3.Kf8、2...Kd6 は 3.Kf8 Rf2+ 4.Ke8 Rg2 5.Re7 から 6.Kf8 で黒が早く負ける。
3.Re4!
どうしてルークがここへ行くのかはすぐに明らかになる。3.Kf7 は 3...Rf2+ 4.Kg6 Rg2+ 5.Kf6 Rf2+ 6.Ke5 Rg2 でキングがf6に戻らなければならないので意味のない手である。
3.Re5 でも白は勝てる。しかし 3...Kd6 4.Kf7 Rf2+ 5.Ke8 Kxe5 6.g8=Q となり本譜の手順よりも難しい。
3...Rh1
黒は手待ちをしなければならない。3...Rf2 は 4.Kh7 でも 4.Rh4 から 5.Kh8 でも負ける。
4.Kf7 Rf1+ 5.Kg6 Rg1+ 6.Kf6
6...Rf1+
白の狙いは 7.Re5 から 8.Rg5 だった。6...Kd6 は 7.Rd4+ から 8.Rd8 又は 8.Rd5 で負ける。
7.Kg5 Rg1+ 8.Rg4!
これがルークを4段目に浮かせた理由である。チェックは全て止みポーンがクイーンに昇格する。
(この節続く)