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実戦に役立つエンディング(139)

第4章 ルーク・エンディング

4.2 ルーク+ポーン対ルーク(続き)

 ルーク+ルーク列ポーン

 この基本的な引き分けの局面の知識を身に付けたので、勝ちか引き分けかが白キングの位置によって決まるようなもっと一般的な局面を検討することができる。

YKeres139.JPG 図139
タラシュ、1908年

 長年の間にこの局面の評価は変化した。1908年にタラシュは白の勝ちという分析を発表した(ラスカー対タラシュの番勝負の本)。バンクーラの引き分けの局面(図138)がこの評価を一変させた。現在では黒が最善の受けを尽くせば引き分けることが知られている。まず両者が考えるべきことを確認しよう。

 第1点は黒キングの接近を防ぐために白は自分のキングをポーンの所まですぐに移動させなければならないのかということである。黒は常に a7 の可能性を考慮に入れておかなければならないので黒キングはg7又はh7に戻る用意をしておかなければならない。これはf7又はf6には行って良いがe列には行けないということである。例えば 1...Kf7 2.Kf2 Ke7(e6)? 3.a7! Kd7 4.Rh8 が白の狙いである。4.Rh8 Rxa7 5.Rh7+
YKeres139A.JPG
で白の勝ちとなる。だから黒キングがポーンに近づいてくる恐れはない。

 第2点は黒は手をこまぬいて白キングをa7に行かせて良いのかということである。黒はそれを許すことはできない。例えば次の手順で白が勝つ。1.Kf2 Kf7? 2.Ke2 Kg7? 3.Kd3 Ra4 4.Kc3 Kf7 5.Kb3 Ra1 6.Kb4 Rb1+ 7.Kc5 Rc1+ 8.Kb6 Rb1+ 9.Ka7 Ke7 10.Rb8 Rc1 11.Kb7 Rb1+ 12.Ka8 Ra1 13.a7
YKeres139B.JPG
で図136の分析のように黒が負ける。

 以上から黒は引き分けるためには何か具体的な行動を取らなければならない。黒の目標は以下のように図138の引き分けの局面に到達することである。

1.Kf2 Ra5!

YKeres139C.JPG

2.Ke3

 2.Ra7+ に対しては黒は素直に 2...Kg6 と指して良く結果は変わりない。もっとも 2...Kg6 の代わりに 2...Kg8 でも良い。

2...Re5+ 3.Kd4 Re6!

YKeres139D.JPG

これで引き分けと分かっているバンクーラの局面になった。

 しかしこのことから図139に似かよった局面がすべて引き分けになると考えるのは誤りである。前に述べたようにすべては白キングの位置にかかっている。例えば白キングが既に4段目にいれば明らかに同じ手段でバンクーラの局面に到達することはできない。

 それでは黒ルークが3段目に到達するにはチェックで先手を取ることが必須なのだろうか。黒は自分のキングをg7に置いたまま自分のルークをa列から離して3段目に戻らせることができない理由があるのだろうか。図139から手順を検討してみよう。1.Kf2 Rc1 黒の意図は 2...Rc6 なので白はルークを動かさなければならない。2.Rb8 Ra1 3.Rb6 Kf7 4.Ke3 Ke7 5.Kd4 Kd7 6.Kc5 Kc7 7.Rb7+ Kc8 8.Kb6 Rb1+ 9.Ka7 Rc1
YKeres139E.JPG
これで白は何もできない。そこで白は 2.Ra7+ を試みなければならない。黒キングはどこへ逃げたら良いであろうか。2...Kf8 は 3.Rb7 から 4.a7 で黒が負ける。しかし次の手順なら引き分けになる。2...Kg6 3.Rb7 Ra1 4.a7 Ra3 5.Ke2 Kf6
YKeres139F.JPG
これで白キングが十分遠く離れている場合黒にはバンクーラの局面に到達するもう一つの手段があることになる。黒が引き分けるためには白キングはどのくらい離れていなければならないか。この境界を決める前に次の図140を調べてみよう。

(この節続く)

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2008年04月12日 09:45に投稿されたエントリーのページです。

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