米国チェス連盟の機関誌「Chess Life」の2008年4月号に2007年全国学年別選手権戦の記事があり、上杉晋作くんの終盤戦の棋譜が掲載されていました。
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2007年は上杉晋作くん(友達からは「しん」と呼ばれている)にとって良い年だった。最年少でチェスの日本チャンピオンになっただけでなく、ヒューストンでのこの大会では10年生(高校1年生)の部のチャンピオンにもなった(もっとも前年は9年生の部で優勝しているので2006年も良い年に違いないが)。次のジャレッド・タンとの試合の終盤戦ではナイト対ビショップのエンディングで参考になるみごとな技量を披露した。黒のビショップは不良ビショップでないにもかかわらず何も手出しができなかった。
白 上杉晋作(2246)
黒 ジャレッド・タン(2000)
2007年全国学年別選手権戦10年生の部
テキサス州ヒューストン、2007年12月
白の手番
32.Ne3
上杉くん「クイーンもルークも交換してナイト対ビショップのエンディングにした方が得策だと思いました。」
32...Rxd1+ 33.Qxd1 Qxd1+ 34.Nxd1 Kc7 35.Kb1 Kc6 36.Ne3
上杉くん「この手は相手のキングがこちらの陣地に侵入してくるのを防ぐためです。後はこちらのキングを進出させて外側パスポーンを作れば良いだけです。」
36...h5 37.Kc2 h4 38.g4 fxg4 39.Nxg4
39...Bg7 40.Kd3 Kd5 41.Ne3+ Kd6 42.Kc4 Kc6
43.b4
他に考えられる手は 43.f5 で、白のビショップが狙いをつけるかも知れない黒枡ポーンを先に交換で消しておこうという意図である。以下の両者の最善の手順は 43...Bh6 44.Ng2 Bg5 45.fxe6 fxe6 46.Ne1 である。
このナイトは次にf3に跳んで黒ビショップをh4のポーンの守りに縛り付けることになる。しかしこの局面はあまり白が優勢とは言えないであろう。
43...cxb4 44.cxb4 Kb6 45.a4 Bf6 46.a5+
46...Kc6?
一見当然のようなこの手が恐らく敗着である。黒キングがc6にいると白はナイトを Ng4-e5 と捌き、白のfポーンが落ちるか、さもなくば本譜のように小駒の交換になって白のクイーン翼の多数派ポーンによって勝負が決することになる。黒は 46...Kc7 と指すのが良かった。
47.Ng4 Bb2 48.Ne5+ Bxe5
49.b5+
上杉くん「単に 49.fxe5 と取っておくこともでき以下 49...a6 50.b5+ axb5+ 51.Kb4 でも勝ちです。でも本譜の手の方が自分にとっては簡単でした。」
49...Kc7 50.fxe5 Kb7 51.Kd4 Kc7 52.Ke4 Kb7 53.Kf4 a6 54.b6 Kc6 55.Kg4 黒投了
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2007年のグランプリでは上杉くんの名前が載っていた時もありましたが最終的には圏外でした。2008年度はまた顔を出しました。
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