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あなたの棋力診断(12)

第3章 大局観

第12局

 本局のあなたは白番で、指導パートナーは元世界選手権挑戦者でグランドマスターの中でも最も気さくで好かれている一人のダビッド・ブロンシュテインである。対戦相手は元英国選手権者のハリー・ゴロンベックである。この試合は1956年にモスクワで開催されたアリョーヒン記念大会で指された。局面図までの手順は次のとおりである。

1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.Nf3 b6 5.e3 Bb7 6.Bd3 Ne4 7.O-O Bxc3 8.bxc3 O-O 9.Ne1 f5 10.f3 Nf6 11.a4 Nc6

YRate12.JPG

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12.e4

 2点。このような陣形の局面はニムゾ・インディアン防御から良く生じ、白黒双方にとって重要な形である。両者とも自分の作戦を速やかに遂行しなければならない。白の作戦は自分の双ビショップのために中央を開放状態にし、最終的にはキング翼攻撃を行なうことである。黒は相手をc4のポーンの守りに縛り付けるように努めなければならない。そのための手段は ...Na5、...Ba6、...c5、...Rc8 である。従って 12.Nc2 のような受身の手は0点である。12.Qc2、12.Qe2、12.Ba3 はどれも1点である。

12...fxe4

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13.fxe4

 1点。

13...e5

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14.Bg5

 3点。

 14.d5(1点)は 14...Na5 で局面を閉鎖状態にしてしまい(白の双ビショップにとっては好ましくない状況)、黒のナイトを元々行きたかった地点に行かせてしまう。14.dxe5(0点)は黒の二つのナイトを動き易くさせてしまう。14.Nf3 と 14.Be3(どちらも2点)も十分考えられる手だが本譜の手よりは積極性が劣る。

14...Qe7

 14...exd4 15.cxd4 Nxd4? は 16.e5 があるのでだめである。

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15.Nc2

 1点。

 攻撃されているdポーンを守った。

15...Qd6

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16.Bh4

 4点。黒はdポーンを取る手を狙っていた。この手はそれを間接的に防いでいる。16...exd4 は 17.Bg3 Qc5 18.cxd4 Nxd4? 19.Bf2 で失敗する。16.d5 は1点、16.dxe5 は0点である。

16...Rae8

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17.Bg3

 2点。明らかに最善手である。eポーンが釘付けになっているので黒は15手目を引っ込めるしかない。

17...Qe7

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18.Ne3

 3点。白はまたしても中原ポーンの固定化を巧い手筋で回避している。即ち 18...exd4 なら 19.Nf5 である。18.d5 と 18.dxe5 は共に0点である。

18...d6

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19.Bh4

 4点。ビショップの行ったり来たりは奇妙に思われるかもしれない。しかし双ビショップ体勢にすることが白の作戦であることを考えればきわめて理にかなっている。19.Nf5、19.Nd5、19.Ra2(ルークを重ねる準備)はどれも2点である。これらはどれも合理的な手だが本譜の手より迫力に欠ける。

19...Nd8

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20.Nd5

 1点。

20...Bxd5

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21.cxd5

 2点。こちらのポーンで取る方が 21.exd5(0点)よりはるかに良い。白の狙いは 22.Bb5 である。双ビショップ体勢になった白の次の課題は双ビショップが十分に効果を発揮できるように局面を開放状態にすることである。

21...c6

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22.Qb3

 3点。22.dxc6(2点)も当然の良い手である。しかし白はこの手を指す前にさらに自陣を強化する余裕がある。本譜の手に対して 22...cxd5 と来ればやはり 23.Bb5 が成立する。

22...Kh8

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23.Rae1

 2点。23.dxc6、23.Rf2、23.Ra2 はどれも1点。

23...h6

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24.Qa3

 5点。多分本局で一番難しい手である。この手は黒クイーンに対して隠れた狙いを持っているので黒は ...g5 から ...Nh5 で自陣をくつろげることができない。具体的には 24...g5 25.Bg3 Nh5 26.dxe5 dxe5(26...Nxg3 なら 27.exd6)27.Bxe5+ である。すぐに 24.Bg3(1点)とするのは 24...Nh5 で同じ変化にはならない。24.dxc6 は2点である。24.dxe5 dxe5 25.c4 は 25...c5 で白に保護パスポーンができるが黒はナイトをd6に配置してせき止めることができるのでかえって黒が楽になる。

24...g5

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25.Bg3

 1点。

25...Nd7

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26.dxc6

 2点。他の手なら黒は 26...cxd5 と取れるので今取る必要がある。

26...Nxc6

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27.Bb5

 2点。

27...Rxf1+

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28.Rxf1

 1点。

28...Ncb8

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29.Bc4

 2点。この手の狙いは 30.Rf7 である。白の双ビショップが本領を発揮し始めた。

29...Rf8

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30.Rxf8+

 1点。

30...Qxf8

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31.dxe5

 1点。これで1ポーン得になる。黒が 31...Nxe5 と取るのは駒損になる。

31...Nc5

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32.exd6

 1点。

32...Nxe4

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33.d7

 3点。33.Be5+ も速い手なので3点。

33...Nc5

 33...Qxa3 なら 34.d8=Q+ で白が勝つ。

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34.Be5+

 1点。

34...Kh7

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35.Bd3+

 2点。黒投了。35...Kg8 と逃げても 36.Qa2+ で決まる。

診断 本局では戦略の目標(ここでは双ビショップ体勢の確立と自分に都合の良い局面の開放)が戦術的手段によってどのように達成されるかが示されている。このような状況はアマチュアの選手にとって最も苦手な分野の一つである。それは大局的な判断と同時に具体的な変化を読まなければならないからである。

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2008年04月09日 09:20に投稿されたエントリーのページです。

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