第4章 ルーク・エンディング
4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)
A ルーク+ルーク列ポーン
もし黒ルークがa1でなく活動性に劣る2段目にいれば一般に白の勝つ可能性は大きくなる。図134はそのような局面でどのように指し進めるのかという例である。
図134
シェロン、1923年
白の手番ならばもちろん 1.Kd4 Rd7+ 2.Kc5 Re7 3.Kb6 で簡単に勝つ。
しかし黒の手番では次のような面白い手段で引き分けになる。
1...Kf6+
意外なことに黒キングはポーンから遠ざからなければならない。1...Kd6+ は次のような手順で負けてしまう。2.Kd4 Ke6 2...Rd7 は 3.Kc4 Rc7+ 4.Kb5 Rd7 5.Kb6 である。この手順中 4...Rc5+ なら 5.Kb4 で白が勝つ。3.Kc5 Ke5 4.Kc6!
これで黒は手詰まりに陥っている。例えば 4...Ke6 なら 5.Kb6、4...Ke4 なら 5.Kd6、最後に 4...Re6+ なら 5.Kd7 Rd6+ 6.Kc7 である。
2.Kd4
2...Rf7!
このようにf列で新しく防御態勢を整える。この列がe列よりも都合が良いことがまもなく分かってくる。2...Ke6 は 3.Kc5 で、2...Rd7+ は 3.Kc5 Rf7 4.Kb6 で負けることは既に分かっている。
3.Kd5
3.Kc5 は 3...Kf5 4.Kb6 Rf6+ から 5...Rf7 で引き分けである。黒は手詰まりに陥ることはない。
3...Kf5 4.Kd6
4...Kf6!
黒は気を付けなければならない。4...Rf6+ は 5.Ke7 で負けてしまう。
5.Kc6 Kf5 6.Kc5
6...Kf4!
絶対手である。6...Kf6 又は 6...Rc7+ は 7.Kb6 でたちまち白の必勝形になる。
7.Kb6 Rf6+ 8.Kc7 Rf7+ 9.Kc6 Kf5
白キングは黒を手詰まりに陥れることのできる急所のb6とe6の地点に同時に進出できないので何も進展を図れない。
(この節続く)